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とびひ(伝染性膿痂疹)の原因・症状・診断・治療

目次

 


 

こんな症状に注意
  • 幼稚園や保育園などでとびひがはやっていますか?
  • 虫に刺されたあとなどを爪でかきこわしていますか?
  • 鼻の中をいじった爪であちこちかいていますか?
  • からだのあちこちに水疱ができていますか?
  • 頭をかゆがっていますか?
  • 毛穴のまわりが赤くなってきましたか?

 

表皮や毛穴に細菌が感染して化膿する病気です。うんだところを爪でかいたりすると、次々に感染を繰り返します。

 

とびひとは?

 

とびひ(伝染性膿痂疹)の原因・症状・診断・治療

 

表皮やケアなが化膿する

 

とびひの正式な病名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)といいます。

 

 

とびひは、夏ばてなどで子どものからだの抵抗力が落ちているときや、汗や紫外線によって皮膚のバリア機能が低下したときに起こります。

 

 

皮膚に水疱(すいほう)が一つできると、そこから接触感染して、翌日には水疱がからだのあちこちにみられ、5日ほどの間に全身に広がります。

 

とびひの画像

 

とびひの画像

 

膝の後ろにできたとびひです。

 

じくじくして強いかゆみを伴うのが特徴です。

 


 

 

 

 

とびひの原因

 

バリア昨日が低下して細菌に感染

 

皮膚にはもともと皮膚常在菌とよばれる細菌がすんでいます。皮膚常在菌は皮膚の表面で病原菌の増殖を抑え、外部の細菌が皮膚へ侵入するのを防ぎ、皮膚を健康な状態に保つ働きをしています。

 

 

とびひは、この常在菌の一部が感染力を強めたことで発症する皮膚病で、感染したところは化膿します。

 

 

とびひは、黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)が表皮の角質層で増殖して化膿する皮膚の病気で、医学的には伝染性膿痂疹(のうかしん)といいます。

 

 

初夏から初秋にかけて多くみられ、うつりやすいのが特徴で、強いかゆみがあります。別の部位に水疱内の膿がつくと、まるで火の粉が飛んで飛び火するように全身に広がり、家族など周囲の人にも感染するので、とびひといわれています。

 

 

黄色ブドウ球菌に感染すると水疱が発生する水疱性膿痂疹になり、溶連菌に感染すると厚いかさぶた(痂皮)がみられる痂皮性膿痂疹になります。

 

 

まれに、抗生物質に耐性をもつ多剤耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が原因で発病することがあります。

 

 


 

とびひの症状

 

水疱やかさぶたができて広がる

 

幼稚園や保育園に通っている子どもは、集団でいる時間が長いため、とびひに感染しやすいものです。

 

 

水疱やかさぶたのできたところに細菌が増殖しているため、からだが接触するとほかの子どもに感染します。小学校高学年になると皮膚のバリア機能が発達するので、あまりみられなくなります。

 

水疱性膿痂疹

 

黄色ブドウ球菌がつくりだす、表皮剥脱(毒)素が原因で起こる比較的軽いとびひです。

 

 

水疱は皮膚の表面の表皮と真皮の間に浸出液がたまったもので、初期には皮膚の表面に透明な液体を含んだ水疱ができ、まもなく濁って黄白色になります。

 

 

2~3日で破れ、透明なさらさらしたつゆ(漿液)が出て、時間がたつと淡黄色の膿のようなものになり、かさぶたをつくりながら急激に広がっていきます。

 

 

水疱の大きさは、粟粒ぐらいのものから500円玉ぐらいのものまでさまざまです。

 

 

ほとんどは黄色ブドウ球菌を原因菌とする水疱性膿痂疹です。

 

ブドウ球菌性熱症様皮膚症候群

 

抵抗力の弱い新生児や乳幼児が、ブドウ球菌に感染すると重症化することがあります。鼻や口の周囲にとびひが起きた後、突然発熱してやけどをしたように全身の皮膚が赤くなり、触ると激しく痛がります。

 

 

新生児の場合は赤くなった皮膚の上に水疱ができ、放置すると皮膚がはがれて全身に広がり、生命にかかわることがあります。成長するにつれて、水疱のできる範囲が小さくなるため、1歳を過ぎると重症化することは少なくなります。

 

痂皮性膿痂疹

 

溶連菌が皮膚に感染して起こるのが痂皮性膿痂疹です。小さな赤い膿疱がまとまってできた後、乾燥して黄褐色のかさぶたになって広がります。かさぶたの周囲が赤く炎症を起こして痛み、ときに発熱などの全身症状を伴うことがあります。

 

 

痂皮性膿痂疹は季節に関係なくみられ、特にアトピー性皮膚炎やぜんそくなどがある子どもに発症します。

 

 

とびひの診断

 

病原菌の種類を突きとめる

 

 

とびひはほぼ円形をしています。発疹が水疱になっている場合はブドウ球菌が、痂皮ができた場合は溶連菌がかかわっていると考えられます。

 

 

顔によくできるのは、鼻の中に常在している黄色ブドウ球菌がまず鼻のまわりの皮膚に付着して増殖し、顔に広がるからです。

 

 

手足にできるのは、虫に刺されたあとがかゆいために赤くなるまでかきむしり、指についている菌が傷ついた皮膚の表皮で増殖するケースが多いようです。

 

 

とびひは病原菌によって治療に使う抗生物質が異なるため、診断で原因となっている細菌をはっきりさせることが大切です。診断にあたっては、病原菌がつくる体外毒素が症状を複雑にしている場合もあるので、問診や視診のほかに細菌培養検査などを行うケースがあります。

 

 

