トップへ戻る

腱鞘炎の原因・症状・診断

目次

 


 

こんな症状に注意
  • 手の指の曲げ伸ばしで指の関節に痛みを感じますか?
  • 指のつけ根の手のひら側に、圧痛や硬いしこりがありますか?
  • 手の指が曲がったまま、なかなか伸ばせない状態ですか?
  • 曲がった手の指を無理に伸ばすと、パチンと音がして弾かれたように伸びますか?
  • 手首の親指側にある骨の突起のところを押すと痛みますか?

 

正しい診断に基づき適切な処置を受ければ、心配のない病気です。痛むときは無理をせず、できるだけ手を休めましょう。

 

【腱鞘炎】親指のサポーター「うすサポ」左右兼用【メール便送料無料】

 

腱鞘炎とは?

 

腱鞘炎の原因・症状・診断

 

腱をとりまくさやに炎症が起こる

 

腱は筋肉と骨をつないでいるひも状の丈夫な組織で、俗にすじといわれています。

 

手足の腱はほかの部位の腱より長く、トンネルのような形をしたさやに入っています。

 

このさやが腱鞘で、関節を曲げるときに腱が浮き上がるのを押さえたり、腱の動きをスムーズにする働きをします。

 

 

腱鞘炎とは、腱鞘が炎症を起こして腫れたり、痛んだりする病気で、中高年の女性、特に50代の閉経後の女性に多くみられます。

 

 

腱鞘を備えているのは手足の関節です。腱鞘炎は腱鞘のある部位なら、一応どこにでも起こる可能性があります。

 

まれにくるぶしの後ろなど足首の周辺に腱鞘炎が起こるケースもみられますが、大部分が手の病気といってよいでしょう。

 

 

手のなかで腱鞘があるのは、各指と手のひら、手首だけです。

 

したがって、手の腱鞘炎は手首から先の部分にしか起こりません。ほとんどの場合、指か手首のどちらかです。

 

 

ところが、一般にはより広い意味でこの病名が使われていて、痛む部位が手首の上から肘までの前腕部であっても、手の使いすぎによるものなら腱鞘炎と考える人が多いようです。

 

しかし、実際には前腕部には腱鞘はないので、厳密にいえばこれは腱炎、あるいは腱周囲炎です。

 


 

腱と腱鞘の仕組み

 

手のひら側の腱鞘

手の甲側の腱鞘


 

手の腱鞘は、各指は手のひら側、手首は手のひらと甲の両側、さらに手のひらの中央部にあり、繊細で複雑な動きを伝える腱を保護しています。

 

 

腱鞘は外側に線維鞘、その内側に袋状の滑液鞘が接する2層構造になっており、腱は滑液鞘にくるまれています。

 

線維鞘は指の屈伸を行う屈筋腱や伸筋腱、外転筋腱などが浮き上がらないよう押さえる働きをし、内部が滑液(関節液)で満たされた滑液鞘は腱の動きをなめらかにします。

 

手の使いすぎといった機械的な刺激や感染などによって腱鞘に炎症が起こると、腱の動きが制限されます。腱鞘炎を起こしやすいのは指の屈筋腱、長母指外転筋腱、短母指伸筋腱の腱鞘です。

 


 

腱鞘炎の原因と分類

 

多くは機械的刺激で起こる狭窄性腱鞘炎

 

最もよくみられるのは、腱鞘が厚くなって腱がすべりにくくなる通過障害を起こす狭窄性腱鞘炎です。

 

ほかに、リウマチ性、結核性、化膿性の腱鞘炎など何らかの病気によって起こるものがあります。

 

狭窄性腱鞘炎

 

腱や腱鞘は、同じ動作を何度も行うと、強い力が同じ部分に持続してかかり、その状態がたび重なることにより、炎症を起こします。

 

炎症を繰り返すと症状は慢性化し、腱鞘が厚くなってトンネル内の空間が狭まり、その結果、腱の動きが妨げられ、痛みや機能障害が起こるのです。

 

