めまい発作、難聴、耳鳴りが起こる病気

目次

 

 

 

めまい発作、難聴、耳鳴りがメニエール病の3大症状といわれます。めまい発作が繰り返し起こると難聴、耳鳴りが悪化します。

 

こんな症状に注意
  • 耳に水が入ったような感じがしませんか?
  • 耳鳴りがありませんか?
  • 耳が聞こえにくくありませんか?
  • めまいがしますか?
  • 頭痛、頭重がありますか?
  • 肩がこりますか?
  • 吐き気がしますか?
  • 難聴が進んでいませんか?

 

内耳の異常により、めまいや耳鳴りを起こす原因不明の病気で、進行すると難聴がひどくなることもあります。

 

メニエール病とは?

 

メニエール病の原因・症状・検査・治療・予防

 

メニエール病は内耳の障害によって引き起こされる病気で、突然、激しいめまいにおそわれ、耳鳴りや難聴を伴います。

 

耳は、耳介、外耳道、鼓膜、中耳、内耳で構成されています。一番奥の内耳は、音を聞いたり、からだのバランスを保つうえで、非常に重要な働きをしています。

 

 

内耳には、音の刺激を感受する器官の蝸牛(がぎゅう)と、平衡感覚をコントロールする器官の前庭(耳石器)、三半規管があり、いずれも骨とその内側の膜の二重構造になっていて、骨と膜の間が外リンパ液、膜の内側が内リンパ液という液体で満たされています。

 

リンパ液の量は、常に一定に保たれていますが、内リンパ液が増加すると、内圧で膜が膨らんで内リンパ水腫(すいしゅ)が起こります。内リンパ水腫によって神経が刺激され、めまいや耳鳴りが起こるのがメニエール病です。

 

なぜ内リンパ水腫が生じるのか、その原因については解明されていません。かつては40代の働き盛りに多くみられた病気でしたが、高齢化社会に伴って、発症する年齢が上昇傾向にあります。

 

 

 

メニエール病の原因と症状

 

メニエール病は、前ぶれもなく現れる「ぐるぐる回る感じ」のめまい発作で始まります。発作は30分から数時間続きますが、時間とともに症状は軽くなり、やがて消えてしまいます。しかし、いったん治まっても頭を動かすとめまいが誘発されることがあります。

 

また、発作のとき、障害のある耳のほうを下にして寝るとめまいが強くなり、逆に正常な側を下にすると軽くなります。めまいと同時に吐き気や嘔吐、頭痛などの自律神経症状も現れます。

 

 

さらに、めまいと前後して片方の耳で耳鳴りがしたり、聞こえが悪くなったり、耳に水が入ったような感じ(蝸牛症状)が起こります。

 

このような発作を繰り返し起こすのが、メニエール病の大きな特徴です。

 

 

めまいのなかには、手足の麻痺やしびれ、意識の混濁を招くものもありますが、メニエール病で現れるめまいは、中枢その他の神経症状や意識障害を伴いません。

 

発作の間隔は不規則で、毎日発作を起こすこともあれば、数年あるいは十数年に1度、起こる場合もあります。

 

メニエール病の最初の発作では、めまいや嘔吐のほうに気をとられ、耳鳴りや難聴に気づかないことがあるようです。

 

 

逆に、めまい発作がなくても、聞こえが変化したり、耳鳴りが起こることもあります。

 

初めのうちは、めまい発作が治まれば耳鳴りは自然に消失し、聞こえも元の状態に戻ります。発作を繰り返すうちに、めまいが治まっても聴力は完全に回復せず、耳鳴りと難聴が続くようになり、難聴の程度も次第に重くなっていきます。

 

 

難聴には、音を伝える外耳や中耳の障害で起こる伝音性難聴と、音を感じる内耳や神経系の障害で起こる感音性難聴があります。

 

伝音性難聴の場合、大きな声で話したり、補聴器をつけることではっきりと聞こえるのに対し、感音性難聴の場合は音を大きくしたり、大声で話しかけても、雑音ばかりが大きくなってきちんと聞こえません。メニエール病による難聴は感音性難聴で、明瞭度が悪いのが特徴です。