問診では、学校や幼稚園、地域などでとびひが流行していないか、鼻水が出ていなかったかなどを尋ねられます。

 

 

とびひは周囲の人から感染する以外に、自分の鼻汁の中の菌が鼻の入り口に付着し、周囲に飛散する場合や、爪と指先の間の細菌が原因となることもあります。

 

 

咽頭や扁桃などの上気道に慢性的な溶連菌の病巣のある子どもは、冬に高熱を出すことがあります。こうした病巣を抱える子どもは、夏になるととびひに感染しがちです。アトピー性皮膚炎の子どもがとびひにかかると、湿疹がかさぶた状になる膿痂疹性湿疹になる場合があります。

 

 

感染源が鼻の中や咽頭の病巣なら、耳鼻咽喉科での治療も必要です。溶連菌は急性腎炎の原因菌でもあります。

 


 

 

 

 

とびひの治療

 

軟膏の塗布と抗生物質の内服

 

とびひの治療罹患部に、硫酸ゲンタマイシンなどの抗生物質や抗菌剤の入った軟膏を塗ったガーゼを貼り、分泌物が周囲につかないようにして、抗生物質を服用します。

 

 

ブドウ球菌が原因の場合はセフェム系の抗生物質を、溶連菌が原因の場合はペニシリン系の抗生物質を使います。

 

 

とびひは治りにくいことが多く、こじらせると腎炎を併発することがあります。

 

 

完治するには最低2週間が必要です。二次感染や腎炎が考えられる場合は、尿のたんぱく検査を受けます。

 

 

治療の際は、水疱やかさぶたの中に増殖している菌を、健康な皮膚につけないことが大切です。1日1回シャワーを浴び、せっけんでからだを洗うようにしましょう。夏はエアコンや扇風機を使うとかゆみや汗が抑えられます。とびひには強い感染力があります。症状が軽い場合でも、とびひのできた子どもの登園や登校はひかえるべきです。判断に迷うときは、医師と相談して決めましょう。

 

 

とびひのあとが残ることはまれですが、栄養状態が悪かったり、皮膚の抵抗力が弱っているときは、色素が沈着したり病巣が深部に及んで小さな皮膚の潰瘍(深膿瘡)をつくります。この場合は、あとが残ってしまいます。

 

 

 

外用薬を効果的に使うコツ

 

●塗る前の注意
皮膚の汚れは皮膚病の大敵です。患部に泥や食べ残しがないか調べ、きれいにしてから塗ります。

 

●1回に塗る量
発疹やかぶれの場合、医師の指示がない限り外用薬を厚く塗る必要はありません。軽く数回こするようにして塗ります。1回にたくさん塗るよりも、何度も塗るほうが薬の効果は高まります。

 

●軽く塗りこむ
力を入れて薬をすり込む人がいますが、かえって刺激になってかゆみが増してしまいます。外用薬は軽く塗るだけで皮膚に吸収されますので、やさしくゆっくりと塗りましょう。

 

●1日に塗る回数
症状がひどいときには、少なくとも起床時、日中、入浴後の1日に3回は塗ります。よくなるに従って、塗る回教を減らします。

 

●薬の置き場所
タンスの上など子どもの事の届かない場所に置きます。テレビの上に置くと、温度、湿度などにより薬の効き目が悪くなることがありますので注意しましょう。

 


 

アトピー性皮膚炎の子どもにとびひができました。ステロイド剤は控えるべきでしょうか?

ステロイド剤の使用を急にやめると、ほとんどの場合リバウンド(反作用)が起こります。

 

 

使用を控えなければならないときは、ステロイド剤を使用した期間や、量によっても対処法が異なるので、専門的な判断が必要です。自己判断せずに、信頼できる医師によく相談することが重要になります。

 

とびひができたときでも、お風呂に入ってよいでしょうか?

皮膚病の治療では、皮膚を清潔に保つことが大切です。

 

 

特に乳幼児は、口の周囲、頸部、外陰部、手や足などを清潔に保つために、毎日入浴したりシャワーを浴びることが重要で、とびひやアトピー性皮膚炎の場合も例外ではありません。

 

 

入浴後は、水疱がつぶれないようにやさしく押すようにして、水分をふきとります。

 

とびひの子どもの皮膚に直接触れなくても、使ったタオル、シーツ、おもちゃなどからも感染します。とびひのできた子どものタオルや衣類の洗濯は家族と別にします。

 

 

とびひは大人には感染しにくいものですが、とびひの子どもに触った大人の手からほかの子どもに感染することがあります。からだや衣類などに触ったら、必ず手をせっけんで洗いましょう。

 

 

皮膚と爪を清潔に保つことが予防につながります。手洗いを励行し、爪を丸く切りそろえます。特に爪の先は清潔に保ちましょう。幼児の小さな指を一つ一つていねいに洗うのは手間がかかるので、ブラシを使うとよいでしょう。

 

 

自分の身の回りのことができるようになったら、しっかりした手洗いの習慣を身につけさせます。

 

 

また、虫に刺されないように注意しましょう。鼻からの感染以外は、ほとんどが虫に刺されたあとをかいて傷をつくり、そこから感染しています。外で遊ばせるときには、虫除けスプレーを使ったりして、虫に刺されないようにします。

 

 

もし刺されたら、すぐに虫刺されの薬を塗ります。時間がたっているときは炎症を抑えるために副腎皮質ホルモンを塗布します。かゆみ止めを使うと、かえって接触皮膚炎を起こすことがあるのでやめましょう。

 

 

下痢や風邪などで体調を崩し、子どもの免疫力が低下しているときは、直射日光を避け、皮膚を清潔に保ちましょう。

 

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