痛風の合併症とその対策 痛風腎、腎臓疾患、脂質異常症(高脂血症)や高血圧に注意

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【痛風】 痛風の合併症とその対策 痛風腎、腎臓疾患、高脂血症や高血圧に注意

 

痛風の合併症とその対策 痛風腎、腎臓疾患、高脂血症や高血圧に注意

 

痛風というと、当面の痛みの除去だけに注意が向きがちですが、本当に重要なのは痛風発作を抑えることよりも永続的な尿酸値のコントロールです。

 

痛風発作で死ぬようなことはありませんが、自己管理を怠ったり、治療を誤ると、腎臓病や心筋梗塞、脳卒中などを併発し、命を落とすケースが多いからです。

 

 

なかでもおそれられてきたのは、痛風腎という腎臓の合併症です。

 

日本の痛風患者の死因でこれまで一番多かったのがこの痛風腎で、以前は実に40%も占めていました。

 

 

高尿酸血症の状態が続くと、体内に尿酸が沈着することはすでに述べましたが、関節以外で沈着しやすいのは、腎臓の尿細管という尿をつくる部分です。

 

ここに尿酸が沈着すると、腎臓の働きが低下して腎不全になります。

 

 

尿細管から再吸収されるはずのたんぱく質が尿中にもれ出たり、尿を濃縮する能力が低下したりするためです。このような状態を、痛風腎といいます。

 

この痛風腎から慢性腎不全、さらには尿毒症という経過をたどります。しかもこの腎臓病はかなり進行しないと病状が現れないので、注意深く検査をし、対処していかなければなりません。

 

 

また、痛風患者の尿は酸性に傾きやすく、尿酸量が多くて尿路結石ができやすくなります。酸性の尿だと尿酸が尿に溶けにくくなるからです。腎臓病には高血圧、脂質異常症(高脂血症)なども併発します。

 

したがって、痛風腎の治療は血中尿酸値のコントロール、尿中の尿酸量の減少、尿のアルカリ化を目的とします。

 

 

具体的にいうと、前にあげた高尿酸血症の治療薬のほか、ウラリットUや重曹などのアルカリ剤や、水を十分に飲むことが中心になります。

 

からだの中で尿酸に変化するプリン体という物質を豊富に含む食品を控え、アルカリ性食品を十分に摂取することも重要です。

 

 

このような痛風治療の進歩により、最近は、以前のように腎不全から尿毒症になって死亡する人は減ってきました。かわって増えてきているのが、心筋梗塞や脳卒中などになって死亡する人です。

 

 

実際、これらのもとになる脂質異常症(高脂血症)高血圧糖尿病、肥満などを合併している痛風患者はかなりの数に上っています。

 

しかも、腎臓病同様かなり悪くなるまで自覚症状がないため、本人が気づかないうちに病状が進行していくので、日ごろから注意しておく必要があります。

 

 

なかでも脂質異常症(高脂血症)は心筋梗塞の最大のリスクファクターです。からだの中の脂肪成分のどれが多いかによって病気のタイプが分けられ、治療法も少しずつ違っていますが、基本は食事療法と運動療法です。

 

食事は、まずカロリーを制限し、動物性脂肪をできるだけ減らして植物性脂肪に代えるようにします。運動は、消費エネルギーを増やして、からだの中の脂肪分を減らします。特に歩くことが効果的です。

 

 

高血圧では、程度に応じて塩分の制限が必要になります。程度がひどければ降圧剤の服用もやむを得ませんが、原則的には減塩食から始めて、無理なく血圧を下げていくのがよい方法です。

 

ストレスや睡眠不足は血圧を上げる大きな要因になりますので、精神的な安定を心がけます。そのための精神安定剤の服用も効果があります。

 

 

糖尿病は、その90%がインスリン非依存型で、インスリンの分泌反応の低下は、食べすき、飲みすぎ、運動不足が原因で起こります。糖分、カロリーを制限した食事療法、運動療法が中心となります。

 

特にケーキなどの菓子類を控えること、コーヒーなどに入れる砂糖や、アルコールを減らすことが大切です。

 

 

このような食事療法、運動療法による減量で適正な体重にしていくことも重要です。ただ、ここで気をつけなければならないのは、急激な減量は痛風発作を誘発しやすいことです。

 

減らしていく場合は、1か月に1~2kgぐらいを目標に、徐々に減量するように心がけてください。

 

 

痛風の経過と予後 激しい運動は避けたほうがよい

 

痛風治療を始めて半年ぐらいすると、血液中の尿酸値も落ち着いてきて、発作を起こすこともなくなります。

 

「のどもと過ぎれば熱さを忘れる」のたとえどおり、「もう病気は治った」と勘違いして、勝手に薬の服用をやめてしまう人が多くなります。

 

 

ところが、こんな人の場合は、必ずといってよいほど、再び発作がおそってきます。それは、発作を起こすもとになった高尿酸血症の状態が何ら改善されないまま、依然続いているからです。

 

尿酸代謝の治療薬は、毎日、長期間にわたって、基本的には一生服用を続ける必要があります。

 

 

勝手に服用を中止すると、血液中の尿酸値はすぐに治療開始前のレベルに戻ってしまいます。どんなによくコントロールされていても、ほぼ1週間で元の状態になります。

 

逆にいえば、必要最小限の量の薬をきちんと継続して服用すれば、病気の悪化を防ぎ、克服することは比較的容易になったということです。

 

 

このように痛風の治療は、現在では薬物療法が中心になっていますが、痛風の原因を考えると、やはりよりよい食生活や運動を日課にするなど、日ごろの心がけも必要となります。

 

 

ただ、食事では、以前いわれていたほど高プリン食を厳しく制限する必要はありません。極度の食事制限をして低プリン食をとっても、血液中の尿酸値はそれほど低下しないことがわかってきたからです。

 

 

とはいえ、大量のプリン体を含んでいるレバーや魚のはらわたなど、高たんぱく、高脂肪食はできるだけとらないようにすることは必要です。

 

 

過剰のアルコール摂取や激しい筋肉運動も、血液中の尿酸値を上げる要因となります。

 

アルコールには、体内で尿酸を活発に産出し、同時に腎臓からの尿酸の排泄を抑制する作用があるので、特に飲みすぎは慎まなければなりません。ビールなら1本、日本酒なら1合の適量にとどめておきましょう。

 

 

運動も必要ですが、短時間に筋肉を激しく動かすようなスポーツは尿酸値が高まることが、最近の研究によってわかってきました。

 

激しい運動は避けたほうがよいのですが、ジョギングやウォーキング程度の適度な運動は、減量にもよく、積極的に取り入れていきたいものです。

 

 

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