 

また、通常の音は聞こえにくいのに、子どもの叫び声、物を置く音、ドアを閉める音などは響いて聞こえるため、耳が痛くなるケースもあります。

 

 

病気がさらに進行すれば、反対側の耳にも同じような症状が現れるようになることもあります。問題は、反対側の耳が聞こえにくくなり始めても、最初に聞こえにくくなったほうに比べるとよく聞こえるため、両方の耳が悪くなっていることになかなか気づかない点です。

 

 

両耳に障害が現れるケースはあまり多くありませんが、症状を悪化させないためにも、早期に正しい診断と適切な治療を受けることが大切です。

 

 

真性めまいとめまい感

 

めまいとは、からだのバランスが保てなくなった状態やそうした感じを指しています。真性めまい、仮性めまい、平衡失調の三つに分けることができます。

 

真性めまいは、内耳の前庭や半規管、あるいは脳幹や小脳、橋などの中枢神経の障害で起こるもので、激しいめまい(回転性めまい)と軽いめまい(非回転性めまい)があります。メニエール病で起こるのは、真性めまいです。

 

 

仮性めまいは「めまい感」ともいわれ、立ちくらみ、失神、意識消失などの症状を伴うもので、自律神経失調症、低血圧症、高血圧症、心因などによって起こります。内耳や中枢神経の病気や機能的障害に関係のない非前庭性のめまいです。

 

平衡失調は、真性めまいと同じように内耳や中枢神経の障害で起こるもので、歩行障害やつまずき、からだの片寄りなどの症状がみられる場合を指します。

 

 

ところで、同じめまいでも、その感じ方は人によって異なり、さまざまな言葉で表現されます。

 

真性めまいの場合は、自分やまわりがぐるそる回るような感じがしたり、見ているものが流れるように感じます。また、からだが沈むようだったり、ふわふわして足に地がつかないような感じや、からだが揺れるような感じといった自覚をもつのが特徴です。

 

 

一方、仮性めまいでは、頭やからだがふわっとしたり、突然目の前が暗くなる、一瞬意識が薄れるといった症状が多いものです。

 

めまいは吐き気や冷や汗などの自律神経症状を伴うことが少なくありません。

 

 

 

めまい外来

 

めまいは、内耳や中枢神経の疾患だけが招くものではありません。その原因はからだのあらゆる場所にわたっているため、診察には十分な時間をかけて、検査や診断を行う必要があります。

 

めまいが続くとき、ほとんどの人はまず一般内科を受診するものです。内科で診察を受けて、必要に応じて、神経内科や耳鼻咽喉科を紹介されます。

 

しかし、いずれの診療科でも一般外来の場合、診療時間内では十分な検査を行うことができません。

 

そこで、神経内科や耳鼻咽喉科が「めまい外来」を設けて、めまいの検査・診療を専門に行っている場合もあります。平衡神経科や神経耳科もやはり同じ目的で設けられたもので、専門医の診察を受けることができます。

 

メニエール病と自律神経とのかかわり

 

メニエール病が招くめまいは、内耳の平衡器官あるいは脳幹などの中枢神経の障害によって起こる前庭性めまいの一つです。前庭、三半規管からの情報は、前庭神経によって脳幹へと運ばれます。脳幹は自律神経と密接に結びついています。

 

このため、過労や精神的なストレス、睡眠不足などで自律神経のバランスが崩れると、めまい発作を引き起こしたり、病気を悪化させることになります。

 

神経質な人は、ささいなことにとらわれたり、何事にも完璧を求める傾向があり、過労やストレスをためこんで自律神経のバランスを崩しやすいものです。

 

また、メニエール病を発症した人の多くに、神経質、几帳面といった性格的特徴がみられます。メニエール病に限らず、自律神経の失調はさまざまな病気の誘因となります。

 

神経質な人は日ごろから上手に気分転換を図り、ストレスをためないようにすることが大切です。

 

 

メニエール病の検査と診断

 

