主婦湿疹(手湿疹)の治療 ステロイド軟膏による治療や紫外線によるPUVA療法

目次

 

 

 

主婦湿疹の治療

 

主婦湿疹(手湿疹)の治療 ステロイド軟膏による治療や紫外線によるPUVA療法

 

皮膚のバリヤ機能の改善が主体

 

治療は、皮膚障害の悪循環を断って、バリヤ機能を改善することを目的とします。皮膚の乾燥には白色ワセリン軟膏、尿素軟膏、亜鉛華軟膏などを塗って表皮を保護します。

 

ステロイド軟膏による治療

 

ステロイド軟膏による治療症状が激しく、皮膚深部で炎症が起きている場合は回復に時間がかかります。バリヤ機能をとり戻すために最も即効性のある治療法は、炎症を抑える効果の高い副腎皮質ホルモン(ステロイド)入りの軟膏を使用することです。

 

皮膚科医の処方によるステロイド軟膏を、医師の指示に従って、水仕事などの後にたっぷりとすりこむように塗るのがポイントです。

 

水仕事を行った後に、洗剤をよく洗い落として水分をきれいにふき取り、ステロイド軟膏を塗ります。水仕事にゴム手袋を使う場合には、ステロイド軟膏を塗ってから手袋を着用し、終わった後に手を洗い、またステロイド軟膏を塗ります。

 

 

薬で炎症を抑えるとともに、軟膏に含まれるワセリンの働きで表皮面に脂の膜をつくり、皮膚を保護します。

 

重い炎症の場合に効果を発揮するのが密封療法です。寝る前に患部にステロイド軟膏をたっぷりと塗って、使い捨てのビニール製またはプラスチック製の手袋を着用し、その上に布製手袋をはめて一晩おきます。

 

密封状態になるので汗をかき、通常の約10倍の浸透性が得られます。

 

翌朝、手袋をとってせっけんでよく手を洗って乾燥させ、またステロイド軟膏を塗っておきます。

 

 

手の皮膚は厚いために、ステロイド剤の副作用の危険性はほとんどないといわれています。むしろ、皮膚が厚いので薬が浸透しにくく、強力なステロイド剤が必要となります。

 

不必要な長期連用を避けるためにも、医師の診察を受け、その指導に従ってステロイド剤を使用することが重要です。

 

PUVA療法

 

水や洗剤などを使う仕事を職業としている美容師や調理師などの場合は、ステロイド軟膏を塗ったり、ゴム手袋を着用することができないために治療は大変難しくなります。

 

このような場合の治療法にPUVA療法があります。紫外線を吸収する物質を患部に塗って、波長の長い紫外線を照射します。皮膚の免疫作用を抑え、刺激が加わってもバリヤが壊れにくくする療法です。

 

紫外線を患部にあてるので、部分的に日焼けをしたような状態になりますが、慢性の炎症を抑える効果があり、さらに皮膚の性質を変化させる作用があるため、治療の効果が長続きします。

 

 

生活上の注意

 

手のひび割れが治ったら、治療は一応完了です。ただし原因を完全にとり除くことはできないため、再発を繰り返すのも主婦湿疹の特徴です。悪化させないために、できる限り予防を心がけましょう。

 

水仕事を一切行わないことが最も効果的な予防法ですが、現実には不可能です。

 

水仕事の際にはできるだけ手袋を着用しましょう。ゴム手袋の感触が苦手な人向けに、使い捨てのプラスチック手袋も市販されています。布手袋は繊維の先が刺激物となるため、避けたほうが無難です。

 

手を洗うときには微温湯で洗い、乾いたタオルで十分に水気をふき取ります。低刺激性のせっけんを使うことも効果があります。

 

手の乾燥を防ぎ、脂分を補給して皮膚のバリヤを守るために、水を使った後には必ず市販のハンドクリームや、保湿力のある尿素軟膏などを塗ります。爪の周囲や甘皮部分にも、常に脂分を補給するのを忘れないようにしましょう。

 

 

 

鑑別しにくい手の湿疹

 

刺激性の接触皮膚炎である主婦湿疹をはじめとする手湿疹には、アレルギー性接触皮膚炎、異汗性湿疹(汗疱)などさまざまな皮膚炎があります。

 

湿疹を区別するのはなかなか難しいのですが、特に主婦湿疹と間違えやすいのは、異汗性湿疹です。

 

 

異汗性湿疹は、手のひらに小水疱ができて破れ、中の液体が流れ出すと乾燥してかさかさした状態になります。以前は、手のひらに毛穴がないため、汗腺に汗がつまって水ぶくれになったと考えられていました。

 

近年になってアレルギー性あるいは刺激性の炎症、つまり湿疹であることがわかりました。ただし、汗腺自体には異常がないため、この病気の原因は不明とされています。

 

 

異汗性湿疹の症状の特徴が、主婦湿疹に似ていることから鑑別をつけにくいのですが、異汗性湿疹は手のひらだけでなく、毛穴のない足の裏にも生じることから、診断がつきます。

 

 

 

ステロイド軟膏は副作用が強いと聞いていますが、使うときにはどんな注意が必要ですか?

ステロイド軟膏を顔やからだに用いる場合は、角質層が薄いため内部に浸透しやすく、副腎皮質ホルモンが過剰になって副作用を起こすので、慎重な配慮が必要です。

 

しかし、手や指の場合は角質層が厚いので副作用が起こるおそれは少なくなります。ステロイド軟膏の副作用が知られるようになって、むやみにおそれる人が増えていますが、治療のためには医師の指示に従ってきちんとつける必要があります。

 

自己判断で中途半端な使い方をすると、炎症を長引かせ、かえって長期に使用することになりがちです。

 

まず医師の診断を受け、処方されたステロイド剤は指示を守って使用し、炎症が治まったらただちに塗るのをやめるようにしましょう。

 

冬になるとひどく手が荒れるのですが、市販約やクリームをつけておけば大丈夫ですか?

冬は空気が乾いて、お湯を使う機会も増えるために皮膚の脂分は一層少なくなり、乾燥します。そのため、手荒れがひどくなります。

 

軽く赤みをおびたり、少々かさつくような初期の段階の手荒れであれば、ワセリンなどの軟膏類やハンドクリームで角質内に水分や脂分を補給して乾燥を防ぐのは効果的です。

 

しばらくつけていても効果がみられない場合は、単なる手荒れではないこともあります。早期に医師の診断を受けることが大切です。

 

主婦だけに起こる疾患ではない

 

主婦湿疹は、主婦に限らず手に刺激を受けてバリヤが破壊されれば、誰にでも起こるものです。ゲーム機に熱中したり、飲食店でアルバイトをする若者の間でも増加の傾向があります。

 

手の乾燥状態に注意を払い、手荒れが治らないようなら軽いうちに皮膚科で治療を受けましょう。

 

 

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