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じんましんの原因・種類 (食事性のものから心因性のものまで)

目次

 


 

こんな症状に注意
  • 皮膚がかゆくなりませんか?
  • 発疹ができていませんか?
  • 数時間でひく発疹ですか?
  • アレルギーがありますか?
  • 便秘や下痢をしていませんか?
  • 汗をかくとかゆくなりますか?
  • 寒さで発疹ができませんか?
  • 温かさでかゆくなりませんか?
  • 生活が不規則ですか?

 

発疹と猛烈なかゆみを伴う皮膚症状で、数時間でひくのが特徴です。原因となる刺激が特定できれば治療は簡単ですが、多くは不明です。

 

じんましんとは?

 

じんましんの原因・種類 (食事性のものから心因性のものまで)

 

刺激による皮膚反応

 

健康な皮膚の一部が何らかの刺激を受け、突然赤くなって腫れ、ひどくかゆくなる病気です。

 

ほかの発疹やかゆみを伴う皮膚疾患と違って、症状が数十分から半日、長くても数日でひいてしまうのが特徴です。

 

 

発疹が1か月以内に落ち着いてしまうものを急性じんましんといい、全体の20~40%を占めます。それに対し、1か月以上、断続的に継続する場合を慢性じんましんとよびます。

 

 

じんましんには、食べ物や抗生物質などの薬剤、食品添加物、化学物質、動物・植物、感染症、汗、温度差、日光などが誘因となって起こるアレルギー性じんましんがあります。

 

このほか、温熱や寒冷、ベルトやブラジャーなどが皮膚に当たるなどの機械的な刺激、精神的な緊張などによって起こる非アレルギー性じんましんがあります。

 

 

じんましんの最大の特徴である皮膚の腫れの発生には多くの場合、体内にあるヒスタミンという物質が大きく関与していると考えられています。

 

ヒスタミンは皮膚や臓器、血管の周囲にたくさん分布しているマスト(肥満)細胞の中にあって、細胞内の化学的反応を媒介する伝達物質の一つです。

 

これがマスト細胞の中にあるときは何の症状も引き起こしません。しかし、マスト細胞の細胞膜が外的および内的な刺激によって壊れ、中からヒスタミンが飛び出すと、毒性を発揮してしまいます。

 

 

ある程度発生の仕組みのわかっているアレルギー物質によるマスト細胞破壊のメカニズムは、次のように説明されます。

 

 

人のからだはなじまない異物が侵入してくると、二度とその毒性の影響を受けないように、それを認識して排除しようとするシステムができます。

 

それを免疫といいますが、その一部を担っている体内物質に免疫グロブリンE(IgE)があります。通常は細胞の表面にくっついていて、次に同じ異物が体内に侵入してくると、即座に結びついて排除します。

 

ところが、この反応(抗原抗体反応)があまりに過剰に行われると、マスト細胞が壊れ、中からヒスタミンが飛び出します。

 

外に飛び出したヒスタミンは血管の透過性を高める作用があるので、血中の血漿成分が血管から浸出してしまい、そのため皮膚のむくみ、つまりじんましんが出るのです。

 

しかし、このようなアレルギー性のじんましんにかかる人は、実際にはそれほど多くはありません。むしろ、発生の細かいメカニズムがまだよくわかっていない、非アレルギー性じんましんにかかる人が大半を占めます。

 


 

アレルギーとじんましん

 

アレルギーは4つのタイプに分類され、それぞれⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型とよばれています。

 

Ⅰ型は、花粉症、ぜんそくなど、原因物質が体内に入ってすぐ反応を引き起こす即時型です。

 

Ⅱ型は、血球や血小板などに対する抗体が誤ってできてしまい、その結果、細胞を破壊してしまう細胞溶解型をいいます。

 

Ⅲ型は、抗原と抗体が結びついて、本来細菌を破壊するタンパク質である補体が活性化し、細胞破壊を起こしてしまう免疫複合体型です。

 

Ⅳ型は、リンパ球の一つであるT細胞が抗原を排除しようとして、過剰に作用して炎症を引き起こす細胞性免疫型です。臓器移植などの拒否反応はこの型に入ります。

 

 

アトピー性皮膚炎は、Ⅰ型とⅣ型が合わさっていると考えられています。

 

じんましんの一部のタイプ、いわゆるアレルギー性じんましんとよばれるものは、原因物質であるアレルゲンがすぐ作用することで生じるので、Ⅰ型に属します。

 

原因物質はなくとも免疫システムが狂って、アレルギー反応が起こることもあります。

 

じんましんの原因と種類

 

