腰痛の原因・症状 特に多いのが、腰椎椎間板ヘルニアや、ぎっくり腰などの急性腰痛

目次

 

 

 

さまざまな腰痛

 

腰痛の原因・症状

 

腰痛に悩んでいる人は多いものです。全人口の60%以上が一度は腰痛を経験したことがあり、また4人に1人は、現在も腰痛を持っているという調査結果が出ています。

 

一口に腰痛といっても、その症状はさまざまです。大きく分けると、痛みが突然起こる「急性腰痛」と、徐々に痛みが出現する「慢性腰痛」があります。

 

 

急性腰痛を引き起こす病気でもっとも多いのは、椎間板ヘルニアです。椎間板とは背骨の椎体と椎体の間にある軟骨で、ゼラチン状の髄核を線維輪という硬い皮が包んだ形をしています。

 

この髄核が何らかの原因でふくらんだり、線維輪の隙間からはみ出したりして周囲の神経を圧迫すると、激しい痛みが起こります。

 

 

また、重い物を急に持ち上げたりした時などに発症するギックリ腰、事故などの外傷や打撲、高齢者の骨粗鬆症(こつそしょうしょう)でも、急激な腰痛が起こることがあります。

 

慢性腰痛は、長時間、机の前に座っているといった不自然な姿勢や筋肉疲労、肥満などが原因のことが多いのですが、ときに内臓の病気の関連痛として出てきたり、高齢者では、老化による脊椎の変形などが原因で起こることもあります。

 

 

心因性の不定愁訴として現れる場合もあるようです。腰痛だけでなく、背中や足の痛みなどをともなうことも多く、それらの症状は、病気の鑑別に役立ちます。

 

 

 

腰痛の原因と症状

 

腰痛の原因と症状

 

腰痛は、さまざまな原因で起こりますが、最も多いのは骨や筋肉の変性によるものです。

 

加齢による骨や筋肉の変化

腰を構成している椎骨、椎間板、椎間関節、靭帯、筋肉などは、加齢とともに弾力性が失われ、変性してきます。

 

その結果、腰を支える機能に支障が生じて痛みが起こります。

 

腰椎椎間板ヘルニア

特に多いのが、腰椎椎間板ヘルニアによるものです。

 

椎間板は、中心部にある水分を多く含む髄核(ずいかく)と、髄核をとり囲む線維輪(せんいりん)という軟骨の層からできていて、弾力性に富んでいます。

 

ところが、椎間板が加齢とともに硬くなってくると、何らかの衝撃で線維輪に亀裂が入って中の髄核が出てきてしまいます。脱出した髄核が神経を圧迫すると、痛みが起こるのです。

 

椎間板ヘルニアでは、腰痛のほかに、お尻から太ももの背部側や外側、足の先にかけてしびれや痛みが生じる坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)もみられます。腰痛が消えて、足のしびれだけが残ることも少なくありません。

 

変形性脊椎症、脊柱管狭窄症

椎骨と椎骨のクッション役を果たしている椎間板は、次第にすり減ってきます。

 

すると、すり減った椎間板のふちの部分に骨棘(こつきょく)というとげのような突起物が生じます。

 

骨棘が神経に触れたときに痛みを招くケースが、変形性脊椎症(へんけいせいけいついしょう)です。

 

腰痛以外の主な症状としては、足のしびれ、冷感、脱力感などがあげられます。

 

また、変形によって、腰の神経が通る脊柱管が狭くなる脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)でも腰部に痛みが生じやすくなります。

 

500Mほど歩くと足のしびれや痛みが強まり、しばらく休むと治まって再び歩けるようになる、間欠性跛行(はこう)という症状も脊柱管狭窄症の症状の特徴です。

 

その他の変形

椎弓の一部が骨折する脊椎分離症(せきついぶんりしょう)や、椎骨と椎骨が前後にズレる腰椎すべり症になると、椎間板や椎間関節によけいな負担がかかって腰痛が起こりやすくなります。

