一時的に遠いところがボヤけて見える仮性近視|視力回復のトレーニング

目次

 

 

 

こんな症状に注意
  • 本を読む時に目をかなり近づけていますか?
  • 教室の黒板が見えにくいと感じますか?
  • 遠いところがぼやけて見えると感じますか?
  • 遠くの物を見るときに目を細くしていますか?
  • いつも猫背になっていませんか?
  • 視力表を使った検査で、視力が1.0以下ですか?

 

視力検査だけで決めこまず、医師の診断を受けましょう。本格的な近視になる前に治療できます。

 

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仮性近視とは?

 

仮性近視の原因・治療・予防|視力回復のトレーニング

 

仮性近視は、遠くを見たり近くを見たりするときにピントを合わせる役割をする目の調節筋が、長時間の読書や勉強などで疲労して緊張状態が強くなったために、一時的に遠いところがボヤけて見える近視の状態になったものです。

 

そのため偽近視ともよばれますが、そのまま近くを見る作業を続けると、近視のまま固定されると考えられています。

 

 

仮性近視は小学校から中学、高校までの生徒に多くみられます。しかし近ごろではOA作業などで、30代以降も起きることがあるようです。

 

またテレビゲームやパソコン・スマートフォンなどの普及などにより、年々仮性近視になる率が増えているという報告もあります。

 

 

専門医のなかには「近視は遺伝によるものなので、治療や予防はできない」「近視が遺伝である以上、仮性近視という考え方もあり得ない」などという意見もあります。

 

近視がどのようにして起こるのかはまだよく解明されていないため、どちらが正しいのかははっきりしていません。

 

 

いずれにしても、近くを見る作業を続けることが、視力低下につながる可能性は否定できないようです。

 

また、ある種の薬物によって一時的な視力低下や、調節障害が起こることから、仮性近視(偽近視)がまったくないとはいえません。

 

 

仮性近視の原因

 

外から入ってきた光は、まず、厚みの変わらない角膜で一定の割合に強く屈折されます。次に、厚みが変化する水晶体を通して、網膜にピントが合うようになります。

 

要するに角膜と水晶体がカメラのレンズの役割を、網膜がフィルムの働きをしているわけです。目の屈折状態は、角膜、水晶体の屈折力の強弱と、角膜から網膜までの距離である目の奥行き(眼軸)の長さによって決められます。

 

 

もし、角膜や水晶体の屈折力が強すぎたり、眼軸が長いと、光の焦点が網膜の前にずれてしまい、近視になるわけです。

 

このため、近視には2種類あると考えられています。1つは、角膜や水晶体の屈折力が強いために起きる屈折性近視で、近くを見る作業を続けるなどの、環境的な要素が影響しているケースが多くみられます。

 

 

もう1つが、眼軸が長くなるために起きる軸性近視です。これは、遺伝的な要素が強いといわれています。

 

仮性近視は、水晶体の働きに関連して起こります。水晶体はチン小帯という透明で細い線維によって目の中につり下げられた形になっています。

 

 

このチン小帯は水晶体の全周囲を引っ張っており、上下の端は毛様体という筋肉組織につながっています。毛様体筋が収縮すると、チン小帯はゆるみ、水晶体は厚みを増して光を強く屈折させることができます。

 

逆に、毛様体筋がゆるむと、チン小帯は引っ張られて水晶体が薄くなり、光の屈折が弱くなります。

 

 

近くを見つめる作業を続けると、毛様体筋が緊張をし続けるために筋組織が硬くなります。

 

そして、遠くを見るときにも、筋組織はほぐれず、水晶体が厚みを増したままになって、仮性近視の状態になるわけです。

 

 

 

ストレスと視力

 

何度か視力検査をすると、その結果が必ずしも一致しないことがあります。これは心理的な要因が大きく関係しているといわれています。

 

たとえば、子どもが視力を測るときに、担当の医師をこわがっているなど、萎縮していると視力検査の結果も悪くなります。反対に子どもがリラックスしている状態では、視力検査の結果がよくなるのです。

 

 

また、こうした心理的な要素が関係して視力の低下を招くケースに、心因性の視力障害があります。眼底や視野、屈折などいろいろな検査をしても何も異常がないのに、どんどん視力が落ちてくるというものです。

 

小学校の高学年から中学、高校までに多く、こうした子どもたちの環境をみてみると、「両親が離婚した時期から視力が落ちた」「転校をした」「兄弟へのねたみ」など、何らかの心理的なストレスがあることが多いようです。

 

 

家族とともにカウンセリングを受けてストレスをやわらげていくことで、視力はもとにもどっていきます。また、視力は必ずもとにもどる、と簡単な暗示をかけることも効果があるようです。

 

 

眼軸と屈折力

 

目の屈折状態は、成長過程により変わってきます。成人の眼軸の長さは通常、24mm血程度ですが、新生児では17~18mmほどです。

 

このため、乳児期には遠視になるのですが、角膜も小さく、屈折力が強いために、遠視は軽度のものですみます。

 

 

