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糖尿病の合併症は全身に及ぶ!?糖尿病の3大合併症

目次

 


 

糖尿病の合併症は全身に及ぶ!?糖尿病の3大合併症

 

糖尿病の合併症

 

糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症が、糖尿病の3大合併症といわれています。

 

また、糖尿病は脂質異常症(高脂血症)高血圧なども合併しやすく、動脈硬化にも注意が必要です。

 

糖尿病性神経障害

足がジンジンする、手足の先が冷えたり痛んだりするといった症状が現れた場合、糖尿病性神経障害が疑われます。

 

特徴としては、こうした異常を左右対称にほぼ同時に感じることや、夜間に症状が強くなることなどで、知覚神経が障害されたために起こるものです。

 

 

初期であれば、血糖をコントロールすることによって症状はおさまりますが、放置すると夜も眠れないほど痛みが強くなり、この段階で治療しないと、今度は痛みそのものも感じることができなくなり、足に靴ずれや火傷などを負っても気がつかず、やっかいなことになります。

 

糖尿病になると細菌に感染しやすく、小さな傷でも潰瘍や壊疽(えそ)に発展してしまう危険性が高くなるからです。

 

 

一方、自律神経が障害されると、発汗異常、こむらがえり、膀胱炎や腎孟炎などを引き起こす膀胱障害や下痢・便秘を繰り返す消化管無力症などになります。

 

糖尿病性網膜症

成人の中途失明の原因の第1位が、糖尿病性網膜症です。

 

初期には自覚症状がほとんどなく、健康診断の眼底検査で発見されることも少なくありません。

 

高血糖が続くと、網膜の細い血管が障害されるため、この病気を引き起こします。

 

病気が進んでくると、ものが見えにくくなるなど自覚症状がでてきます。

 

糖尿病性腎症

腎臓には毛細血管が球状になった糸球体という組織があります。

 

糸球体は血液を濾過して、からだの中にできる不要なもの(老廃物)を水とともに流し出す役割を果たしています。ここでできるのが、尿のもとになる原尿です。

 

 

血糖のコントロールが悪いと、糸球体の毛細血管が障害され、尿にタンパクが出たり、老廃物を尿にして出すことができなくなるなど、腎臓の働きが損なわれてしまいます。これが腎不全です。

 

糖尿病性腎症は、糖尿病になって10年以上経過すると症状が出てきます。

 

はじめは血圧やコレステロール値が上昇、むくみが出ます。さらに悪化すると腎不全となり、血液透析(人工透析)、腹膜透析、腎臓移植などの治療が必要になります。

 

 

近年の研究で、糖尿病性腎症になると、尿に排出される微量のタンパクの一種、アルブミンの量が増えることがわかり、早期に発見できるようになりました。

 

動脈硬化

糖尿病になるとインスリンの作用不足から脂質の代謝異常を招き、脂質異常症(高脂血症)を進行させます。

 

また血糖値が高いと、血液が固まりやすくなります。糖尿病の人は動脈硬化になりやすいのです。

 

動脈硬化になると、脳卒中、心筋梗塞など生命の危険を伴う病気を引き起こす可能性が高くなります。

 


 

糖尿病の合併症は全身に及ぶ

 

全身の血管に動脈硬化が起こる

糖尿病は「尿に糖が出てくる病気」という意味の病気ですが、それは単に症状の一つを示しているにすぎません。

 

血液中のブドウ糖濃度が高くなり、それが尿に出てくるということは、ブドウ糖、すなわち栄養(エネルギー源)が無駄に捨てられていることを意味します。

 

糖尿病になると、それまで太っていた人が痩せてきますが、それは体に使用されるべきエネルギー源が大量に尿中に失われることになるからです。

 

 

一方、高血糖状態が続いていると、毛細血管や太い血管が、障害を受けるようになります。

 

太い血管の障害は、具体的には動脈硬化という形で現れます。動脈は全身に張り巡らされていますから動脈硬化も、局部的ではなく、全身に起こることになります。

 

高血糖の状態が続くと合併症がじわじわ進行する

目の網膜や腎臓には、細い血管が集中しています。

 