 

閉経後の女性に多くみられる骨粗鬆症も、圧迫骨折を生じると腰痛の一因となります。

 

骨の密度は、骨質の形成と吸収によって一定に保たれています。加齢に伴って吸収量が形成量を上回るようになると、骨の密度が減少してもろくなり、しりもちをついたり、転ぶといったちょっとした動作で骨折しやすくなります。

 

胸椎や腰椎の椎骨がつぶれる圧迫骨折が起こると、身体が前屈して腰の筋肉に負担がかかり、神経が刺激されて腰痛を招きます。

 

 

 

 

脊椎の外傷

腰を強く打ったことなどが原因で、腰椎の骨折や脱臼、打撲、捻挫が起こり、腰痛になることもあります。

 

腰に突然、身動きができないほどの激痛が走るぎっくり腰は、急性腰痛症で最も多発します。

 

ぎっくり腰は腰椎捻挫ともよばれ、30~40代の比較的若い年齢層に多くみられます。重い物を持ち上げようとしたり、寝床から起き上がろうとしたときなど、日常のちょっとした動作によって引き起こされるものです。

 

椎間関節がズレたり、腰の筋肉が肉離れを起こしたときに生じます。

 

脊椎の炎症

脊椎に炎症を起こす主な病気としては、化膿性脊椎炎、強直性脊椎炎、結核性脊椎炎の三つがあげられます。

 

化膿性脊椎炎

外傷や扁桃炎といったほかの部位の病巣の細菌が脊椎に及んで炎症を起こすものです。

 

強直性脊椎炎

発症すると、背中から腰にかけて痛みが生じます。原因不明の疾患で、病気が進行すると脊椎や骨盤の関節が癒着して曲がらなくなり、立ったり歩いたりすることも困難になります。

 

発症者数は少なく、患者の中心は15~35歳の男性です。

 

結核性脊椎炎

結核菌が脊椎に感染して起こる病気です。背中や腰に痛みが生じ、結核病巣が脊髄を圧迫して手足の麻痺を伴うこともあります。

 

結核の減少とともに患者数は激減しましたが、高齢者の腰痛の一因となっています。

 

脊椎の腫瘍

最も多いのは、ほかの部位のがんが脊椎へ転移して腫瘍が発生するケースです。特に、乳がんと肺がんの転移がよくみられます。

 

脊椎にできる原発性の腫瘍は、悪性腫瘍では多発性骨髄腫、良性腫瘍では血管腫や骨芽細胞腫が発生しやすく、どれも腰痛を招きます。

 

腫瘍が原因の腰痛は、安静にしても痛みが治まらない点が特徴です。

 

筋肉疲労と不良姿勢

自然な状態の脊椎は、前後にゆるくS字状のカーブを描いています。何らかの原因でカーブの形が崩れると、腰に疲れがたまりやすくなり、腰痛や腰のだるさが現れます。

 

特に太っている人や妊娠中の人、いつもハイヒールを履いている人などは、腹部が前に突き出て背中が反り返り、腰に負担がかかりやすくなります。

 

また、車の運転やデスクワークによって長時間同じ姿勢を続けていると、腰の筋肉の疲労や緊張を招きます。

 

内臓の病気

内臓の病気によって背中や腰まで痛みが広がったり、骨盤部が重く感じられるケースもあります。

 

腰痛を招く内臓疾患としては、膵臓がん、尿路結石、腎盂腎炎、前立腺疾患、子宮筋腫や子宮内膜症などの骨盤内炎症があげられます。

 

精神的・心理的な要因

精神的ストレスや心身症、うつ病、神経症などの精神的・心理的な要因から腰に痛みが生じたり、もともとあった腰痛が悪化することがあります。

 

不安や抑うつ状態を伴うことが多いようです。

 

 

スポンサーリンク