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帯状疱疹・単純性疱疹の症状・治療

目次

 


 

こんな症状に注意
  • 水ぼうそうにかかったことがありますか?
  • 2~3日前に、痛がゆい感じを訴えませんでしたか?
  • 水ぶくれが大きくて、深く、中央がへこんでいる状態ですか?
  • 虫刺されのような紅斑が出ていませんか?
  • ロのまわりに水疱が多くみられますか?
  • アトピー性皮膚炎がありますか?

 

ウイルス性の水疱は、抗ウイルス剤で早めに手当てをします。特にアトピー性皮膚炎の子どもは感染に注意しましょう。

 

帯状疱疹・単純性疱疹とは

 

帯状疱疹・単純性疱疹の症状・治療

 

帯状疱疹と単純性疱疹は、ともにウイルスに感染して起こる病気です。疱疹(ヘルペス)とは小水疱が多数集まって生じている状態をいいます。

 

 

単純性疱疹は子どもに多く発症し、皮膚や粘膜から侵入した単純ヘルペスウイルスが知覚神経を介して脊髄後根神経節まで入り込み、神経細胞内に潜伏した後、小水疱を発生させます。

 

 

このウイルスは感染力が強く、園児に集団発生することがあります。症状としては米粒大の小水疱のほかに、発熱や痛みを伴う腫れがみられます。

 

 

単純性疱疹には初感染と再発型があります。再発が起こるのは一度感染した後、潜伏感染状態になり、風邪をひく、強い日差しにあたる、疲れがたまるなど、抵抗力が低下したときに、ウイルスが活性化して皮膚に到達し、再び症状を起こさせるためです。多くの場合、前回と同じ部位に症状が現れます。

 

 

初感染は1~5歳ごろが多いといわれます。比較的症状が重い初感染に比べ、再発の場合は軽症ですむようです。

 

 

帯状疱疹の原因となる水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスは、水痘(水ぼうそう)のウイルスと同じもので、初感染は水ぼうそうとして発症します。

 

 

その後、ウイルスは知覚神経を経由して脊髄後根神経節に潜伏し、ある期間をおいて免疫力の低下など何かのきっかけで発症すると帯状疱疹となります。ウイルスの潜伏期間は数十年にわたるケースもあります。

 

 

ほとんどの人は子どものころに水ぼうそうにかかっているので、水痘・帯状疱疹ウイルスをもっています。そのため、帯状疱疹は平均寿命まで生きた人の7~8人に1人程度の割合で発症するといわれています。

 

 

水ぼうそうは冬から春にかけて流行する傾向がありますが、帯状疱疹には季節性はありません。ただし、転勤などのストレスの多い2~3月や疲れの出やすい夏の暑い盛りは発症率が高いとされています。また若年層よりも中高年の男性に多いという報告もあります。

 

 

 

 

 

 

帯状疱疹の発疹の現れ方

 

帯状疱疹の発疹の現れ方

 

帯状疱疹のウイルスは図のような知覚神経節を経由して脊髄後根神経節に潜伏します。

 

そのため、知覚神経に沿って文字どおり帯状に小水疱が現れます。

 

 

顔ならば目の周囲から額にかけて、胸なら肋骨に沿って生じます。

 

通常、からだの片側だけに発症します。

 

 

帯状疱疹・単純性疱疹の検査

 

ウイルス抗原を検出して確定

 

帯状疱疹と単純性疱疹は症状に特徴があるため、多くの場合、視診だけで診断がつきます。

 

 

ただし、帯状疱疹は子どもには少ないので、最初は虫刺されのほか、かぶれのような接触皮膚炎と間違われることもあるようです。

 

 

また大人のように、からだの一部にチクチク、ヒリヒリという神経系の痛みが走り、だるく熱っぽいという典型的な症状が出ないケースもみられ、早期の段階で診断を下すのは難しい場合があります。

 

 

