排尿の異常

目次

 

 

 

トイレが近くなったり、排尿に痛みや不快感を伴う場合は、尿路系の障害が疑われます。

 

排尿の異常

 

排尿の異常

 

すっきりと排尿できない状態

 

尿は腎臓でつくられ、尿管から膀胱に送られます。

 

通常は、膀胱に尿が300mlほどたまると膀胱内の圧力が高まり、その信号が大脳に伝わって尿意が起こり、膀胱の筋肉や尿道括約筋が働いて、苦痛なく排出されます。

 

 

ところが、腎臓から尿道までの尿路系や、排尿にかかわる神経や筋肉の働きなどに何らかの障害があると、排尿に伴うさまざまな異常が現れます。

 

尿が出にくくなったり、尿の放出力が弱くなるなど、排尿がスムーズに行われなくなる症状は、排尿困難とよばれます。

 

 

症状が進むと、排尿が不完全なため膀胱内に尿が残り、残尿感を覚えます。

 

さらに、膀胱に尿がたまっているのに排出できない尿閉となることもあります。

 

 

排尿痛は、排尿時に感じる膀胱や尿道のあたりの痛みです。

 

排尿の始めに痛んだり、排尿の後に痛むケースなど、障害の原因により症状の現れ方は異なります。

 

 

尿失禁は、自分の意思に反して尿がもれてしまう状態です。

 

咳やくしゃみをして尿がもれる場合や、膀胱が満たされても尿意を感じないで尿がもれてしまうといったさまざまなケースがあります。

 

 

排尿回数や尿の量は摂取した水分量や発汗量などに左右されますが、1日の排尿回数が昼間10回以上、夜間2回以上になると頻尿といえます。

 

また尿量が異常に増えたり、減ったりした場合も注意が必要です。ときには尿がほとんどつくられず、無尿の状態になることもあります。

 

 

 

 

膀胱と尿道の構造

 

膀胱と尿道の構造

 

女性と男性では、排尿に関係する器官や周辺の臓器の構造に差異があります。女性は男性に比べて尿道の長さが約4分の1と短いうえ、尿道口のすぐ近くに膣口や肛門があります。

 

このため尿道口から細菌が侵入しやすく、女性に膀胱炎が多い原因となっています。

 

 

また尿道が短いため尿をコントロールする力が弱く、尿失禁を起こしやすいといえます。

 

一方、男性には膀胱の出口に尿道をとり囲むようにして前立腺があり、前立腺が肥大して尿道を圧迫すると、排尿困難や残尿、頻尿といった排尿に伴う障害を引き起こします。

 

1日の排尿平均量と排尿頻度

 

日齢・年齢

排尿頻度(回/日)

尿量(ml/日)

1~2日

2~6

30~60

3~10日

5~30

 

100~300

10~60日

250~450

2~12ヶ月

400~500

1~2歳

6~8

 

500~600

2~5歳

600~700

5~8歳

650~1,000

8~15歳

800~1,400

 

1日の尿量と回数は成長とともに変化します。生後1~2日は回数、量ともに少なく、乳児期では量も回数も多いのが特徴です。

 

中枢神経が発達し膀胱に尿をためられる幼児期になると量は増えますが、回数は減ります。

 

 

 

排尿異常の原因

 

膀胱や尿道の障害が主因

 

排尿の異常は、主に腎臓から尿道までの尿路系の疾患によって起こります。

 

男性に多いのが、前立腺肥大症によるものです。肥大した前立腺が尿道を圧迫するため、尿が出にくくなり、残尿感や尿閉、夜間頻尿などの症状が現れます。

 

 

女性に多い膀胱炎や尿道炎などの尿路感染症では、炎症による刺激で頻尿となり、排尿痛や残尿感を生じます。

 

また尿路結石や腫瘍などで尿路がつまったり、尿路に異物が混入したり、妊娠や子宮の疾患で膀胱が圧迫されたりしても、排尿困難や頻尿、排尿痛、残尿感などの症状がみられることがあります。

 

 

尿量が異常に増える疾患には、糖尿病のほか慢性腎不全の初期や尿崩症(にょうほうしょう)があげられます。

 

加齢に伴う腎機能の低下や、薬剤の副作用でも尿量が増えて頻尿となることがあります。

 

 

尿量が少なくなる症状は、高熱、発汗、下痢、嘔吐などによる脱水状態で起こります。

 

