トップへ戻る

アレルギー性鼻炎の治療効果と副作用

目次

 


 

アレルギー性鼻炎の治療

 

アレルギー性鼻炎の治療効果と副作用

 

アレルギー性鼻炎の治療の基本は、生活環境からアレルゲンをとり除くことです。アレルゲンをできる限り排除することが、治療の第一歩です。

 

たとえば、一番多いアレルゲンであるハウスダストを取り除くには、晴れた日には窓を開けて陽光を取り入れ、室内に風を通します。

 

床はフローリングが理想的です。掃除をまめに行い、ハウスダストの中に含まれる目に見えないダニを駆除します。

 

 

食物性アレルゲンに関しては、素人判断で制限すると、成長期の子どもは栄養不足による成長障害を起こす危険性があります。必ず専門の医師に相談し、指導を受けてください。

 

以上の生活改善をしたうえでの主な治療法は、減感作療法、薬物療法、手術の3つです。

 

 

アレルギーというと「治らない」と思う人が多いようですが、治る可能性は十分にあります。

 

特に学童期前に発症した場合は、小学校高学年から中学生にかけて、自然に治ってしまう例も多く報告されています。

 

 

いずれにしても、長期間の治療と経過観察が必要になるので、気長に取り組みましょう。治療を始めてしばらくすると一時的に症状がおさまることがありますが、再発しやすいので、医師の許可があるまでは通院を続けます。

 

医師は長期の計画を立てて治療に臨んでいますから、勝手な転院は避けたいものです。

 

 

症状をコントロールするためには、薬物療法や、アレルゲンに対するからだの抵抗力を高めて症状を抑える減感作療法が行われます。

 

 

アレルギー性鼻炎の減感作療法

 

減感作療法は、濃度の薄いアレルゲンのエキスを少量注射し、次第に濃度と量を増しながら、アレルゲンに対するからだの抵抗力を高めて症状を抑える方法です。

 

薬物療法の場合は、治療を中断すると症状が再発することが多いのですが、減感作療法を行うと治療をやめた後も効果が長く続きます。

 

 

減感作療法によって症状が治まるメカニズムは、詳しく解明されていませんが、アレルゲンとIgE抗体の反応を抑制する、血中のIgE抗体を減らす、化学伝達物質を遊離しにくくするといった作用の結果と考えられています。

 

症状がまったく現れなくなったという人から薬が効きやすくなったという人まで、治療効果はさまざまですが、ハウスダストが原因の通年性アレルギー性鼻炎に対しては、70~80%という高い有効率が出ています。

 

 

季節性アレルギー性鼻炎に対する有効率は約20%ですが、アレルゲンエキスの改良が進んでいるので、今後、治療効果が上がることが期待できます。

 

ただし、最初のうちは週に1~2回注射をしなければならず、その後も定期的な通院を3年以上続ける必要があります。

 

アレルギー性鼻炎の外科療法

 

鼻閉が重症で、薬物療法では改善されない場合に選択される治療方法です。腫れて厚くなった鼻粘膜を切除したり収縮させて、アレルギー反応が起こる部分を減らして症状を抑えます。

 

メスで鼻粘膜を切り取る下鼻甲介粘膜切除術、レーザー光線を照射するレーザー手術、高周波の電気で凝固する電気凝固法、化学薬品で鼻粘膜を収縮させる化学焼灼法などがあります。

 

レーザー手術や電気凝固法は局所麻酔ですみ、入院の必要もありません。患者の身体的な負担が少ないので、広く行われるようになっています。

 

 

外科療法ではありませんが、鼻粘膜の血行を促して腫れを改善する星状神経節ブロック療法が効果を上げるケースもみられます。

 

アレルギー性鼻炎の薬物療法

 

薬物療法で広く使用されている薬は、化学伝達物質遊離抑制薬や新しい抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬と、ステロイド薬です。

 

化学伝達物質遊離抑制薬は、IgE抗体の産生を抑制したり、鼻粘膜の神経や血管に作用する化学伝達物質の放出を抑えるものです。すでに現れている症状に対する即効性は少ないため、予防的に用いられます。

 

 

通年性アレルギー性鼻炎の場合は毎日規則的に服用し、季節性(花粉症)の場合には花粉が飛散するシーズンの2~4週間前から使用します。

 

 

抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンと、神経や血管のヒスタミン受容体との結合をブロックすることで症状を抑える、即効性の高い薬です。

 

副作用としては、眠気や全身倦怠感などがあげられます。

 

 

ステロイド薬は、アレルギー反応による炎症に対して強力な鎮静効果を発揮します。

 

抗アレルギー薬があまり効かないときに処方されますが、経口薬の場合、消化性潰瘍や感染症、不眠やうつ状態など、さまざまな副作用を招く可能性もあります。

 

アレルギー性鼻炎の場合、1回の使用量が少なくてすむことから、鼻の中に噴霧するタイプが用いられるのが一般的です。

 

 

アレルギー性鼻炎の治療薬の効果と副作用

 

治療薬の種類

効果

副作用

化学伝達物質遊離抑制薬

IgE抗体の生産を抑えたり、肥満細胞から化学伝達物質が放出されるのを抑制する 口渇、吐き気・嘔吐、胃腸障害、眠気、頭痛、倦怠感など

抗ヒスタミン薬

血管を拡張したり、組織に炎症を起こしたりするヒスタミンという化学物質の作用を抑える。くしゃみ、鼻汁に即効性がある 眠気や倦怠感をもよおすが、以前に比べて副作用は弱くなっている。緑内障や前立腺肥大の人は使用できない