メニエール病の主症状はめまいですが、メニエール病以外にも、めまいを招くさまざまな原因や病気があります。そこで、まず問診によって、めまいを起こしたときの状況やめまいの続く時間、めまいに伴う症状や経過などについて詳しい情報を得ます。問診は、メニエール病かどうかを診断するうえで重要なポイントになります。

 

問診によってメニエール病が疑われる場合は、さらに平衡機能検査や聴力検査を行います。

 

平衡機能検査

 

平衡機能検査は、内耳の反射やからだの平衡感覚を調べるもので、眼振検査、体平衡検査などが代表的なものです。

 

めまいを起こしたとき、まっすぐ歩こうとしても一方に片寄ってしまうのは、からだの平衡感覚が失調しているためです。平衡感覚が失調すると、からだだけでなく、目にも症状が現れます。めまいを起こすと目はゆっくりと一方に片寄り、その後急速に元の位置に戻ります。この特有の目の動きを眼振といいます。

 

注視眼振検査では、物を見つめた状態で眼振が現れるかどうかを、非注視眼振検査では頭の位置による眼振の状態と、からだの位置を動かしたときの眼振の状態を観察します。

 

メニエール病のような内耳の障害は、注視状態では眼振が抑えられ、非注視状態では眼振が現れやすくなります。

 

体平衡検査では、立ったり、歩いたり、足踏みなどをして、からだの片寄りや傾きの程度と、これを元の位置に戻す力を観察します。

 

必要に応じて、耳に水やお湯を入れて左右の内耳の働きをみる温度刺激検査や、動く物を追視し、眼球運動を調べる視刺激検査なども行われます。

 

聴力検査

 

メニエール病は、耳鳴りや難聴を伴うため、聴力検査を行って、その程度や種類を知ることが必要となります。

 

聴力検査では、音を段階的に出してどのくらいの音の強さで測定周波数が聞こえるかを調べる純音聴力検査や、前もって録音しておいた単語をいろいろな強さで再生して聞かせる語音による明瞭度検査などが行われ、伝音性難聴か感音性難聴かを判別し、程度をチェックします。

 

 

 

メニエール病の予防と日常生活の注意点

 

めまい発作は、いつどこで起きるか予測できません。また、めまいが起こると、周囲の状況と自分の位置関係がわからなくなるため、思いがけない事故の原因となることもあります。

 

しかし、どんなに激しいめまい発作でも、時間とともに必ず治まってきますから、あわてずに、できるだけ楽な姿勢で安静にすることが大切です。

 

めまい発作中は転倒しやすいので、トイレなどに行くときは、周囲の人に付き添ってもらいましょう。

 

めまいが繰り返されるにつれて、聴力も悪化してきます。一度失われた聴力は元には戻りませんから、めまいが起こったらなるべく早く医師の診察を受けて、早期のうちに治療を始めましょう。

 

ストレスを避ける

 

ストレスがめまい発作の引き金になることは、確かなようです。心身のストレスは自律神経系を刺激し、内耳の血流に異常が生じて発作を引き起こすのです。

 

発作の再発を防ぐためには、日ごろからストレスをためないように工夫することが大切です。通常どおりに仕事をしてかまいませんが、例えば机に向かって下を向くような姿勢を長時間続けることはよくありません。

 

仕事中、肩こりや首の痛みを感じたら、軽い運動を行って筋肉をほぐすようにしましょう。

 

また、夜更かしは厳禁です。残業や夜勤はなるべく避けて、夜は十分に睡眠をとるように心がけましょう。

 

メニエール病になると、めまい発作に対する不安や恐怖心で気持ちが沈んだり、発作時に他人に迷惑をかけたくないという気がねから、つい引きこもりがちになってしまいます。しかし、それでは病気の改善を遅らせることになります。

 

日常生活や将来に対する不安や焦り、いらだちなどの精神的ストレスは、病気を悪化させる要因となり、悪循環を招きます。メニエール病は、適切な治療を続ければ、発作を抑制することが可能です。

 

決して悲観的になることはありません。

 

規則正しい生活を送り、自分に合った方法で上手にストレスを解消することを心がけてください。めまいや耳鳴りに神経質にならずに、ゆったりとした気持ちで生活していくことが大切です。

 

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