また急性腎不全や急性腎炎などの腎疾患でも尿の量が減少します。

 

 

咳やくしゃみで尿がもれる切迫性尿失禁は、加齢や出産による骨盤底筋のゆるみが原因です。

 

そのほか下腹部の手術や外傷で骨盤内の筋肉や神経が損傷されたり、脳出血や脊髄の損傷などで排尿にかかわる神経系に異常が起こった場合にも、排尿困難や尿失禁をきたします。

 

からだに異常がなくても、緊張やショックといった精神的な要因で頻尿になったり、排尿困難や尿失禁などの症状を起こすこともあります。

 

 

 

 

排尿異常の治療

 

早期の治療で思い腎機能障害を防ぐ

 

排尿に異常が現れたらなるべく早く受診し、症状の軽いうちに治療することが大切です。

 

特に腎疾患では、症状が進むと腎不全や尿毒症など重い腎機能障害に陥る危険があるので注意が必要です。

 

 

尿路感染症や尿路結石などの尿路系の疾患では、原因と程度に応じて薬物療法や手術療法による治療が行われます。

 

軽度の尿失禁の場合は、骨盤底筋を鍛える体操で症状を改善できることがあります。

 

 

糖尿病や神経系の障害など尿路系以外の疾患が原因の場合は、それぞれの病気の根本的な治療が必要です。

 

排尿異常の予防

 

尿意を我慢しないこと

 

感染症に対する抵抗力を高め、尿失禁前立腺肥大症を悪化させる便秘や肥満を解消するためにも、日ごろからバランスのとれた食事と適度な運動を心がけ、疲れやストレスをためないよう体調を整えておくことが大切です。

 

からだを清潔に保ち、尿路に炎症を起こさないように気をつけましょう。

 

 

また水分を十分にとり、尿をこまめに出すようにすると、尿路感染症や尿路結石の予防になります。

 

尿意を我慢して膀胱に長時間尿を停滞させると、細菌が繁殖しやすくなるので注意しましょう。

 

 

 

尿道狭窄

 

尿道の内腔が狭くなった状態を、尿道狭窄(にょうどうきょうさく)といいます。

 

先天性のものと、尿道炎や尿路の外傷によるものとがあり、女性にもみられますが、尿道が長い男性に多く起こります。

 

 

症状は排尿困難が主で、力を入れても細い尿しか出なくなり、ひどくなると尿がポタポタと滴下するようになります。

 

症状がさらに進むと尿閉に至ることもあり、そのときに細菌感染を起こすと膀胱炎や腎盂腎炎(じんうじんえん)を併発しやすくなります。

 

 

また腎盂や腎杯に尿がたまって水腎症となり、腎機能が低下して尿毒症を起こすこともあります。

 

症状が軽い場合や女性は、外来で尿道に管を挿入して内腔を広げていく治療で治りますが、重症の場合は入院しての手術が必要です。

 

前立腺肥大症を悪化させないためには、どのような注意が必要ですか?

排尿困難や頻尿などの症状が現れたら早めに受診し、治療を行うことが大切です。

 

前立腺肥大症を放置すると、尿が排出されにくくなるため腎臓に尿がたまり、腎臓の働きが低下していきます。

 

 

また細菌が繁殖しやすくなり、膀胱炎などの尿路感染症を併発することもあります。

 

日常生活では、長時間座り続けて作業をしたり、自転車やオートバイに乗って外陰部を圧迫すると前立腺の充血を招いて症状を悪化させるので気をつけましょう。

 

アルコールや香辛料など刺激物の過剰な摂取や、便秘や下痢などもよくありません。

 

 

 

神経因性膀胱とはどのような病気ですか?

知覚神経や末梢神経、脊髄の排尿中枢など、排尿にかかわる神経系のどこかに障害が起こって、排尿のシステムがうまく働かなくなった状態です。

 

症状は障害がある神経の部位によって異なりますが、尿が思うように出なくなったり、膀胱に尿が充満しても尿意を感じなくなり、あふれるように少しずつ尿がもれ出したりします。

 

 

脳血管障害や脊髄の損傷、骨盤内の臓器摘出手術などが原因となるほか、糖尿病などで末梢神経が侵されて起こることもあります。

 

損傷した神経を再生することは不可能なため、治療には薬物療法に加え、排尿訓練などのリハビリテーションが必要となります。

 

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