ときには、必要に応じて、帯状疱疹、単純性疱疹ともに組織培養によるウイルス分離や蛍光抗体法でウイルス抗原の検出を行ったり、血液検査で血清中の抗体価を測定します。

 

 

 

 

 

単純性疱疹の症状と治療

 

臨床型によって症状が異なる

 

単純性疱疹には初感染と再発型があります。また、広い範囲にわたり水疱のできる汎発型(はんはつがた)と、発症する場所が限られる限局型に分けられ、皮疹が出現する部位によって、いろいろな形で症状が現れます。

 

 

一般に、最初は水疱が生じますが、やがて水疱は破れ、ただれやかさぶたができるという経過をたどります。軽度の灼熱感や痛がゆい感じを伴うことが多いようです。

 

 

子どもにみられる単純性疱疹には、乳幼児の口のまわりに起こる疱疹性歯肉口内炎、湿疹やアトピー性皮膚炎など基礎疾患のある子どもに単純性疱疹ウイルスが感染して起こるカポジ水痘様発疹症、乳児が感染する新生児疱疹(新生児ヘルペス)などがあります。

 

疱疹性歯肉口内炎

 

生後6か月から3歳ごろまでの乳幼児に多く、発熱、扁桃痛、不機嫌といった症状が2~3日続き、その後、高熱とともに口唇、舌、ほおの粘膜に小さな水疱が多発します。

 

 

水疱はすぐに破れ、びらんや潰瘍となり、やがて白苔(はくたい)で覆われます。歯肉からの出血や口臭があり、痛みのために食物がとれず、脱水状態になることがあります。

 

 

治療は、消毒後、抗ウイルス剤軟膏を塗布します。

 

カポジ水痘様発疹症

 

湿疹といった基礎疾患がある場合、特にアトピー性皮膚炎の子どもに単純性疱疹ウイルスが感染すると、高熱とともに、顔面、頸部、胸部などに小水疱が現れます。

 

 

ときには目や口腔内にも病変がみられます。小水疱は紅斑を伴い、中心がへそのようにへこんでいるのが特徴です。

 

 

高熱に加え、全身倦怠感、食欲不振、脱水状態など全身症状が起こります。

 

 

合併症としてヘルペス脳炎やウイルス血症を起こすと死に至る場合もあります。

 

 

軽症の場合は抗ウイルス剤軟膏が処方されます。重症になると入院したうえで、抗ウイルス剤の点滴が必要になります。

 

 

なお、アトピー性皮膚炎の子どもが、単純性疱疹にかかった場合、副腎皮質ホルモン外用剤を使用すると症状を悪化させることがあるので、使っている薬があったら医師に必ず伝えましょう。

 

新生児疱疹

 

生後3週間以内、多くは生まれて0~14日以内に発症します。最初、発熱や哺乳力の低下、皮疹、粘膜疹などの症状が現れ、やがて呼吸障害やけいれん、黄疸(おうだん)などがみられます。

 

 

妊婦が感染すると、妊娠の初期で流産することもあります。また、生まれた子どもは広範囲に小水疱、びらんがみられたり、先天異常を伴っていたりします。

 

 

妊娠後期の感染では産道感染により新生児疱疹を生じます。

 

 

新生児の治療では、できる限り早期に抗ウイルス剤を投与することが必要です。

 

陰部疱疹

 

陰部疱疹とは性器ヘルペスのことです。大人の場合、性行為で感染する例が多いのですが、乳幼児では母親や世話をする人が口唇にヘルペスウイルスをもっていたり、手や指にウイルスが付着していて感染するケースが多いようです。

 

 

男子では亀頭、陰茎、恥骨部に、女子の場合は、陰唇、膣、恥骨部、会陰部に小水疱が多発します。

 

 

発症部位をよく洗浄、消毒した後、抗ウイルス剤軟膏を塗布します。

 

 

 

 

 

帯状疱疹の症状と治療

 

子どもは比較的軽い症状ですむ

 

