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前立腺肥大の症状は、進行に従ってある程度段階的な経過を踏みます。

前立腺肥大の症状

 

症状からみた前立腺肥大症の分類

 

進行段階

前立腺の大きさ

症状

残尿量

Ⅰ期
刺激症状期

正常~クルミ大 頻尿。特に夜間に尿意が多く起こる。軽度の残尿感を訴える場合もある。 なし

Ⅱ期
排尿困難期

クルミ大~小鶏卵大 排尿力が弱い。尿が細くなる。尿の切れが悪い。 50ml以下

Ⅲ期
残尿期

小鶏卵大~ 鶏卵大 排尿困難の症状が進行。ときに尿閉をきたすことがある。 50~100ml

Ⅳ期
腎不全期

超鶏卵大 排尿は滴が垂れる程度、または失禁。完全尿閉の場合もある。 数百ml

 


 

刺激症状期:第Ⅰ病期

 

症状は、まずトイレの回数が多くなる頻尿から始まります。人によってトイレに行く回数はまちまちですが、通常は1日に4~6回程度といわれています。

 

これが10回近くになったり、就寝後も2~3回以上トイレに行くようになります。

 

 

自覚症状としては「尿が出始めるまでに時間がかかる」「尿の勢いがなく、時間もかかる」「ときに途切れることもある」などが多いようです。

 

しかし、膀胱自体の収縮力はまだ失われていません。前立腺が肥大して尿道を圧迫することによって、このような自覚症状が起こっているのです。

 

排尿困難期:第Ⅱ病期

 

尿道の狭窄(きょうさく)が強くなると、いつも膀胱に尿が滞留している状態になります。次第に膀胱の収縮力が弱くなって尿が出切らず、いわゆる残尿感が発生するようになります。

 

第Ⅰ期で感じた症状は程度がひどくなりますが、頻尿については消える人もいれば、ますます頻繁になる人もいるようです。

 

 

この時期に入ると、冷えや大量の飲酒、長時間の座位などが誘因となったり、消化性潰瘍やパーキンソン病などの抗コリン作用をもつ薬剤および塩酸エフェドリンの入ったかぜ薬や鎮痛剤の副作用で、尿がまったく出なくなる尿閉になることもあります。

 

この場合には激しい下腹部痛におそわれます。

 

残尿期:第Ⅲ病期

 

膀胱の収縮力が奪われ、ますます排尿が困難になります。膀胱に尿がたまると細菌に感染しやすく、膀胱炎や腎盂腎炎になり高熱が出るケースもあります。

 

ただし高齢者では発熱しないこともよくあり、そのため対応が遅れて腎臓の機能が著しく低下する例もみられます。

 

 

この時期になると尿閉も起こりやすくなり、ときに膀胱内に尿がたまりすぎて下腹部が膨らむケースもあります。

 

腎不全期:第Ⅳ病期

 

膀胱内に常にかなりの量の尿がたまったままの状態が続き、膀胱が伸びきった状態になります。滴程度しか排尿できなかったり、無意識のうちに尿がもれ、下着をぬらしたりします。

 

重症になると、時と場所を選ばず失禁するようになったり、まったく尿が出なくなることもあります。

 

尿が膀胱に充満すると尿管、腎盂、腎杯にも尿が停滞し始め、腎臓を圧迫するようになり、腎機能も低下していきます。これを水腎症といいます。

 

水腎症が続くと自然な尿排泄は容易に回復しなくなります。毒素を濾過する腎臓の機能までもが衰えていき、倦怠感、吐き気、食欲低下、貧血、思考力の低下をきたす尿毒症になることもあります。

 

これは急性腎不全という病態で、生命にかかわる重大な事態が発生します。

 


 

 

 

 

 

前立腺の位置と前立腺肥大症

 

前立腺の位置と前立腺肥大症

 

前立腺は生殖器の一つで、精液の一部をつくっている副性器です。膀胱の出口付近をとりまき、大きさも形状も栗の実ほどです。

 

20歳ぐらいで成長を終えますが、50歳ごろから再度大きくなり始め、病的に大きくなるものを前立腺肥大症といいます。

 

 

前立腺炎

 

前立腺肥大症に次いで頻尿になる病気として前立腺炎があります。大腸菌や淋菌、ブドウ球菌、緑膿菌、連鎖球菌などが尿道を経て、前立腺に到達し、炎症を起こすもので、急性と慢性があります。

 

急性前立腺炎は感染が前立腺まで広がって、発熱、排尿痛などの症状が出ます。炎症が進行すると尿道から膿が出ます。症状が感じられた時点ですぐに受診し、治療すれば10日ぐらいで治癒します。

 

 

慢性前立腺炎は急性から移行することもありますが、多くは最初から慢性型として罹患することが多いとされています。

 

気がつかないうちに病状が悪化しており、ある日突然、尿道から出血するという人が多く、会陰部の不快感、鼠径部の鈍痛が主な症状です。

 

尿検査では異常が見当たらないことが多く、治療をしても症状は一進一退を繰り返します。

 

参考サイト:前立腺炎の症状

 

前立腺肥大症や糖尿病の人は、前立腺炎を発症しやすいというのは本当ですか?

前立腺肥大症は、男性ホルモンの分泌量の減少によって、前立腺の内側にある内腺にこぶのようなものが多発する病気です。

 

このこぶが、前立腺の中央を貫いている尿道を圧迫するために、尿が出にくくなり、残尿量が増えてきます。

 

すると、膀胱や尿道に負担がかかって細菌に対する抵抗力が低下し、前立腺炎を併発しやすくなるのです。

 

 

糖尿病は、さまざまな合併症を招く病気です。きちんと治療を受けて血糖値がコントロールされていないと、病状が進行して細菌感染に対する抵抗力が低下してきます。

 

その結果、細菌感染による前立腺炎が起こることがあります。

 

前立腺肥大症も糖尿病も、早期に適切な治療を受けることが大切です。

 

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関連ページ

前立腺肥大症とは
前立腺は男性の生殖器の一つで、精液の一部をつくる器官です。膀胱の出口付近をとりまく形で存在しており、中央を尿道が貫通しています。成人男性では栗の実の大きさですが、50歳を過ぎるころから大きくなり始め、60~70代の男性のほとんどが多少なりとも肥大します。
前立腺肥大症の検査
前立腺肥大症には神経性頻尿や前立腺がんなど、まぎらわしい疾患があるので、鑑別診断のための検査や肥大の程度を調べる検査が必要です。
前立腺肥大症の治療
前立腺肥大症の治療は、症状が軽い早期では薬物療法を行い、経過をみます。男性の副性器である前立腺が肥大して尿道を圧迫し排尿障害を伴います。60代以降に多く、重症になると尿毒症を起こすので早期治療が大切です。
前立腺肥大症の予防法
前立腺および膀胱、尿道への刺激を繰り返していると、症状が出やすいといえます。刺激するといった行為をできるだけ避けるようにしたほうが無難です。自治体によっては前立腺肥大症の検診を行っているところもあるので、サービスをうまく利用して早期発見に役立てましょう。

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