骨折したときの応急処置

目次

 

 

 

骨折した場合、無理に動かそうとせず、骨折部分がグラグラしないよう応急処置でしっかり固定してから病院に運びます。

 

骨折の応急処置

 

腕を骨折した場合

 

腕を骨折した場合の応急処置1

 

骨折部分に副木を当てます。

 

副木はタオルや綿などのパッドを敷いてから腕に密着させます。

 

 

腕を骨折した場合の応急処置2

 

2か所で結んで骨折部分にしっかりと固定します。

 

はれのために血行障害を起すこともあるので、きつ過ぎるようなら緩めます。

 

 

腕を骨折した場合の応急処置3

 

三角巾で腕をつるし首の後ろで結びます。三角巾がないときは風呂敷やスカーフを使ってください。

 

さらに布を横に巻いて結び、患部を体幹に固定します。

 

 

下肢を骨折した場合

 

下肢を骨折した場合の応急処置1

 

骨折した脚の下にひもを4本ほど通し、両側に副木を当てます。

 

骨折が大腿骨の場合は、腋の下からかかとの下まで届く副木を外側に当てるようにしてください。

 

 

下肢を骨折した場合の応急処置2

 

すき間ができないよう、副木と脚の間に毛布やバスタオルなどをはさみます。

 

ひもを4か所でしっかり結んで副木を固定します。結び目が傷口の上にこないよう注意してください。

 

 

骨折の場所と、ギプスなどによる固定期間の目安

 

  • 手の指、足の指 2~3週間
  • 鎖骨、肋骨 4週
  • 前腕、上腕 5~6週
  • 大腿(太もも)、下肢 8~10週

 

 

 

注意事項

 

■無理に動かさず、その場で応急処置を行います。
■板や傘など副木になるものを探します。
■骨折したところが動かないよう、その上下の関節までを副木でしっかり固定します。
■足の骨折は靴・靴下を脱がせて副木を当てます。
■すみやかに整形外科か外科に運びます。

 

傷口がある場合

■骨が出ていてももどそうとしてはいけません。
■骨が出ていて硬い副木ができない場合は、毛布や座布団を折りたたんで固定します。
■傷口が開いているときは厚めの清潔なガーゼを当て、圧迫包帯をしてから副木で固定します。
■出血や激痛のためショック症状が起きやすいので、毛布などをかけ保温に気を配ります。

 

骨折の原因

 

骨折の原因は3つに分けられます。1つは外からの大きな力が加わって起こるもので、外傷性骨折といい、交通事故やスポーツ外傷、転落や転倒、打撲などによって起こります。

 

2つ目は、骨の同じ場所に長期間繰り返して外力が加わった結果起こるもので、疲労骨折とよばれます。

 

 

野球選手やマラソンランナーなど、スポーツ選手によくみられる骨折です。

 

そして3つ目が、ごく弱い外力で引き起こされる骨折で、病的骨折といわれます。

 

 

腫瘍や骨粗鬆症などの病気があるために骨が弱くなり、わずかな外的刺激が骨折を招いてしまいます。

 

骨折の症状

 

骨折には、その程度による分け方で、完全骨折と不全骨折があります。

 

完全骨折はその名のとおり、骨が完全に折れた状態をさし、不全骨折は折れてはいないものの、骨にひびが入ったりしている状態をいいます。

 

 

また症状からみた場合、骨折は閉鎖骨折と開放骨折の2つに分けられます。

 

閉鎖骨折とは皮膚に傷のない骨折のことで、皮下骨折、あるいは単純骨折ともいいます。

 

 

見た目の傷はありませんが、骨折部分で内出血が起こるため、皮膚がはれあがって紫色になってきます。

 

動かしたり、さわったりすると強烈な痛みに襲われます。

 

 

一方、開放骨折とは皮膚や筋肉に一目でそれとわかる傷があって、出血していたり、骨が外に飛び出ているような骨折のことです。

 

閉鎖骨折より重症で、複雑骨折ともいいます。頭蓋骨で起こった場合は、陥没骨折ともよばれます。

 

 

応急処置はあわてず、冷静に行うことが大切です。

 

たとえ骨が傷口から突き出しているような場合でも、骨折そのもので命が危険になることはありません。骨折部分をしっかり固定して、病院に運びましょう。

 

骨が折れているかどうかの判断

 

骨が折れる音が聞こえたり、傷口から折れた骨が見えているようなときは、骨折したとすぐにわかります。

 

しかし、そうでない場合は次のような点を判断の目安にしてください。

 

  • (1)激しい痛みがあったり、急に動けなくなった
  • (2)患部が変形したり、はれあがったりしている
  • (3)脚や手の場合、左右で長さが違っている
  • (4)通常では動かないような方向に骨が動く
  • (5)顔が青白くなったり唇が紫色になる、冷や汗をかいたり手足が冷たくなる、脈や呼吸が弱くなるといったショック症状が現れている。

 

このような状態になったら、応急処置をし、病院に連れていきます。

 

ショック症状がひどい時はすぐに救急車を呼んでください。

 

 

移送の方法

 

副木で固定して患部を安静に保ったまま運ぶことが大切です。

 

自分の車で病院に連れていくときは、横に寝かせるなどして静かにゆっくり運ぶようにしてください。

 

 

そもそも応急処置で副木をする目的は、骨が折れたままの状態で医師に引き渡すことです。

 

折れてズレてしまった骨をもとの位置にもどしてはいけません。

 

 

安静にしていれば痛みも多少はやわらぎます。

 

なお首や背骨、骨盤などを骨折した場合は、動かさないように注意しながら、板などの上で全身を固定し、救急車で一刻も早く病院へ連れていくようにしてください。

 

捻挫、脱臼、打撲と骨折の違い

 

いずれも外から大きな力が加わって起こるけがですが、その程度や状態には次のような違いがあります。

 

痛みやはれが激しいときは骨折の可能性がありますから、応急処置をして整形外科や外科の診療を受けましょう。

 

捻挫

関節に急激に力が加わり、骨をつないでいる靭帯や、周囲の筋肉が損傷を受けた状態で、できるだけ早く患部を冷やすことが大切です。

 

患部にタオルなどを当て、氷のうや冷湿布で30分から数時間冷やします。その後も痛みやはれがひくまでは患部を固定して冷やし、炎症がとれたら温湿布などで温めます。症状がひどいときは必ず医師にみせてください。

 

脱臼

関節の運動限界を超えて骨がずれ、正常な位置にない状態で、関節の変形や動きで判断します。無理に自分でもどすと組織を傷つけますから、三角巾や副木で固定して医師の診療を受けましょう。

 

脱臼は習慣性になることがあるので、2週間くらいは関節を固定します。

 

打撲

外からの打撃で受ける皮膚内部の損傷を打撲(打ち身)といいます。

 

手当ては捻挫と同じで、できるだけ早く冷やすことです。

 

生活環境の変化によって、子どもの骨折も増えています。

 

転んだり高いところから落ちた場合、痛みがひどいならすぐ病院に連れていきましょう。

 

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