眼軸は、3歳までで4~5mmほど伸び、その後、成人するまで徐々に伸びていきます。角膜の屈折カは、生後すぐの時期には強いのですが、1歳程度までにおよそ成人と同じくらいに弱まっていきます。

 

水晶体の屈折力も、眼軸の長さの変化を調整するように、成長とともに減少していきます。

 

 

このように、眼軸や、角膜、水晶体の成長過程に伴い、乳児期や小学校低学年のうちは、遠視が多く、小学校高学年や中学校に入ってから近視の子どもが増えてきます。

 

そして、成人に達するころには、眼軸の成長も止まるため、屈折状態は安定してきますが、近ごろではOA機器の作業やスマートフォンの利用が増えてきたため、成人後もわずかずつ、近視が進む兆候もあるようです。

 

 

基本的にはこのように屈折の傾向が変わっていくため、仮性近視の治療が可能なのは屈折状態が安定していない小学生から高校生の間までだといわれています。

 

正規と屈折以上

光はまず角膜で屈折します。瞳孔を経て水晶体でさらに屈折して、網膜に像を結びます。

 

正規と屈折以上

  • 正視:網膜で正しく像が結ばれています。
  • 近視:網膜より前で像を結びます。近くはよく見えますが、遠くはぼんやりします。
  • 遠視:網膜より後ろで像が結ばれます。近くはもちろん、遠くもぼんやり見えます。

 

近視の判定は慎重に

 

健康診断などの検査では、眼鏡やコンタクトをはずした状態で、視力表を使って屈折異常を判断しますが、あまり正確な検査ではありません。

 

屈折力の判定には、毛様体筋を一時的に休ませる薬を点眼し、屈折検査器などを使って医師が診断することが必要です。

 

 

特に小さい子どもには目の調節を休ませることは難かしいうえ、視力表で自覚的に読み取る作業は信頼性に欠けるので、正確には屈折検査器で判定する必要があります。

 

また、視力と屈折異常が必ずしも一致するとは限りません。屈折異常がないのに、たまたま視力検査のときに目の調子が悪く、いい結果が出なかったということもあります。視力検査の結果だけで判断せず、眼科医などで屈折検査を受けるようにしましょう。

 

 

仮性近視の治療

 

仮性近視の治療で、よく使われているのは、毛様体筋の緊張をとる目薬(ミドリンM)を点眼します。

 

点眼後30分から1時間で毛様体筋の緊張が取れ、その状態が3~4時間続きます。

 

これを、夜寝る前に1滴点眼すると、寝ている間に毛様体筋の調節機能がまひし、緊張が解かれます。そして、起きたときには、また調節機能が復活します。これを毎日点眼し、1週間か10日間に一度程度、視力と屈折度を計測します。

 

 

この治療によって、昼間は少し物が見えにくくなるものの、数か月ほどで近視が改善することもあります。

 

計測ごとに視力か屈折度が改善されているなら、仮性近視で、このまま治療ができるわけです。しかし、2か月ほど点眼を続けても、視力、屈折度のどちらも変化がないときには、仮性近視ではありません。

 

この先、仮性近視の治療を続けても改善は期待できないので、適当なときに眼鏡やコンタクトレンズを使うようにします。

 

視力回復のトレーニング

 

視力を回復するためのトレーニング法も、多種類あります。

 

アメリカの眼科医によるトレーニング方法や、速読術と組み合わせたもの、ストレスなどの心理的な要因が調節筋を緊張させることに着目したリラクゼーション法など、それぞれの発案者により、やり方は多少異なりますが、基本的には、調節筋が柔軟性を持つように、目を上下左右に動かしたり、遠くの物に目の焦点を合わせるように訓練します。

 

鍼治療の効果

 

仮性近視に対して鍼治療を行うこともあります。

 

ある報告によれば、鍼治療を10回行ったところ、治療直後に視力が回復したのは9割ほどでした。治療1週間後では、6割が改善した状態で、2割が治療前の視力にもどっており、1割が治療直後より視力が低下していました。

 

 

治療から2か月後では、視力が持続していたのは4割で、治療前にもどっていたのが6割だったといいます。なかには鍼治療から6か月経過しても視力の改善が持続している人もいました。

 

しかし、環境の変化や、心理的な要因が視力の改善に影響していることも考えられるため、有効性ははっきりと認められてはいないようです。

 

屈折矯正手術

 

もし、仮性近視からそのまま屈折性近視になってしまった場合、治療は眼鏡やコンタクトレンズで矯正をするか、手術で治療するかの方法になります。

 

最近では、主として近視の矯正を行うため、特殊なレーザーを使って角膜の屈折力を調整して視力を回復するレーザー屈折矯正手術が開発され、特に、レーシック:LASIK(laser in situ keratomileusis)は年々手術を受ける人が増えています。

 

 

 

仮性近視の予防

 

仮性近視の予防は、目を疲れさせないことが基本になります。また、仮性近視になってからでも、目を疲れさせないよう注意することで、近視になることが防げます。

 

