黄疸が現れた場合の応急処置

目次

 

 

 

黄疸は、肝臓や胆道の病気で現れることの多い症状です。皮膚や白目の黄染に気づいたら、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。

 

黄疸が現れた場合の対処法

 

黄疸に伴う症状が現れたとき

 

黄疸に伴う症状が現れたとき1

 

吐き気をもよおしたときは、胃のあたりに氷のうや冷たくして絞ったタオルなどをあてて冷やし、安静を保ちます。

 

嘔吐に備えて、洗面器と薄い食塩水を用意しましょう。

 

 

黄疸に伴う症状が現れたとき2

 

激しい腹痛が起こった場合は、本人が一番楽になる姿勢で寝かせます。

 

横向きに寝て膝を曲げたり、あおむけに寝て膝を立てると、痛みがやわらぐことが多いようです。

 

 

黄疸に伴う症状が現れたとき3

 

皮膚に強いかゆみが生じたときは、重曹水やグリセリンアルコール、メントールアルコールなどでからだをふくとよいでしょう。

 

ひっかき傷による二次感染を防ぐために、爪は短く切りそろえておきましょう。

 

 

日常生活の注意

暴飲暴食は禁物です。黄疸が現れている人は、低脂肪の食事を心がけるようにします。

 

また、原則として禁酒を守りましょう。食事は1日3回規則正しくとるようにして、空腹状態が長く続かないように気をつけましょう。

 

食物繊維の豊富な食品を積極的にとって、便通を整えることも大切です。便秘になると、大腸でビリルビンが再吸収されて、黄疸が現れやすくなります。

 

 

 

注意事項
■黄疸が現れやすいのは、白目や顔、腕、胸などの皮膚です。黄疸に気づいたら、必ず医師の診察を受けるようにしましょう。

 

■黄疸の原因となっている病気が治っていなくても、黄疸が一時的に消えることがあります。しかし、自己判断は禁物です。医師の指示に従って、治療を続けましょう。

 

■黄疸は、かゆみを伴うことが多いものです。かゆみがあるときは、部屋を乾燥させすぎないようにし、吸湿性のよい衣類を身につけましょう。

 

■禁酒禁煙を守って、肝臓の解毒作用による負担を軽くするように心がけましょう。

 

黄疸が発生するメカニズム

黄疸とは、皮膚や眼球の白目の部分が黄色っぼく変化した状態をいいます。

 

胆汁に含まれるビリルビンという黄色の色素が、血液中に異常に増えると黄疸が起こるのです。

 

ビリルビンは、血液の赤血球中のヘモグロビンという血色素からつくられます。

 

役目を終えた赤血球は脾臓や肝臓で壊され、そのときに放出されたヘモグロビンは、肝細胞でビリルビンに再生されます。

 

そして、胆汁酸などほかの成分と混ざり合って胆汁となり、胆のうで濃縮され、胆管を通って十二指腸に注がれ、消化・吸収を助ける働きをします。

 

 

黄疸は、発生メカニズムによって、いくつかのタイプに分けられます。

 

溶血性黄疸

赤血球が壊れやすくなって、ヘモグロビンが過剰に放出されるために黄疸になるものです。

 

肝細胞性黄疸

肝細胞に何らかの障害があって、ビリルビンが過剰に産生されることで生じます。

 

閉塞性黄疸

胆汁の通路である胆管がふさがってしまい、行き場を失った胆汁が肝臓に逆流して血液中に流出し、全身に行きわたるために起こります。

 

肝臓内胆汁うっ滞性黄疸

胆管の閉塞はみられないのに、肝臓の異常のために胆汁が排出できなくなり、うっ滞した胆汁が血液中に逆流すると黄疸が現れます。

 

血液検査を行うと、血液中のビリルビンの量が明らかになります。総ビリルビンの基準値は、医療機関によって多少の違いはありますが、0.2~1.2mg/dlとされています。この数値が2~3mg/dl以上を示すようになると、白目や皮膚が黄色みを帯びてきます。

