じんましんの症状・検査

目次

 

 

 

じんましんの症状

 

じんましんの症状・検査

 

ときには窒息状態に陥ることも

 

じんましんはからだのどの部位にもできますが、顔面、胸腹部、大腿部などにできやすく、目の周りや唇が腫れたり、ときには口の中の粘膜が腫れることもあります。

 

発疹の大きさは直径2~3mmから手のひら大まであり、形も丸いものや地図状のものなどさまざまです。

 

 

重症の場合は皮膚だけでなく、気管支や腸などの粘膜にも発疹ができ、息苦しさや呼吸困難、下痢、腹痛を伴います。死亡に至るケースもありますので、こういう症状が出たときには、至急、病院へ行くようにしましょう。

 

なお、普通なら数時間で消える症状が数日間も続いたり発疹のあとに色が残ったり、内出血を伴い紫色の斑点(紫斑)ができたりするときは、ほかの重大な病気の反応を疑います。

 

 

これらはアレルギーによるものですが、皮膚以外のほかの臓器の異常も考えられます。すなわちB型肝炎の初期症状や、難病に認定されている全身性エリテマトーデスや全身性血管炎の症状であったり、内臓の病気の前兆のケースも考えられるので、通常と違う発症パターンには注意が必要です。

 

これらの随伴症状としては、発熱、関節痛がありますので、見分けるバロメーターになります。

 

じんましんのでき方

 

じんましんの発生には、ヒスタミンやそれと似た化学伝達物質が関与していると考えられています。

 

それらの物質は皮膚や血管の周囲にたくさん分布しているマスト細胞の中に入って、通常は細胞内の化学反応を媒介しています。

 

これらの物質は細胞膜から飛び出すと、血管の透過性を高め、血漿が皮下に浸出してしまい、むくみを生じます。このむくみがじんましんで、発疹とかゆみを起こします。

 

 

じんましんのでき方症例

じんましんのでき方

背中が広く赤く腫れています。

 

膨疹の形は、この症例のように地図状の場合もありますが、そのほかに輪が連なったようなものや、大小の円が点在するなど、さまざまです。

 

 

 

 

じんましんと混同する皮膚そう痒症

 

じんましんと混同するものに皮膚そう痒症があります。じんましんと違って発疹ができず、そう痒のみを感じるのが、見分けるポイントです。

 

甲状腺機能亢進症・低下症、糖尿病痛風などの内分泌疾患によって起こるもの、悪性腫瘍が原因の場合、慢性腎不全、腎透析が誘因となるケース、鉄欠乏性貧血など血液疾患によって起こるもの、肝炎など肝機能の低下が引き金となる場合、精神疾患によるもの、そのほか薬物、老化、妊娠などによって起こるものなどに分類されます。

 

老人性皮膚そう痒症は、皮膚の新陳代謝の低下により、皮膚が乾燥してポロポロと剥離してしまう疾患です。65歳以上の皮膚科新患の7%を占めるという報告があるほどです。

 

 

じんましんの検査

 

原因を特定するための各種テスト

 

じんましんの診断は比較的容易につきますが、その原因を特定することは実際には難しいものです。患者自身はじんましんと思い込んでいても、単なる湿疹であったり、皮膚そう痒症であることも少なくありません。

 

そこで原因探索のため、問診、血液・尿検査、胸部・腹部のレントゲン撮影、アレルギーの原因物質を皮膚につけるパッチテスト、原因となっている食品があるか試験的に摂取させたり、除去させたりして調べる食品摂取・除去テスト、薬剤内服テストなどをします。

 

 

それでも原因が特定できない場合は、寒冷試験、水浸漬試験、光線検査などの特殊試験を行うこともあります。以下、よく行われる検査について説明します。

 

問診

 

症状の出た状況と経過を細かく聞かれます。食べ物が疑われれば、発疹の現れる前に摂取した食品の種類、鮮度、保存法、調理法、調理者などのチェックを受けます。また過去、食品による発疹があったかどうかも質問されます。

 

