体内の脂質 中性脂肪やコレステロールの体内での変化や働き

体内の脂質 中性脂肪やコレステロールの体内での変化や働き

 

 

中性脂肪やコレステロールは水に溶けないので、肝臓や小腸で、脂質の表面を蛋白(たんぱく)の一種であるアポ蛋白で覆った親水性のリポ蛋白に変換されて、からだの各所に運ばれます。

 

このリポ蛋白は、粒子の比重によって、

  • カイロミクロン
  • 超低比重リポ蛋白(VLDL)
  • 低比重リポ蛋白(LDL)
  • 中間比重リポ蛋白(IDL)
  • 高比重リポ蛋白(HDL)

の五つに分類されます。

 

リポ蛋白の構造と種類

 

リポ蛋白の構造と種類

 

血液中の中性脂肪やコレステロールは、水に溶けやすいように、表面をアポ蛋白で覆われています。これをリポ蛋白といい、粒子の比重によって、カイロミクロン、VLDL、LDL、IDL、HDLの五つに大きく分類されます。

 

なお、遊離脂肪酸はアルブミンと結合しますが、球状の粒子にならないため、リポ蛋白とはよびません。

 

 

摂取した脂質はまず小腸で分解吸収され、カイロミクロンが小腸壁で合成され、血液中に入り全身をめぐります。したがって、食後すぐの血液中にはカイロミクロンが増加しており、その80~90%は中性脂肪です。

 

このとき血管の内壁に存在するリポ蛋白リパーゼという酵素によって一部が分解されてエネルギー源になり、残りはカイロミクロン・レムナントという粒子になり肝臓に運ばれます。

 

 

その後肝臓でVLDLが合成され、からだ中の組織に脂肪分を運びますが、その約55%が中性脂肪です。

 

中性脂肪は途中で細胞にたくわえられたり、エネルギーとして消費されたり、リポ蛋白リパーゼによってIDLとなります。IDLはさらに肝性トリグリセリドリパーゼという酵素の働きで中性脂肪をあまり含まないLDLに変化します。

 

 

LDLの半分近くはコレステロールで、血漿中に存在するコレステロールのほとんどはLDLによって運ばれます。LDLは細胞の表面にあるLDL受容体と結合して細胞内にとり込まれ、たんぱく質と脂質が分解されます。

 

脂質の分解で生じた遊離コレステロールは細胞膜の形成などに利用されますが、過剰になった遊離コレステロールは細胞内に貯蔵されます。

 

 

動脈壁の最も内側の内膜内皮細胞下に遊離コレステロールがたまっていくと、それが動脈硬化を起こす危険があることから、一般に悪玉コレステロールとよばれます。

 

 

しかし、コレステロールが必ずしもからだに悪いわけではありません。コレステロールは、細胞膜を形成し、その弾力性を維持するのに重要な働きをしています。

 

また、コレステロールの半分以上が脳や筋肉に集まっています。神経線維には10~30%のコレステロールが含まれており、神経の電気信号を素早くスムーズに脳や器官、組織に送る働きもしています。さらにはホルモンや胆汁酸の原材料にもなっています。

 

 

HDLは肝臓や小腸で生成され、ほとんど中性脂肪を含まず、約50%のアポ蛋白と、コレステロールやリン脂質からなります。

 

HDLは細胞表面のコレステロールを受けとり、肝臓へ送る働きをするため善玉コレステロールとよばれます。

 

 

コレステロールが多いと動脈硬化を促し、少なすぎると血管壁が弱くなって脳卒中などの危険が高まります。

 

健康な状態では、総コレステロール、LDL、HDLのバランスがとれていますが、総コレステロールとLDLが高い値を示すようになると危険な脂質異常症(高脂血症)となります。

 

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