動物に噛まれたときの応急処置

目次

 

 

 

出血だけでなく、細菌などに感染して重症になる場合もあります。傷の大小にかかわらず、できるだけ早く治療を受けましょう。

 

動物に噛まれたときの応急処置

 

犬や猫に噛まれたき

 

犬や猫に噛まれたき1

 

出血が多いときは、清潔なタオルなどを患部に当て、上から押さえて圧迫止血を行います。

 

傷口がさほど大きくなくても深い傷もありますので、注意が必要です。

 

 

犬や猫に噛まれたき2

 

細菌などの感染を予防するため、傷口を水道の流水と石鹸で十分に洗います。

 

逆性石鹸があれば、それを使います。石鹸の成分が残らないように、よく洗い流します。

 

 

犬や猫に噛まれたき3

 

洗った後は、よく水気をふきとり、消毒します。

 

傷口に過酸化水素水(オキシドール)あるいは消毒用アルコールを十分に注ぎ込んでください。

 

 

犬や猫に噛まれたき4

 

傷口を清潔なガーゼで覆い、外科を受診します。

 

たいしたことがなさそうに見えても、後で化膿することもありますので、必ず医師の診察を受けましょう。

 

 

感染症に対する注意(破傷風菌・狂犬病ウイルス)

破傷風菌

■破傷風菌

 

 

傷口についた土やほこりなどから感染します。

 

猫などの肉食獣は、牙や鋭い奥歯(裂肉歯)を持っており、思い書り噛み付かれる深い刺し傷ができます。念入りな洗浄と消毒を心がけましょう。

 

狂犬病ウイルス

■狂犬病ウイルス

 

 

現在日本国内には存在していませんが、海外では多くの地域で流行しています。

 

とくに近年は旅行先で感染し、帰国後治療を受けるケースが増加しています。海外旅行の際には、必ず予防接種を受けましょう。

 

 

注意事項

 

■噛まれたら、まず傷口をよく洗い消毒します。

 

■傷口から出血していたら、清潔なガーゼやタオルなどで圧迫止血しましょう。

 

■軽い傷でも、後で化膿や発熱を起こすこともあるので、必ず医師の診察を受けましょう。

 

■野良犬に噛まれた場合は、その犬が狂犬病にかかっていないかどうかを確認します。

 

■犬に噛まれたことを保健所に知らせておきます。

 

■流行地に出かける前には、狂犬病の予防接種を受けましょう。

 

■子どもには破傷風の予防接種を受けさせます。

 

 

 

犬や猫に噛まれたとき(狂犬病・パスツレラ症・破傷風)

 

動物の口の中にはたくさんの細菌がいますから、見た目はふつうのすり傷や切り傷でも、感染症の危険をつねに考えておかなければなりません。

 

傷口が化膿したり、ひどい場合は発熱して全身の感染症にまで進むこともあります。

 

 

噛まれたときは、まず傷口を洗い消毒すること、出血していれば傷口を圧迫して止血することが、応急処置の基本です。

 

たとえ軽い傷でも、応急処置後は必ず医師の診察を受けるようにしてください。

 

狂犬病

犬に噛まれた場合、一番こわいのは狂犬病の可能性です。狂犬病にかかった犬の唾液中に存在するウイルスによって感染し、発病すると大半が死に至ります。

 

日本では飼い犬の予防注射や野犬の捕獲が徹底し、1957年以降発生していませんから、むやみにこわがる必要はありませんが、念のため噛んだ犬が飼い犬か野良犬か、狂犬病の予防注射を受けているかどうか、といった点は最低限確認しましょう。

 

野良犬に噛まれたときは、ただちに保健所に報告し、犬を捕まえてもらいます。

 

噛んだ犬の唾液から狂犬病ウイルスが検出された場合は、保健所の指示に従って予防ワクチンの注射を受けます。

 

通常の予防の場合と違って注射の回数は多くなります。

 

パスツレラ症

猫や犬の口の中にいるパスツレラ・ムロトシダという細菌によって感染します。

 

猫の場合はほぼ100%、犬は約70%がこの菌を保有しているといわれ、噛まれたりひっかかれたりした後、患部が痛んではれてきたら要注意です。

 

とくに子どもや高齢者、ほかに病気をわずらっている人は、免疫力が落ちているため感染しやすく、症状も重くなりがちです。悪化すると、発熱など症状が全身に及ぶ場合もあります。治療には、抗生物質を用います。

 

破傷風

動物に噛まれると破傷風にかかるおそれもあります。破傷風菌は土の中や動物の下部消化管の中におり、小さな傷口からも感染することがあります。

 

最初は口が聞きにくくなり、けいれんを起こしたときには倒れて脊椎を骨折するなどの危険があります。特に子どもはけがが多く、感染の可能性が高いので、破傷風トキソイドの予防接種を受けさせます。3回の接種で基礎免疫ができます。

 

けがをして傷口がとくに汚れているときにも、予防的に破傷風トキソイドの注射をします。

 

 

 

猫に噛まれたり、ひっかかれた場合(猫ひっかき病)

 

猫にひっかかれたり、噛まれたりすると「猫ひっかき病」という感染症にかかることがあります。

 

病原体はアフィピア・フィーリスとよばれる細菌で、猫そのものは感染しても発症しませんが、人が感染した猫にひっかかれたりすると、10日~1か月ほどしてから、その場所が赤くなってきます。

 

患者の半数近くが15歳以下の子どもだといわれています。

 

自然に治ってしまい、感染したことに気づかないケースも少なくありません。

 

しかし、抵抗力の弱い人が感染すると、傷口が化膿したり、リンパ節がはれたり、発熱を起こすこともあるのであなどれません。

 

猫にひっかかれた後、このような症状が出てきたら、必ず医師にそのことを伝えるようにしましょう。また猫のなかでも、野良猫はとくに感染率が高いのでむやみに接触しないことも大切です。

 

ネズミに噛まれた場合(鼠咬症(そこうしょう))

 

ネズミの口の中にはたくさんの細菌がおり、噛まれると「鼠咬症(そこうしょう)」という熱をともなう感染症を起こすことがあります。

 

最近は減りましたが、農村部などではまだみられ、とくに就寝中の乳幼児が噛まれるケースが少なくありません。

 

ネズミのいる家では、夜中に子どもが急に泣き出したら、顔や手足をネズミに噛まれていないか調べることも必要です。

 

もし歯形が残って出血しているようなら、傷口を逆性石鹸でよく洗い、病院へ連れていきましょう。

 

犬以外の動物に噛まれた場合でも狂犬病になりますか?

 

猫やキツネ、コウモリなどの動物に噛まれ、感染することもあります。日本では撲滅された狂犬病も、一歩海外に出ると流行国が少なくありません。

 

外国で動物に噛まれ、帰国後ワクチン治療を受けるというケースもあります。流行地に旅行したり長期滞在する人は、予防接種を受けておきましょう。

 

 

なお、アジアではオオカミ、キツネ、マングース、野犬、アメリカ大陸ではスカンク、アライグマ、吸血性コウモリ、キツネ、∃ーロッパではキツネなどの狂犬病が発生しています。

 

現在、狂犬病のない地域は、日本のほかオーストラリア、ニュージーランド、台湾、イギリス、スペイン、アイルランド、ポルトガル、ノルウェー、スウェーデンなどです。

 

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