種々の食物や薬物など多様

 

じんましんは食事性のものから心因性のものまで原因によっていくつかに分けられますが、その原因ごとに相当する名前がつけられています。

 


 

じんましんの種類と原因・発生場所

種類 具体的な原因や発生場所・発生時
食事性じんましん(ア・非) 卵、魚、牛乳、大豆、肉、そば、ナッツ、チョコレート、いちごなど
薬剤性じんましん(ア・非) ペニシリンなどの抗生物質、サルファ剤、ホルモン剤、アスピリンなど
機械的・人工的じんましん(非) 時計バンドの下、ブレスレットなどアクセサリー類の当たるところ、ハンドバッグのひもの当たるところなど
寒冷じんましん(非) 冷たい物質、冷水、寒い風に当たったときなど
温熱じんましん(非) 入浴、ストーブに当たったときなど
日光じんましん(ア・非) 日光に当たったところに出る
コリン性じんましん(非) 温熱、疲労、精神的緊張などで発汗したときなど
心因性じんましん(非) 思い込み、暗示、ストレス、疲労など
接触じんましん(ア) 魚、貝、肉、植物、花粉、金属、せっけん、洗剤、ゴムなど

*(ア)はアレルギー性じんましん、(非)は非アレルギー性じんましん

 


 

食事性じんましん

 

食物が直接アレルギー反応を引き起こす場合と、食物にヒスタミンなどじんましんを誘発する物質(仮性アレルゲン)が入っていて、免疫の起こる仕組みに誤作動が起こり、アレルギー反応を起こす場合とがあります。

 

前者の代表的な食物として、サバなどのいわゆる青魚、卵、牛乳、大豆、肉、小麦粉とその加工品、そば、ナッツなどの植物の実、ジャガイモ、トマト、キャベツといった野菜や、リンゴなどの果物があります。

 

ヒスタミンおよびその類似物質を多く含む食物は、魚介類、セロリ、ホウレンソウ、タケノコ、バナナ、チョコレート、チーズ、赤ワイン、食品添加物などです。

 

食物がアレルギー反応を引き起こして発症するじんましんは、抗原となる物質が腸から吸収されることが前提条件となりますが、腸の吸収を亢進させるものとして、アルコール飲料、スパイスなどがあります。

 

ほかにも腸に炎症が起こっていたり、胃酸過多、胆石などの病気をもっていると、腸からの抗原の吸収は容易となります。

 

つまり健康な状態では食事性のじんましんにならないのに、体調が悪かったり、胃腸の具合が悪かったりすると、同じものを食べてもじんましんを起こすことがあるのです。

 

なお、原因がわかっているじんましんのなかでは、急性の食事性じんましんが、子どもに多いといわれています。

 

薬剤性じんましん

 

薬剤の服用、塗布、注射、挿入(坐薬など)によって起こります。薬剤による単純な刺激によって起こるケース、薬剤がアレルギー反応を引き起こす場合、薬剤によって体内で代謝物質がつくられて、それが刺激となるなどの発生過程が考えられています。

 

じんましんを引き起こす薬剤は、アスピリン、ピリン系の解熱剤、サルファ剤やペニシリンといった抗生物質などです。

 

また、血清やワクチン、輸血によっても発症することがあります。

 

物理的じんましん

 

種々の物理的刺激によって起こるものですが、その種類によって発生の仕方が異なります。

 

機械的・人工的な刺激によるもの

皮膚をひっかいたり、ベルトや下着のゴムなどで長時間圧迫したときなどに生じます。

 

その刺激により、マスト細胞の中の主にキニンという化学伝達物質が皮膚血管に作用して起こると考えられています。

 

寒冷によるもの

冷水や寒風、冷たい物体に触れると、かゆみを伴う腫れが生じます。寒風にさらされた皮膚が再び温まると、その部位に赤い斑点と腫れが現れます。

 

温熱によるもの

入浴や布団に入ってからだが急に温まったとき、ストーブなどで照射されたとき、熱が出たときなどに生じます。

 

日光によるもの

日光に当たった部分に発生します。

 

コリン性じんましん

 

運動、入浴、刺激物を食べたとき、興奮したときに発汗し、その刺激によって生じます。体内のコリンという物質が関与しているので、こうよばれます。

 

心因性じんましん

 

思い込みや暗示などによって起こるじんましんです。例えばサバやそばなど特定の食品を食べて皮膚発疹が生じた場合、その学習体験から、その食品を口にすると起こります。

 

