脂質異常症(高脂血症)の検査と診断

脂質異常症(高脂血症)の検査と診断

 

 

脂質異常症(高脂血症)は、黄色腫、腱鞘炎、アキレス腱の肥厚、角膜輪、あるいは急性膵炎、胆石などから発見されることがありますが、多くは検診でみつかります。

 

一般外来や検診での脂質異常症(高脂血症)の検査は、食後12~14時間たった早朝空腹時の採血により、血清または血漿中の総コレステロール値、中性脂肪値、HDLコレステロール値を測定します。

 

LDLコレステロール値は、総コレステロール値から中性脂肪値の5分の1とHDLコレステロール値を差し引いて概算します。

 

 

正常値は、総コレステロール値が150~219mg/dlで、HDLコレステロール値が40mg/dl以上、LDLコレステロール値は70~139mg/dl、中性脂肪値は50~149mg/dlです。

 

総コレステロール、LDL、中性脂肪のうち、一つでも値が異常に高いかあるいはHDL値が40mg/dl未満の場合は、脂質代謝異常が疑われます。

 

しかし、1回の検査で診断が下されることはなく、さらに2回、12~14時間絶食をして採血し、脂質の測定を行い、診断を確定します。

 

 

また、遺伝的に脂質異常症(高脂血症)がみられたり、血清脂質の値が極端に高かったり、血清脂質の異常はそれほどでもないのに心筋梗塞や脳梗塞のような動脈硬化性の疾患が起きているケースでは、採血によるアポ蛋白の測定を行います。

 

 

アポ蛋白は、リポ蛋白の周囲のたんぱく質部分で、十数種類があります。そのうち、アポA-Ⅰ、A-Ⅱ、B、C-Ⅱ、C-Ⅲ、Eについて測定します。例えばHDLにはアポA-Ⅰのみを含む粒子とアポA-ⅠとA-Ⅱを有するタイプがあることが知られています。

 

 

アポA-Ⅰ/アポA-Ⅱの比をみることで、どちらの型の粒子が増えているかがわかります。またアポBが125mg/dlを超えたり、アポBをアポA-Ⅰで割った数値が1を上回ると、動脈硬化が進みやすいとされます。

 

 

さらに動脈硬化や脂肪肝、膵炎などの合併症があるケースでは、心電図をとったり、腹部超音波(エコー)検査や腹部CT(コンピューター断層撮影)、血液や尿に含まれる糖質消化酵素の血清アミラーゼや尿アミラーゼなどの検査を行い、診断します。

 

 

アキレス腱の触診

 

仕アキレス腱の触診

 

アキレス腱に肥厚がみられるケースでは、高コレステロール血症によりコレステロ-ルが沈着した黄色腫が疑われます。足関節を直角に曲げてアキレス腱の太さを触診したり、X線で側面像を撮影します。

 

肥厚していると、アキレス腱が紡錘状になっていたり、部分的に硬くなって石灰化が進み、皮膚にも凹凸がみられることがあります。

 

 

 

脂質異常症(高脂血症)の診断基準と異常度

 

●診断基準

(mg/dl)

血清脂質

正常値

高脂血症境界域

総コレステロール

150~219

220以上

LDLコレステロール

70~139

140以上

中性脂肪

50~149

150以上

HDLコレステロール

40以上

40未満

 

●異常度

(mg/dl)

血清脂質

軽度

中等度

高度

総コレステロール

220~259

260~299

300以上

LDLコレステロール

140~179

180~219

220以上

中性脂肪

150~299

300~749

750以上

HDLコレステロール

39~35

34~30

29以下

 

脂質異常症(高脂血症)は血清脂質から判定します。血清中の総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロールを測定し、LDLコレステロールは推定式から計算されます。

 

脂質異常症(高脂血症)の異常度は治療の際の参考になるように、軽度、中等度、高度に分類されます。

 

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