 

黄疸を招くさまざまな病気

黄疸というのは病名ではなく、病気の一症状です。黄疸のほとんどは、肝臓や胆のう、胆管の異常によって現れます。

 

特にA型ウイルス性肝炎や肝硬変では、肝炎ウイルスの感染などにより肝細胞が障害されるので、黄疸が特徴的な症状となります。

 

 

胆石や胆管がん、膵臓がんなどによって胆管が圧迫されたり、閉塞すると、胆汁が逆流して閉塞性黄疸が起こります。

 

閉塞性黄疸では、体外から穿刺針を刺してチューブを挿入し、胆汁を体外に導出する処置が必要です。黄疸に伴って激しい腹痛があるときは、胆管が閉鎖している可能性が高いといえます。

 

 

性ホルモン剤や抗精神病薬などの服用をきっかけとしてアレルギー反応が起こり、肝細胞が破壊される薬剤性肝障害でも、黄疸がみられます。

 

このほか、赤血球が過剰に壊されて起こる溶血性貧血でも黄疸が現れることがあります。

 

 

また、非常にまれですが、体質性黄疸というものがあります。これは、原因となる病気がなく、遺伝的な要因のためにビリルビンが増加しているケースで、慢性の黄疸をきたします。

 

黄疸に気づいたら、すみやかに病医院で診察を受けることが大切です。

 

 

 

新生児の黄疸

新生児の黄疸は、ほぼすべての新生児に現れる一過性のもので、生理現象ともいえます。

 

新生児の血液中には赤血球が多く、その寿命が短いために、ビリルビンの量が増えやすく、また肝機能が未熟であるといったさまざまな要素が関連していると考えられています。

 

 

たいていは生後2~3日たったころに現れ、5~7日目に最も強く出て、10日以内に消失します。

 

ただし、病気が原因の場合もあるので、新生児に現れた黄疸が生理的なものか、病的なものなのかを判別しなければなりません。

 

 

例えば、黄疸が生後24時間以内に現れたり、総ビリルビン値が毎日5mg/dl以上も上昇して、黄疸が2週間以上続いているような場合は病的な黄疸と推測されます。

 

特に、血清ビリルビン値が極端に上昇しているときは、核黄疸を発症する危険があるので治療が必要となります。

 

核黄疸は、大脳基底核や小脳歯状核、延髄の脳神経核などにビリルビンがたまり、黄疸性着色が起こるケースで、難聴や脳性麻痺などの重い後遺症が残ったり、生命にかかわることもあります。

 

柑皮症と黄疸

みかんやオレンジなどの柑橘類、カボチャやニンジン、トマトといった緑黄色野菜、あるいはサツマイモ、海苔、卵などを食べすぎたときに、皮膚が黄色くなることがあります。

 

 

これらの食品に多く含まれるカロチノイドという黄色色素が、一時的に血液中に増加し、皮膚に沈着して現れる変化で、柑皮症(かんぴしょう)とよばれています。

 

 

病気というわけではなく、カロチノイド色素が豊富な食品の食べすぎを控えれば、放っておいても自然に治まります。

 

 

柑皮症は、黄疸と間違えられやすいものです。柑皮症では、手のひらや足の裏といった、皮膚の角質層の厚い部位だけが黄色くなります。

 

 

一方の黄疸は、病気などが原因で、血液中にビリルビンが増えて起こるもので、最初に白目が黄色くなり、全身の皮膚に現れます。

 

手のひらや足の裏以外に黄色いところがないときは、まず心配する必要はありません。

 

 

ただし、カロチノイド色素は脂溶性のため、血液中の脂質が異常に増える脂質異常症(高脂血症)になると、皮膚が黄色みを帯びてくることがあります。

 

みかんなどを食べすぎていないのに、皮膚が黄色くなってきた場合には、病医院を受診しましょう。

 

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