暗示によってその食品だと思い込んでも、じんましんを引き起こすことがよくあります。そういった思い込みや暗示がアレルギー感受性を高めたり、あるいは精神的負荷がかかったりすることで、皮膚温や機械的刺激による反応が上昇するといわれています。

 

接触じんましん

 

何らかの物質に接触して起きるじんましんです。

 

原因物質としては、アジ、カツオといった魚介類、牛肉や羊肉などの肉類、イラクサや菊、サクラソウに代表される植物、スギやコナラなどの花粉、ハウスダスト、アスピリンや抗生物質のほかに、ハチやアリ、ゴムなど多くのものが考えられています。

 

血管神経性浮腫

 

皮膚の真皮深層、皮下組織、粘膜下組織に生ずるむくみで、じんましんと合併して出現することが多い症状です。

 

じんましん患者の半数近くに出現したという報告もあるほど発生頻度の高い症状で、男女ともに30~40代に多いといわれています。これが気道に生じた場合は呼吸困難を伴い、生命に危険を及ぼすこともあります。

 

皮膚描記症

 

長時間立っていたり、きつい衣服を身につけて、皮膚に圧力を加えて生じるじんましんを皮膚描記症といいます。通常皮膚が圧迫を受けてから6~7分後に膨疹ができ、10~15分間継続します。

 

そのほか、疲労や睡眠不足、あるいは月経時や扁桃炎、副鼻腔炎などの感染症でじんましんになる人もいます。

 


 

じんましんの原因となる主な食品添加物

 

添加物

含まれている食品

タートラジン
(食用黄色4号)

漬物、中華めん、カレー、あめ、あん、米菓、佃煮、ゼリー、ビスケット、ウエハース、練りウニ、レモンシロップ

ニューコクシン
(食用赤色102号)

清涼飲料水、水産食肉加工品、漬物、佃煮、ケチャップ、ジャム、あめ、紅ショウガ、梅干、たらこ

サンセットイエロー
(食用黄色5号)

清涼飲料水、コーラ、漬物、佃煮、あめ、米菓、オレンジジュース、練りウニ
ナトリウム安息香酸塩 しょうゆ、清涼飲料水、酢、果実ソース
4ヒドロキシ安息香酸塩 ピクルス、ソース、ジュース、缶詰、インスタントコーヒー

 


 

 

家の中の何かに触れてじんましんをくりかえしているのですが、原因には何が考えられますか?

アレルギー性のじんましんの場合、原因となる物質(アレルゲン)が反応する箇所は必ずしも侵入口とは限りません。経口的に入ったアレルゲンが胃腸に達してはじめて反応を示したり、血中で反応を起こすことも珍しくありません。

 

アレルゲンのエキスを皮膚につけて反応をみるパッチテストや、ひっかき傷にエキスをつけて同様に反応をみるスクラッチテストを受けて、陽性を示せば、接触性のじんましんであることがわかると同時に、原因物質も限定することができます。

 

 

しかしそのテストで試せるアレルゲンはハウスダストやかび、ペットの毛やフケなど、ごく限られています。そのため、ほかのアレルゲンの可能性も考えなければなりません。

 

どれがアレルゲンか判明するまでは大変ですが、じんましんの出た数時間前の状況やできた部位などを細部にわたって繰り返し調べることで、限定できる場合もあります。

 

それでもわからない場合は、面倒でもその日に触れる物と触れない物をあらかじめ決め、メモに残して消去法のようにチェックしていくことで、アレルゲンを突きとめられることもあります。

 

原因不明のじんましんで悩んでいます。心因性のじんましんにはどのようなケースがありますか?

最初から心因性のじんましんを疑って病院へ行く人はあまりいません。多くはいろいろな検査を受け、どうしても原因がわからない場合、心因性のじんましんの可能性を考え、再度問診や心理テストをします。

 

実際のケースとしては、小学生で父母から叱責を受けているときにじんましんができたり、姑の顔を見るとじんましんができるという主婦もいます。

 

要求の厳しい得意先の門をくぐった途端に発疹ができたというサラリーマンの例や、不和の夫婦が口げんかをしている最中に、発疹ができたという幼児の例もあります。

 

要するに心因性のじんましんは単一の心理的圧迫によって発症するのではなく、同じストレスを慢性的に受けていたり、ほかにも悩みがあったり、その日の体調が悪かったりと、いくつもの要因が積み重なって発症に至ると考えられています。

 

実際には直接の動機も、また間接的な要因となっているストレスもわからないことが多く、そのため治療は心療内科などで根気よく続けていくしかありませんが、治療自体がストレス発散のはけ口となって改善していく例が少なくないようです。

 

 

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