薬剤性が疑われる場合は、薬剤の種類、過去じんましん様の発疹が薬物によって出たことがあるかなどを聞かれます。

 

 

物理的な刺激が疑われる場合は、いつどんなときに生じたかを特定するために、住居や職場の環境、仕事の内容、身につけている下着や装身具、発症するときに触れたものがないか、花粉やダニによるアレルギーで受診したことがあるかどうかなどを尋ねられます。

 

家族にじんましんになる者がいるか、心理的なストレスがないかといったことを聞かれることもあります。

 

一般検査

 

急性じんましんでは、全身症状を伴うことが少なくないので、全身の状態を把握するために、尿検査や便潜血反応、血液検査などが行われます。

 

じんましんの場合、白血球数とそのなかの好酸球数の増加がよくみられます。症状がひどい場合は、尿たんぱくや便の潜血反応が陽性となります。

 

スクリーニング検査

 

一般検査に加えて、じんましんの分類を行うために種々のスクリーニングが実施されます。

 

寒冷じんましんが疑われる場合には、血清あるいは血漿中のタンパク質の一つであるクリオプロテインが寒冷によって沈殿し、温度を加えることによって溶解するかどうかをチェックする試験などが行われます。

 

病巣感染性じんましんのなかで、扁桃炎、副鼻腔炎などの感染症が原因ではないかと推測されるときは、感染巣に超短波を照射したり、マッサージをして刺激を加え、じんましんが悪化するかどうかをみます。

 

免疫学的検査

 

アレルギー性のじんましんがないかどうかを調べるテストです。

 

血清中のIgEの総量を測ります。IgEが多いと、じんましんは起こりやすくなります。

 

皮膚反応検査

 

アレルギー症状を引き起こす原因物質であるアレルゲンのエキスを皮膚につけてその反応をみる検査(パッチテスト)です。

 

これには、ハウスダスト、花粉、真菌、動物のフケ、毛、鶏卵、牛乳、魚介類、甲殻類などのエキスが臨床的にはよく用いられます。一定時間経過して皮膚が赤くなったり腫れたりすると、陽性と判定されます。

 

このエキスを皮膚にひっかき傷をつけて塗布するものを掻破反応(スクラッチ)テスト、前腕部の皮下に注射して反応をみるものを皮内反応テストといいます。

 

機械的じんましんの患者には、皮膚描記法が用いられます。先の細い硬いもので強く皮膚をこすります。健康な人は少し赤くなってわずかに腫れる程度ですが、機械的じんましん患者の場合は真っ赤に腫れ上がります。

 

寒冷負荷試験

試験管に氷の入った冷水を入れ、10分ほど皮膚に接触させて反応をみます。発疹やむくみが出れば寒冷じんましんの可能性が大になります。

 

温熱負荷試験

試験管に約43℃の温水を入れ、10分ほど皮膚に接触させて反応をみます。

 

運動負荷試験

階段を上り下りさせたりして発汗させ、発疹が出るかをチェックします。陽性の場合はコリン性じんましんの可能性が強くなります。

 

光過敏症試験

中波長紫外線(UVB)、長波長紫外線(UVA)、可視光線などによる照射試験です。日光じんましんに対して行われます。

 

食事試験

食物が原因と考えられる場合、主に二つの試験が行われます。

 

 

 

一つが試験食法で、2日間の絶食をして発疹が停止すれば、食事性のじんましんの疑いが強くなります。しかし2日間の絶食はなかなか困難なので、砂糖水や砂糖入りの薄い紅茶のみを与えて経過をみる方法がとられます。

 

次に食物を特定するために、徐々に食品を増やしていき、発疹が出たら直前の食品によるじんましんの可能性が強まります。

 

 

見当がついたら再びその食品の摂取をやめ、発疹がひくかどうかを確認して食品を特定します。

 

もう一つが食品選択法です。小麦、牛乳、卵などのじんましんを引き起こしやすい食品を除いた献立表をつくり、そのうちの一つを約10日間与えて、反応をみます。それを繰り返して、じんましんを引き起こす食品を特定します。

 

 

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