帯状疱疹にかかると、皮膚に赤い斑点が出て、神経に沿って半米粒大の水疱が帯状に発生します。水疱を爪でかいたりすると、激しい痛みを感じます。水疱が出現するまで3~4日ほどかかりますが、発疹は通常、からだの片側に起きるという特徴があります。また、発疹部に近いリンパ節が腫れて、圧迫すると痛みを感じます。

 

 

水疱はかさぶたになり2~3週間でとれますが、重い場合は潰瘍となり、傷あとを残すこともあります。水疱が発症する部位で一番多いのは、肋間(胸髄)神経の支配領域である背中から胸にかけてです。

 

 

次に多いのが、三叉神経の支配領域である顔と頭部です。特に、顔に生じた帯状疱疹は顔面神経麻痺や味覚障害を起こしたり、角膜炎、角膜潰瘍など目に影響が及ぶ後遺症を残すことがあるので、注意が必要です。ときに、下肢に発症するケースもあります。きわめてまれですが、2か所に出現した場合、内臓の悪性腫瘍などを合併しているケースもみられます。

 

 

一般に帯状疱疹では皮膚の症状が治まった後、日常生活に支障をきたすほどの痛みを残すケースが多くなります。ただし、痛みがひどいのは高齢者で、子どもの場合、帯状疱疹が治った後にも痛みが残って、帯状疱疹後神経痛になることはまずありません。

 

 

また、白血病やネフローゼ、リウマチ熱などのため、副腎皮質ホルモン剤を長期にわたって使用しているようなケースでは、重症化しやすいようです。

 

 

乳児期の帯状疱疹は、母親が妊娠中に水ぼうそうにかかり、胎児が胎内で初感染し、出産後に帯状疱疹として発症するケースです。妊娠8~20週に感染すると、流産の原因となるほか、子どもに皮膚の病変、神経障害、眼球の異常、四肢麻痺などの先天性水痘症候群が起こる場合もあります。

 

 

また、1歳未満で水ぼうそうに感染した場合は免疫状態が未熟で、終生免疫が得られず、幼児期に帯状疱疹になりやすいといわれます。

 

 

水痘・帯状疱疹ウイルスの感染力は強く、飛沫(ひまつ)あるいは直接接触により伝染するため、幼稚園、保育園、学校などでしばしば水ぼうそうとして流行します。

 

 

これまで帯状疱疹の治療は、発疹が生じて神経の炎症による痛みが起きる時期には鎮痛剤で痛みを抑え、さらに皮膚症状が消えても神経の変性による痛みが残ったときには神経ブロック療法で痛みをとり除くという対症療法が中心でした。

 

 

ところが現在では、初期の段階から抗ウイルス剤が使われるようになっています。経口の抗ウイルス剤によって、ウイルスの増殖が抑えられるため、早く治癒し、痛みもすみやかにとれるようになるからです。

 

 

初期に投与したほうが効果が高いので、なるべく早めに皮膚科に行くことが大切です。また、顔面に症状が出た場合、角膜の病変や顔面神経麻痺を生じることがあるので、眼科や耳鼻科で診てもらう必要があるでしょう。

 

 

 

帯状疱疹後神経痛

 

帯状疱疹にかかった後、慢性的に痛みを訴える人がいます。これはウイルスによって痛めつけられた神経が修復されず、変性が起こるためで、帯状疱疹後神経痛とよばれます。

 

 

ビリッと電気が走るような痛みやしめつけるような痛み、虫がはっているような嫌な感覚が続いたりします。

 

 

帯状疱疹が治った後に痛みが出るのは、50歳以下で10~30%、それ以上の年齢では90%にみられるともいわれます。

 

 

治療法は鎮痛剤、抗うつ剤、抗けいれん剤、トランキライザー、漢方薬などを服用するほか、神経ブロック、ドライアイスによる皮膚凍結法、低出力レーザーとさまざまです。また、イオン化した薬剤を染み込ませたパッドを局所に貼り、微弱電流を通電し、皮膚の表面から薬剤を浸透させるイオントフォレーシスなどもあります。

