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アトピー性皮膚炎の治療 (ステロイド・内服薬・漢方・海水浴・PUVA療法)

目次

 


 

アトピー性皮膚炎の治療

 

アトピー性皮膚炎の治療 (ステロイド・内服薬・漢方・海水浴・PUVA療法)

 

まず炎症を抑える

 

もっとも一般的な治療法は、副腎皮質ホルモン薬(ステロイド薬)の外用と、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の内服です。

 

副腎皮質ホルモン薬以外に、非ステロイド系の消炎外用薬もあります。

 

 

食物アレルギーが明確な場合は、アレルゲンの食物を口にしない除去食療法を行います。一定期間除去すると、その食物に対して耐性が獲得され、やがて食べても大丈夫になります。

 

皮膚の汗や汚れをていねいに落としたりするスキンケアも欠かせません。

 

 

こうした一般的な治療法のほかにもたくさんの方法が試みられ、それぞれ成果をあげています。

 

 

薄めたアレルゲンを長期間にわたって繰り返し皮下に注射し、抵抗力をつけるのが減感作療法(体質改善療法)です。

 

アトピー性皮膚炎の背景にストレスがあると考え、心身医学的な治療を行う場合もあります。ストレスに気づき、リラックス法を身につけると治ることもあります。

 

 

日光浴でもアトピー性皮膚炎が軽快するといわれています。これを一歩進めて、人工紫外線照射装置を使い、人工的に日焼けを起こすことで炎症を抑えるのが光線療法です。

 

また、海水浴により、日光浴と同時に、海水による洗浄、殺菌効果を期待する海水浴療法も行われています。

 

 

エイコサペンタエン酸(EPA)が多く含まれるイワシ、サンマなど青魚を食べるようにすると、アレルギーによる炎症が抑えられるといわれ、EPA製剤を内服する治療法もあります。

 

ほかに、腸内のカビを退治する抗真菌剤を内服する治療法や、漢方療法も行われています。

 

 

ステロイド薬によるアトピー性皮膚炎の治療

 

医師と相談して最適なものを

 

ステロイド薬によるアトピー性皮膚炎の治療ステロイド薬に副作用があることは、広く知られています。副作用としては、紅斑、発疹などアトピー性皮膚炎の症状がかえって悪化する場合や、白内障緑内障になりやすくなることがあげられます。

 

しかし、アトピー性皮膚炎の症状に一番よく効果を発揮するのがステロイド薬であることも、また事実です。この薬については、正しい知識をもち、医師とよく相談しながら使うことが大切です。

 

 

ステロイドは、からだの中でつくられている副腎皮質ホルモンのひとつなので、副腎皮質ホルモン薬ともよばれています。

 

この薬は、皮膚に塗って使う外用薬として処方されるのがふつうですが、症状が全身に出て、きわめて重い状態のとき、まれに短期間、内服薬として使われることもあります。

 

外用ステロイド薬には、作用の強さによって5段階の薬があり、ステロイドを溶かし込む基剤によって、軟膏、クリームなどいろいろなタイプがあります。医師は患者の症状に合わせて、最適と思われるものを処方します。

 

 

アトピー性皮膚炎の患者は、皮膚に炎症を起こしているため、皮膚が本来もっているバリアー機能が低下しています。

 

そこでダニなどのアレルゲンが簡単に侵入してしまい、ますます症状を悪化させるという悪循環におちいっているのです。

 

 

ステロイド薬は、皮膚の炎症を抑える強い働きがあるので、皮膚の症状は比較的短期間で、いったんよくなります。

 

最近は、副作用のことを考え、この時点でステロイド薬をやめるように勧める医師も多いようです。

 

 

ここで大切なのは、アレルゲンをきちんと特定し、生活環境から排除すること、スキンケアを怠らないことです。これをおろそかにすると、アトピー性皮膚炎が再発してしまいます。

 

再発した場合に、ステロイド薬を再び使うかどうかは、判断がむずかしく、医師とよく相談しましょう。

 

また、ステロイド薬は、アトピー性皮膚炎の原因に対して効果があるのではなく、あくまで皮膚症状をよくするにすぎません。

 

対症療法のひとつですから、塗っただけでは完治しないことを認識しておく必要があります。

 

 

内服薬によるアトピー性皮膚炎の治療

 

抗ヒスタミン薬

かきむしって症状を悪化させないよう、かゆみ止めとして用いられます。

 

眠気、だるさ、口内のかわきなどの副作用があります。

 

抗アレルギー薬

ヒスタミンなどの化学物質の遊離を防いでアレルギー反応を抑える薬です。

 

抗ヒスタミン作用があるタイプとないタイプに分けられ、治療には前者がよく使われます。副作用は、眠気、だるさ、肝障害などです。

 

ステロイド薬

皮膚や粘膜の炎症を抑えますが、ムーンフェイス、色素沈着、白内障などの強い副作用があります。

 