ステロイド薬

アレルギー反応と、反応によって起こった炎症を抑える。経口薬と鼻局所噴霧薬があるが、即効性があり、副作用の少ない後者がよく用いられる 緑内障、じんましんなどの過敏症、鼻の中の刺激感、鼻時など。感染症、消化性潰瘍、不眠・うつ状態などの重い副作用は、鼻局所噴霧薬ではほとんどみられない。

非特異的刺激療法薬

注射やスプレーで繰り返し投与されると、減感作療法のような効果を発揮する 発熱などの過敏症

点鼻用局所血管収縮薬

血管を収縮させて鼻粘膜の炎症を抑え、鼻閉に効果がある 頻繁に使うと効果が低下しやすく、鼻粘膜が逆に腫れあがることがある。過敏症や血圧上昇がみられることもある

抗コリン性点鼻薬

鼻の中に噴霧すると、副交感神経の作用を抑制して鼻汁の分泌を抑える 頭痛、めまい、吐き気・嘔吐など

漢方薬

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、葛根湯(かっこんとう)などが有効。アレルギーに特異的ではないが自律神経のバランスを整え、症状を穏やかにやわらげる 副作用が少ないので、ほかの薬と併用して補助的に用いられることが多い

 

 

スポンサーリンク

 

 

関連ページ

【鼻と嗅覚の異常】 の原因・治療・予防|嗅覚の異常の多くは、鼻づまりや鼻粘膜の炎症
鼻の病気や外傷だけでなく、全身的な疾患によって鼻や嗅覚に異常が起こることもあります。鼻に異常があると、鼻の機能が低下するだけでなく、集中力がなくなったり、睡眠が妨げられるなど、日常生活に影響を及ぼしがちです。また、鼻の疾患が原因で、ときには頭痛のほか発熱といった全身的な症状が現れます。
【鼻炎】 アデノイド肥大、細菌ウイルス、アレルギーが原因?鼻炎の種類・原因・症状・治療・予防について
鼻粘膜の炎症をまとめて「鼻炎」とよんでいますが、鼻炎にもいろいろあります。そのなかでも「急性鼻炎」「慢性鼻炎」「アレルギー性鼻炎」は子どものかかりやすい代表的なものです。鼻炎の原因や治療法、予防についてのサイトです。
【アレルギー性鼻炎】 種類や原因となるアレルゲンの種類
アレルギー性鼻炎は、通年性アレルギー性鼻炎と季節性アレルギー性鼻炎に分類されます。アレルギー性の鼻炎では花粉症が有名ですが、室内にあるちりやほこり、いわゆるハウスダストは、アレルギー性鼻炎の最大の原因となっています。最近では、ハウスダストとスギ花粉が原因となるケースが増えています。
【アレルギー性鼻炎】 原因・症状・検査|アレルギー体質と遺伝、ストレスとのかかわり
アレルギー性鼻炎の発症や、症状の現れ方には、生活習慣が大きく影響します。また、精神的・肉体的ストレスとのかかわりも指摘されています。原因には室内のちりやほこりのことで、ダニの死骸やふん、人間の垢やふけ、毛髪、ペットの毛、衣服・寝具・じゅうたんの繊維くず、食物のくずなどのハウスダストがあげられます。
【アレルギー性鼻炎】 予防の基本は、アレルゲンを突きとめて生活環境からとり除く
アレルギー性鼻炎の予防の基本は、アレルゲンを突きとめて生活環境からとり除くことです。アレルゲンの排除と並んで、からだを強化することもアレルギーの改善には必須です。皮膚を刺激したり、適度な運動を続けることが、症状の軽減に役立ちます。
【花粉症】 くしゃみ、鼻水、目のかゆみといった症状が現れる花粉症の原因・症状・診断
花粉の飛散がなくなれば、症状もおさまりますが、自然治癒はあまり期待できません。治療や予防策を講じないと、次のシーズンにまた症状が出ます。花粉症は適切な予防策を講じれば、症状を軽く抑えることができます。
【花粉症】 花粉症の治療・予防|花粉症に効くツボ|花粉予報
花粉症の治療には、花粉の飛散前から薬を服用する予防的治療と、症状が出てからの対症療法があります。また、花粉が飛散するシーズン前に花粉予報で調べ、ツボの指圧を始めておくと効果的です。
【鼻水・鼻づまり】 の原因・治療・予防|多くは鼻の粘膜の炎症が原因です
鼻水・鼻づまりの原因の多くは鼻の粘膜の炎症が原因です。重症になると、頭痛や嗅覚障害などを伴います。急性鼻炎や単純性鼻炎、萎縮性鼻炎では、腫れをとる薬や炎症を抑える薬を鼻粘膜に直接塗布したり、薬剤を霧状にして噴霧し治療します。
【嗅覚障害】 の種類・原因・症状・検査・治療・対策|多くは鼻づまりが原因
嗅覚障害の多くは鼻づまりが原因ですが、背後に重い病気が隠れていることもあります。嗅覚障害は、症状とにおいの伝達経路の障害部位によって分けられます。異常を感じたら、耳鼻咽喉科で診察を受けましょう。

このページの先頭へ戻る