脂質異常症(高脂血症)の種類 WHOの分類と病因別分類

脂質異常症(高脂血症)の種類

 

 

脂質異常症(高脂血症)の病型の分類には、WHO(世界保健機関)の血清脂質の性状による分類と、ほかに病因による分類があります。

 

 

WHOの分類

 

WHOでは、脂質異常症(高脂血症)になると血液中に増加するリポ蛋白の種類に基づいて、脂質異常症(高脂血症)をⅠ型、Ⅱa型、Ⅱb型、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅴ型の6タイプに分けています。

 

血液中の成分による区分なので、治療時に食事療法の方針を立てたり、治療薬を選ぶときの手がかりになり、有効な分類とされます。

 

 

病因別分類

 

WHOの分類とは別に病因別分類があります。これは脂質異常症(高脂血症)が血清脂質やリポ蛋白の代謝に異常があるために起こる原発性と、ほかの病気が原因になって続発して起こる二次性(続発性)に分けられます。

 

原発性の代表的なものは、14時間以上絶食しても血清中にカイロミクロンの存在が認められ、急性膵炎を発症したり肝臓や脾臓の腫大を伴うことがある原発性高カイロミクロン血症です。

 

コレステロール値が高く黄色腫や角膜混濁、冠動脈疾患を伴いやすい原発性高コレステロール血症、また、中性脂肪値や膵臓のランゲルハンス島から血液中に分泌されるインスリンの濃度が高く、肥満を伴う内因性高中性脂肪血症もあります。

 

 

そのほか、通常みられないリポ蛋白が血液中に出現して、冠動脈や下肢などの末端に動脈狭窄を起こしやすい家族性高コレステロール血症(家族性高脂血症)などがあげられます。

 

 

二次性では、糖尿病、内分泌疾患、肝疾患、腎疾患、肥満、薬剤などが原因になります。糖尿病では高トリグリセライド血症が起こりやすいとされ、遺伝傾向が強く、インスリンが分泌されても十分に作用しないインスリン非依存型糖尿病に多くみられます。

 

 

内分泌疾患では、甲状腺ホルモンの分泌が不足して、顔や下肢がむくみ、皮膚がカサカサになり、気力が衰える甲状腺機能低下症で高コレステロール血症が比較的早い時期から現れます。

 

手足の末端などが肥大する先端巨大症や、脳の下垂体に腫瘍ができ、副腎皮質ホルモンの分泌が増えて肥満し、手足が毛深くなるクッシング症候群は高中性脂肪血症をしばしば伴います。

 

 

肝疾患では、肥満や栄養過多、アルコールの過飲、ステロイド剤の過剰使用などにより脂質異常症(高脂血症)が発症します。

 

肝細胞内に脂質が蓄積して腫れ、吐き気、食欲不振、倦怠感などが現れる脂肪肝や肝硬変、肝がんでは脂質異常症(高脂血症)を合併する例があります。

 

 

高血圧やむくみ、血尿などの症状が出る腎疾患では、ネフローゼ症候群によりVLDL、LDLの増加がみられ、慢性腎不全では高中性脂肪血症を合併するケースが多いとされます。

 

 

肥満では、高インスリン血症を伴う人に脂質代謝異常が多く、主に高トリグリセライド血症がみられます。

 

薬剤では、高血圧治療に用いる利尿剤のほか、経口避妊薬、ステロイド剤、向精神薬などが血清脂質に影響を与えるとされます。

 

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