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食後に便意が起こり排便されるまでのメカニズム 三つの反射機能と蠕動運動

食後に便意が起こり排便されるまでのメカニズム

 

 

私たちが食べた食物は、食後に胃や腸で消化・吸収されて便となり、大腸末尾のS状結腸や直腸にためられます。たまった便の量が一定以上になると、通常は便意が起こり排便されます。

 

口から入った食物が消化管を通過していく過程で、その刺激が神経を通じて排便をつかさどる器官に次々と伝達されていきます。

 

便が直腸に送られて直腸の内圧が高まると、直腸に張りめぐらされた神経に刺激が伝わり、脳に伝えられます。脳は便意として感じとり、結腸や直腸、肛門などに指令を出し、排便の態勢つまりいきむ準備とします。

 

 

排便は三つの反射によってスムーズになされます。排便は24~72時間に1回の割合が正常とされていますが、この範囲外であっても何ら支障のない人もいます。

 

排便に至るまでの所要時間は個人差がありますが、周期が乱れると胃腸障害を起こしがちです。慢性化すると重大な疾病につながることもあります。

 

 

三つの反射機能

 

私たちが排便をするのは、便意がきっかけとなります。便意は食べ物が直腸へ送られる刺激によって起こりますが、次のような胃腸の連携がなくては成立しません。

 

まず胃に食べ物が入ると、その刺激が大腸へ伝えられます。刺激を受けた大腸は反射的に収縮して、便を直腸へ送ろうとします。これを胃・大腸反射といい、朝食後によく起こります。空腹時に運動をすることでも、胃・大腸反射は起こりやすくなります。

 

 

直腸へ送られてきた便の刺激は、脳に届き便意を感じます。この便意により肛門括約筋が弛緩して排便の態勢に入ります。これを直腸・肛門反射とよびます。さらに直腸から結腸に刺激が伝わり、直腸へ便を送り込もうとします。これを直腸・結腸反射といいます。

 

このとき腹筋などの腹部の筋肉も収縮して腹圧を高め、便の排出を助けます。

 

このようにいくつもの臓器や筋肉の複雑な連携により、はじめて排便は成り立つのです。この連携がスムーズであれば、快便につながります。

 

 

快適な排便はいくつもの臓器が正常に機能してはじめて可能となります。口から入った食べ物は、いくつもの消化管を経由して、便になって排泄されます。口で咀嚼(そしゃく)された後、食道を通って胃に入った食べ物は、胃酸などの働きによって細かくされ、ドロドロになって十二指腸へ送られます。ここで胆のうおよび膵臓から分泌された胆汁や膵液と混じり合い、空腸・回腸へ送られます。

 

 

胃液や胆汁、膵液はいずれも消化液で、含まれている消化酵素は、食物中のたんぱく質や脂肪、でんぷんなどを分解し、消化・吸収されやすい形状にします。空腸・回腸に送られた食べ物は、ここで本格的に消化・吸収されますが、全部が吸収されるわけではありません。残りは大腸へ送られて、さらに水分や養分が吸収されます。

 

かす状になった食べ物は、消化・吸収の過程ではがれ落ちた腸の粘膜や分泌物、腸内細菌の残骸などと混じり合い、便の原形となります。

 

 

腸には多くの腸内細菌がすみついており、食物を腐敗・発酵させ、排泄しやすい状態にします。善玉菌とよばれるビフィズス菌などは、ビタミンや乳酸、酪酸、酢酸などの有用な成分を生成したり、腸の働きを活発にする糖分もつくっています。

 

便の3分の1はこういった腸の粘膜や分泌物、腸内細菌の残骸で占められています。口から入った食物が直腸に到達するまでの時間は、通常、二十数時間といわれています。

 

 

 

三つの蠕動(ぜんどう)運動

 

食べ物が腸の中を順次移動していくのは、腸壁が波を打つように収縮していく蠕動運動によるものです。

 

また、この波が返すように腸壁が収縮し、食物を逆行させる逆蠕動運動や腸管が次々と分節状に収縮していく振り子運動ともいわれる律動的分節運動などもあります。

 

逆蠕動運動も律動的分節運動も、養分や水分を再度吸収するための動きで、三つの蠕動運動が組み合わされて、食べ物はS状結腸と直腸へと送られていくのです。

 

 

宿便について

 

一般には、腸のひだの間にこびりついて、消化・吸収を阻害している便だと考えられていますが、西洋医学では宿便は存在しないといわれています。

 

そもそも腸のひだは常在しているのではなく、蠕動が起こるとき、同一個所が山になったり谷になったりするのであり、便が宿るはずはない、としているのです。

 

腸壁の粘膜の細胞も数日間で剥離し、常に新陳代謝が繰り返されているので、便のこびりつく余地もない、とされています。

 

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