いろいろな因子が複雑にからみ合う顎関節症の原因!関節円板の位置のズレや損傷

目次

 

 

 

顎関節症は、あごの関節とその周辺部に現れるさまざまな症状を総称する病名で、頭部や首、背中など全身に痛みが広がることもあります。

 

いろいろな因子が複雑にからみ合う顎関節症の原因!関節円板の位置のズレや損傷

 

顎関節症とは?

 

あごの関節や筋肉が痛み、開閉障害に

 

あごを動かす関節や周囲の筋肉の異常で、口を開け閉めするときに音がしたり、痛んだり、口が開閉しづらくなるなどの症状が現れることがあります。

 

顎関節症というのは、顎関節にかかわるさまざまな症状に総合的に用いられる病名ですが、この病気の本体は顎関節内部とその周辺の慢性外傷です。

 

 

成人の約70%は顎関節の動きをスムーズにしている関節円板にズレがあるといわれます。そのうち、痛みや口の開閉の違和感などの症状がある人が、顎関節症患者ということになります。

 

症状はあごだけにとどまらず、ときには頭痛や耳鳴り、首や肩のこり、めまい、さらには胃腸障害や自律神経の異常など全身に及ぶこともあり、心理的な部分が大きく影響した心身症の様相を呈する場合もあります。

 

男性よりも女性、それも10~30代の若い年齢層の女性に多くみられるのが特徴です。

 

顎関節症の男女比、年齢分布

 

顎関節症の男女比、年齢分布

 

顎関節症は、男性よりも圧倒的に女性が多く、しかも10代後半から~30代くらいの若い年齢層に集中しているのが特徴です。

 

 

顎関節の構造

 

顎関節の構造

 

あごを動かす関節である顎関節は、左右の関節が下顎骨で連結されて1対として機能し、下顎骨の先は頭蓋骨の側面の下顎窩にはまっています。

 

顎関節は関節包に包まれ保護されていて、関節包の内面の滑膜からは滑液が分泌され、関節の動きをなめらかにしています。

 

 

顎関節ではあごを動かす際に回転運動と、下あごを前方へずらす滑走運動が同時に行われます。

 

顎関節の中で骨と骨との間にあって、クッションのような役割を果たしているのが関節円板という軟組織です。

 

 

口の開閉に際して前後に回転運動をして、動きをスムーズにし、関節にかかるショックを吸収しています。

 

そのため、関節円板の位置がズレると、いろいろな支障が起こります。

 

 

顎関節症の原因

 

単独ではなく多くの因子が絡む

 

顎関節症を引き起こし、進行させる大きな原因は、かつては噛み合わせの悪さ、いわゆる不正咬合(ふせいこうごう)であると考えられていました。

 

しかし、その後の研究で、不正咬合のみが原因ではなく、いろいろな因子が複雑にからみ合って顎関節症を起こすことがわかってきました。

 

顎関節症の原因としては、発病のきっかけとなる外部からの力と、いったん起こった顎関節症を進行させたり、持続させたりする因子が考えられます。

 

起こしやすい素因

 

その人がもともともっている顎関節症を起こしやすい心身の条件が素因です。

 

例えば、からだの構造、特に骨格がきゃしゃな人は、関節を支える勒帯の力も弱いために、関節円板がズレやすくなります。

 

 

また、顎関節症になりやすい生まれつきの噛み合わせもあります。前歯が内側に入りぎみで、下あごが小さいタイプの人は注意が必要です。

 

口の開け閉めや物を噛むときに下あごが後ろに押され、次第に関節が後退して、関節円板が前に出てしまうおそれがあります。

 

 

そのほか、神経がこまやか、ストレスに弱い、不安が強いといった性格や、寝るときの癖など、ふだんの習慣も素因の一つと考えられます。

 

ただし、このような素因だけで顎関節症が起こることはありません。きっかけとなる外傷があってはじめて発症します。

 

発症のきっかけ

 

顎関節症は、顎関節や周囲の筋肉の急性あるいは慢性の外傷がきっかけとなって発症します。

 

外傷というのは、事故であごを打ったり、誰かに殴られたりするような直接的なけがばかりではありません。さまざまな外部からの力によって顎関節部に圧力が加わるものすべてを指します。

 

 

歯科治療や発声などのため、急に、あるいは長時間大きく口を開けると、関節や筋肉に負担がかかります。

 

食事中、極端に硬い物を噛んで噛み違えた場合や、抜歯、虫歯の治療などによって噛み合わせが変わって、起こることもあります。

 

 

ほおづえや、うつぶせ寝、歯ぎしりや歯のくいしばりなどの日常の癖も原因となります。特に、歯ぎしりやくいしばりは顎関節に悪い影響を与えます。

 

進行、持続させる因子

 

発症した顎関節症をさらに進行させる因子は、素因や外傷と重なるものが多く、さまざまな要素がからみ合って症状が進行したり、持続するのが一般的です。

 

例えば、噛み合わせの異常があったり、歯をくいしばる癖、あるいはほおづえやうつぶせ寝の習慣があると、顎関節症は進行して、なかなか治りません。

 

 

顎関節症を発症すると、あごに不快感があったり、噛み合わせに変化が起こってストレスとなり、いつの間にか歯のくいしばりがひどくなって、さらに顎関節症が進行するという悪循環を招きがちです。

 

 

また、人間関係などのストレスを抱えていたり、依頼心が強い、病気を言い訳にするといった患者自身に心の問題があると、症状が強く出る傾向があります。

 

この場合、あごの関節や筋肉にはそれほど大きな障害はみられないのに、症状がなかなか改善されないことが少なくありません。

 

 

関節円板の位置のズレや損傷

 

顎関節症の症状で最も多いのは、関節円板の位置のズレや損傷です。

 

関節円板がズレて前方に押し出されると、あごの開閉がスムーズにできなくなることがあります。 関節円板が、開口運動で移動する下顎頭と関節結節にはさまれると、関節部で音のする原因になります。

 

 

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