読書や勉強中の注意

  • 部屋の明かりと机の上のスタンドを併用します。部屋はふつうの明るさにし、スタンドは15ワット程度が理想的です。手元が暗くならないよう、スタンドを置く位置を工夫しましょう。
  • 椅子と机のバランスを整え、正しい姿勢にします。目の高さは机から30~40cmほど離れるようにします。
  • 寝ころんで読むと、知らず知らずのうちに、本が目の近くにきてしまいます。なるべく、机に向かって読書するようにしましょう。
  • 長時間、続けて読書をしないように、1時間読んだら10分休む、というように、休憩を子どもの年齢に応じて取り入れるようにします。休憩時間にテレビやパソコン・スマートフォンを見たり、ゲームをしたりせず、適当な運動をしたり、家事の手伝いをさせるなど、軽くからだを動かすようにします。また、外に出て、遠くを見るようにするのもよいでしょう。

 

テレビややゲーム

  • テレビの大きさによって、画面から離れる距離は異なってきます。18インチのテレビなら、2mくらい離れるようにします。
  • 適当に休憩時間を入れるようにします。1時間以上、ずっと続けて画面を見入ったりはせず、30分見たら10分休む、という程度に別のところを見るようにしましょう。
  • 画面は、目よりやや上にくるようにし、きちんと座るようにします。
  • あまりに小さい画面は目を疲れさせます。また、画像は鮮明にし、コントラストがきつくならないよう調整します。部屋を暗くしてテレビだけをつけるのも目に負担をかけます。

 

パソコンやスマートフォン

  • 画面に外からの光が直接反射しないようにし、部屋は明るくしておきます。
  • ディスプレーは背景が明るく、表示される文字が暗いものにします。暗い画面に明るく光った文字が出る陰画の状態は疲れやすくなります。
  • 画面は正面より20~30度ほど下の位置に置きます。目から50~70cmほど離すと疲れにくいといわれています。
  • 1日の作業時間は4時間以内にし、50分、続けて作業をしたら10分から15分程度の休憩をとるようにします。
  • 作業中は目が乾きやすくなるので、目薬をまめに点眼するようにします。

 

 

目薬のさし方

 

子どもに目薬を点眼するときは、仰向けに寝かせ、下のまぶたを下に引いて1滴、点眼します。どこに点眼しても、目に十分、いきわたります。目をこじあけたりすると、子どもが泣き出して薬が流れ出してしまうので、こわがらせないようにしましょう。

 

 

医師から処方された目薬の場合、薬がどんどん鼻から抜けては困るので、1滴さしたら、目元を押さえて薬が流れないようにします。点眼びんの先端が目に触れると、そこに細菌がつき目薬が有害なものになってしまうので注意しましょう。

 

 

また、目薬をつける前と、つけた後は、石鹸でよく手を洗うようにします。

 

眼鏡が必要なのは、近視がどのくらい進んでからなのでしょうか?

学校での保健指導では、1.0、0.7、0.3の3段階で振り分けをするだけで、特に眼鏡の使用の指導はされていません。ただし0.7以下の場合は、校医その他の眼科医の検査を受けるように勧められます。眼鏡をかけるかコンタクトレンズにするかは、よく相談し、本人の希望も十分考慮して決めましょう。

 

 

また、本人が嫌がるようなら、0.7以下でも無理に眼鏡などを使用する必要はありません。

 

 

しかし、近視が進むと、どうしても前傾姿勢になり、眼精疲労などが起こりやすく、学習能率も低下してしまいますので、一般的には眼鏡をかけたほうがよいでしょう。成人の場合、運転免許を取得する場合は、0.6以下は眼鏡、コンタクトレンズの使用が必要となります。

 

眼鏡やコンタクトにすると、近視が進みますか?

眼鏡やコンタクトを装着すると、近視が進行すると考えている人は少なくないようです。

 

 

しかし、こうした事実を裏づけるデータはなく、反対に、眼鏡やコンタクトを装着した児童と、していない児童との屈折度を比較した研究などでは、差がないという結果が多く出ています。コンタクトレンズが普及し始めた当初は、角膜の低酸素状態による障害などが起こることがありましたが、近ごろでは素材の研究が進み、このようなことはかなり少なくなりました。

 

 

清潔な状態で、正しく使用すれば、使いこなせるものです。小さい子どもでは無理ですが、中学生程度になれば、コンタクトレンズを正しく取り扱えるようになると考えられています。眼鏡とコンタクトレンズのいずれにしても、医師の診断と指導のもと、自分の目の状態によく合ったものをつくることが大切です。

 

正しい姿勢で読書をするなどの日常的な注意を子どもが守るのはなかなか難しいようです。どうしてそうすることがよいのかを、子どもにわかるよう、説明してあげるのもひとつの方法でしょう。

 

 

また、こうした注意を守っていても、視力の低下が進むことは多いものです。

 

 

専門医の間でも、近視老眼になる年齢になったときに有利である点や、情報化社会の今では遠くを見るより、近くを見るのに有利な近視のほうが適しているという意見の人が多くなってきています。

 

 

近視になったことで子どもが罪悪感などを持たないよう、正しい知識を教えるのようにしましょう。学校健診の検査で視力の低下を指摘されたら、専門医の診断を受けたうえで、矯正方法を指導してもらう必要があります。

 

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