そのため、持続的な高血糖状態が引き起こす毛細血管の障害は、目や腎臓に重大な影響を及ぼします。その結果起こるのが「糖尿病性網膜症」であり「糖尿病腎症」です。

 

この2つの合併症に「糖尿病神経障害」を加えて「糖尿病の3大合併症」と呼んでいます。

 

神経障害がなぜ起こるのか、さかんに研究されていますが、栄養不足、血管障害、神経内の代謝系の障害などの要因が複合的にかかわって発症すると考えられています。

 

3大合併症は、生活の質(QOL)が変化したり、場合によっては生命を脅かす恐れのある病気です。

 

糖尿病が怖いのはこの点にあります。高血糖状態が持続していると、このような合併症がじわじわと進行していくのです。

 

抵抗力の低下から起こる合併症

全身の代謝異常や血流障害などが原因となり、体の抵抗力も低下します。

 

その結果、膀胱炎や皮膚炎、肺炎、歯周病など、さまざまな感染症が起こりやすくなり、一度発症するとなかなか治りません。

 

怪我をしても、やはり治りにくくなります。

 

急性合併症の糖尿病昏睡

糖尿病昏睡とは、著しい高血糖状態により脳の働きが低下して、昏睡状態に陥るものです。

 

糖尿病の合併症の多くは、高血糖状態が慢性化しているなかで、その影響がじわじわと体にダメージを与えることにより起きてきます。

 

しかし、糖尿病昏睡のほうは、インスリンの極度な分泌不足そのものが原因となり、突然発症し、急速に進行します。

 

 

糖尿病昏睡を発症すると、口渇感や倦怠感がいつもよりさらに強くなり、吐き気・嘔吐などを訴えるうちに、意識障害に陥ります。

 

意識障害が起きると、本人には対応ができなくなります。そのまま放置すれば、脳の活動はさらに低下し、生命に危険が生じますから、周囲の人が対応しなければなりません。

 

 


 

高血圧糖性の昏睡(糖尿病昏睡)

 

高血糖状態が続くと意識障害を起こし、昏睡に至ることがあります。よくみられるのは以下の2つのタイプです。

 

1型糖尿病の人に多い「ケトアシドーシス昏睡」

インスリンの分泌量が極度に少ないと、ブドウ糖の代謝がうまくいかなくなり、血糖値が異常に高くなるとともに、脂質代謝にも異常が生じて、血液中にケトン体という弱酸性の物質が増えてきます。

 

その影響で、血液は酸性に傾きます。これがケトアシドーシスという状態です。

 

 

ケトアシドーシスの状態になると、喉が渇いて水分を大量に摂取するようになり、尿量が増えます。

 

さらに倦怠感が強くなり、体重が急速に減っていきます。何の対応もしなければ、さらに嘔吐、腹痛、深い呼吸(クスマウル呼吸)などが生じ、さらに進行すると意識障害が発生し、昏睡に至ります。

 

 

ケトアシドーシス昏睡は、インスリン分泌量が決定的に不足している1型糖尿病の人が、何らかの理由によりインスリン注射を中止するなどして血糖コントロールを大きく乱したときに起こりやすいのですが、2型糖尿病の人も状態によっては起こります。

 

2型糖尿病の高齢者に多い「高血糖高浸透圧昏睡」

血糖値が著しく高いのにケトアシドーシスの状態を伴わない昏睡を「高血糖浸透圧昏睡」といいます。

 

高齢の方に多く、とくに以前に糖尿病といわれたことのない人にも発症します。

 

この昏睡には強い脱水があり、症状が強くなると「けいれん」を伴うこともあります。

 

高齢者の場合、インスリンの分泌がある程度保たれている2型糖尿病が多く、水分摂取量が少ない傾向があるうえ、活動が低下していますから、とくに起こりやすいといえます。

 

昏睡に気づいたら、すぐに病院へ

糖尿病昏睡の症状は、低血糖や脳血管障害と類似しており、その判別は専門家でないとできません。

 

ふだんの血糖値が高めの人で上記のような兆候が現れたら、すぐに主治医の指示を受けるか、救急車を呼びましょう。

 

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