 

帯状疱疹・単純性疱疹の発疹の経過

 

帯状疱疹・単純性疱疹の発疹の経過

 

最初赤い斑点ができ(①)、やがて中に水様液を含む水疱となります(②)。その後、膿疱化して治癒期に入ります(③)。

 

 

 

 

 

生活上の注意

 

日頃から抵抗力のアップを心がける

 

単純性疱疹は、露出部に水疱がある場合、水疱が完全に乾燥しない間は、そこにウイルスが存在し感染力があります。

 

 

家庭で薬を塗るときには、前もって病変部をせっけんでよく洗浄します。また、塗布後は手をよく洗いましょう。特に小水疱が破れたときにはティッシュで吸いとるとともに、よりていねいな手の洗浄が必要です。

 

 

また、保育園、幼稚園や学校などで、ほかの子どもたちに感染しないように、園や学校を休ませる配慮も必要です。

 

 

出席する際は、マスクをして、体育や課外活動でからだが触れ合うようなスポーツは避けます。

 

 

帯状疱疹になったら基本的に安静を保つようにし、体力の消耗を避けなければなりません。

 

 

しかし、痛みを感じる場合、からだを温めると血行がよくなり痛みが軽快するので、ぬるめのお風呂にゆっくり入るのがよいでしょう。ただし、医師に入浴してもよいか確認してからにします。

 

 

多くの人が水痘・帯状疱疹ウイルスをもっているので、帯状疱疹の予防は難しいのですが、子どもがかかっても症状は軽いのでほとんど心配はいりません。しかし、受験期の小中学生に増えているという報告もありますから、規則正しい生活、バランスのとれた食事をする、からだを鍛えるなどして、日ごろから抵抗力を高めておきましょう。

 

 

どういう人が帯状疱疹にかかりやすいのですか?

20代で帯状疱疹にかかった人を調べた例では、80%がアレルギー体質の人やアトピー素因をもっている人、つまりアレルギー性鼻炎アトピー性皮膚炎、ぜんそくなどがある人だったと報告されています。

 

アレルギー体質の人やアトピー素因をもっている人は細胞性免疫が一般の人より落ちている傾向があるためと考えられます。

 

 

また50代の人では糖尿病やがんなどの合併症が発見されることがあります。50代以上の人が帯状疱疹になったときは一度、精密検査をしたほうがよいでしょう。一般に、アレルギー体質であったり、糖尿病などの基礎疾患をもっている人がかかりやすいといえるようです。

 

妊婦が単純性疱疹にかかっている場合、出産にどのような影響がありますか?

単純性疱疹の原因となる単純ヘルペスウイルスには、Ⅰ型とⅡ型があります。子どもに多いⅠ型は皮膚、粘膜、中枢神経に感染しますが、Ⅱ型は性器に感染します。

 

 

妊娠末期、性器ヘルペスにかかっていると、出産時に子どもに感染することがあるので、帝王切開での出産が必要となることもあります。再発型性器ヘルペスの場合は、定期的に検査をし、出産時にウイルス陽性のおそれがあれば、母親に抗ウイルス剤の全身投与を行います。

 

単純性疱疹も帯状疱疹も体力が低下しているときに発症しやすくなるので、日ごろから運動をしてからだづくりに努めましょう。

 

 

感染症の場合、他人への感染に気をつけなければなりません。特に患者のまわりに新生児や乳児、妊婦がいるときは注意が必要です。

 

 

単純性疱疹に感染して新生児疱疹になると、生命の危険さえ出てきますし、妊婦の場合も感染が原因で流産などを引き起こすケースもあるからです。

 

 

いずれにせよ、早く医師にかかり治療するとともに、日常生活でのアドバイスを受けることが大切です。

 

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