急に服用を中止すると、症状の悪化などのリバウンド現象を起こすこともあります。しかし、重症の場合、適切に使われれば、めざましい治療効果が上がる薬といわれています。

 

アトピー性皮膚炎の漢方療法

 

アトピー性皮膚炎に対して、漢方療法が効果的なことがあります。漢方療法は、各患者の体質や皮膚のようすを見極めて、それぞれに合った漢方薬を処方します。

 

とくに成人の患者の場合は、症状がこじれているケースが多いので、試してみる価値があります。

 

よく使われる漢方薬は、白虎加人参湯、治頭瘡一方、黄連解毒湯、柴胡清肝湯、消風散などです。外用剤としては、太乙膏、紫雲膏などが使われています。

 

漢方治療は、それ単独ではなく、西洋医学的治療と並行して行う場合もあります。

 

アトピー性皮膚炎の海水浴療法

 

アトピー性皮膚炎の患者は、海水浴に行くと、海水がしみたり日焼けをしたりして、一時的に症状が悪くなることが少なくありません。

 

ところが、3、4日するとかゆみがなくなり、湿疹もよくなります。なかには、劇的に改善するケースもあります。

 

これには、海水によって皮膚が洗浄、殺菌されたこと、紫外線による作用などのほか、心理的な影響も考えられます。

 

深さ320mの海中からくみ上げた深層水を利用した治療法も試みられています。深層水は太陽の光が届かないため、細菌がふつうの海水に比べてきわめて少ないという特徴があるのです。

 

PUVA療法

 

特殊療法にPUVA療法(光化学療法)があります。Pはソラレン(psora 1 en)という光を感じやすい物質の頭文字で、UVAは波長が長い紫外線を表します。

 

ソラレンを患部に貼るか、服用したうえで、UVAを2~3週間毎日、5分間照射すると、60~80%のアトピー性皮膚炎に効果があるとされます。

 

成人のアトピー性皮膚炎では効果がありますが、子どもではかえって悪化するケースもみられ、現在は、15歳以上の治りにくいアトピー性皮膚炎の治療に用いられています。

 

PUVA療法は保険適用されており、皮膚科の病院などにいけば、1回700円ほどでできます。

 

 

塗り薬を塗るときのポイント
  • :シャンプー後、皮膚に湿り気のあるうちに薬を塗ったほうが効果があります。
  • :乾燥しやすいのでまめに塗りなおします。
  • からだ:症状の軽いところと重いところが混在するときには、薬効の弱い薬を広く塗り、症状の重いところに強い薬を使います。
  • :洗った後は治療薬あるいは保湿クリームを塗ります。
  • :乳幼児は特にしわをよく広げて塗ります。皮膚が薄い部位なので強いステロイド剤を長期間使用すると副作用が出やすいといわれています。ワキの下:皮膚が薄いところなので、弱い薬を使います。
  • :帰宅したら必ず足を洗い、薬を塗ります。汚れた靴下を長くはかないようにします。

薬は汗をかいたり、着替えをしたり、ふいたりするだけで落ちてしまいます。はがれては薬は効きませんから、何度も塗りなおすことが大切です。また、首すじや外陰部などの敏感な部分には必ず医師の処方した薬を使用します。

 

いろいろなアトピー性皮膚炎の治療法があるようですが、どれを選べばよいのでしょうか?

はじめは、ステロイド薬の外用と抗アレルギー薬の内服といった治療を受けるとよいでしょう。治療法は、人によって非常に効果のあるものですが、万人向きでない場合があります。

 

また、一時的に効果があっても、その後、再発してしまうケースも少なくありません。どうしても治らなければ、新しい治療法に挑戦するのもいいでしょう。

 

通院できる範囲内で、信頼できる医師を見つけることが大切です。

 

ステロイド薬の外用剤を処方されましたが、副作用が心配です。

ステロイド薬の外用剤は、内服薬とちがい全身的な副作用はあはせんが、つけた場所に副作用が現れることがあります。顔や首は薬の吸収がよく、副作用の出やすい場所です。

 

したがって、この部分にはあまり強いステロイド薬を使わないのがふつうです。

 

 

ステロイド薬は、短期間使って症状をいったんとり、その後、弱いステロイド薬か非ステロイド系の消炎外用薬に切り換えていきます。

 

ステロイド薬はなるべく短期間しか使わないように医師も考えていますが、副作用をおそれるあまり、使うべきときに使わないと、かえって使用期間が長引いてしまうこともあります。自己判断せず、医師によく相談してください。

 

アトピー性皮膚炎の治療には、たいへん時間がかかります。乳幼児の場合は、思春期になれば自然に治るだろうと楽観的に考えて、あせらないことです。成人でも、症状を悪化させないようにして、気長に病気に対処してください。

 

専門の医師によく相談しながら、治療を続けていきましょう。

 

 

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