 

狭窄性腱鞘炎は手の使いすぎによって起こることが多く、コンピューターのキーボードを長時間操作する人によくみられます。

 

テニスやバドミントンなどラケットを使うスポーツのしすぎが原因になることもあります。そのほか、手芸、ペン字、書道による場合のほか、職業として楽器を演奏するピアニストなどにもみられます。

 

 

しかし、同程度に手を使っても、腱鞘炎になる人と、ならない人がいます。腱鞘と腱の太さのバランスには個人差があり、こうした体質も関係していると推測されています。

 

狭窄性腱鞘炎というのは、いくつかの病態の総称です。

 

代表的なものとしては、利き手の親指によく起こるバネ指と、手首の腱鞘炎であるド・ケルバン病があげられます。

 

何らかの病気によって起こる腱鞘炎

 

ほかに原因となる病気があって起こる二次的な腱鞘炎で最も多いのは、関節リウマチによるものです。

 

関節リウマチは関節の滑膜に炎症が起こる病気であり、病変が腱周囲の関節にあれば腱鞘炎を併発します。

 

 

アミロイドという線維タンパク質がさまざまな臓器に沈着するアミロイドーシスという病気では、アミロイドの沈着によって腱が太くなり、腱鞘炎を起こしやすくなります。

 

このほか、感染に続いて起こる場合があります。

 

結核病巣からの感染によるものは結核性腱鞘炎、傷から病原菌が侵入して発症するものは化膿性腱鞘炎とよばれています。

 


 

腱鞘炎の症状

 

バネ指または手首の突起部痛が特徴的

 

腱鞘炎に共通する症状は局所の圧痛ですが、ほかに、指の腱鞘炎ではバネ指、ド・ケルバン病では橈骨(とうこつ)茎状突起痛という特徴的な症状がみられます。

 

バネ指

 

指が曲がったまま伸びなくなり、無理に伸ばそうとするとパチンと音がして急に伸びてしまう症状をバネ指、あるいは弾発指といいます。

 

バネ指は、このような症状を示す病態の名称としても用いられています。

 

 

手の各指には、指の曲げ伸ばしをする屈筋腱が走っています。

 

この腱はしっかりとした腱鞘で保護され、スムーズな動きで複雑な指の運動に対応しています。

 

 

しかし、炎症によって腱鞘が肥厚し、内腔が狭くなれば、腱が動くたびに摩擦が生じます。

 

腱はいつもしごかれている紐のようなもので、これが続くうちに、腱に団子状の硬いしこりができ、腱鞘の入り口で引っかかるようになります。

 

こうして腱の動きが妨げられ、指が曲がったまま伸びなくなるのがバネ指です。

 

 

無理に伸ばそうとすると、引っかかりがはずれてしこりが勢いよく腱鞘内に入り、急に指が伸びて、パチンと音がします。

 

バネ指は、朝、起きたときによくみられます。最も起こりやすい部位は親指で、全体の約半数に達します。

 

残る半数はほとんどが中指と薬指で占められ、人さし指と小指に起こることはあまりありません。利き手に多く、複数の指に同時に起こるケースもみられます。

 

 

指の腱鞘炎の初期症状は、指の曲げ伸ばしの際の関節痛です。

 

手のひら側の指のつけ根に圧痛や、硬いしこりを感じることもあります。これが進行するとバネ指になり、さらに進むと指の曲げ伸ばしができなくなります。

 

バネ指は使用頻度の高い利き手の親指に多く起こります。曲げた指が伸ばしにくくなり、悪化すると曲がったまま伸びなくなります。

 


 

乳幼児の弾発母指

 

バネ指は、乳幼児にもみられます。生後2~3か月たったころ、親指が曲がったままになっているのに母親が気づくケースがほとんどです。

 

乳幼児のバネ指は、胎児のときに握っていた親指の腱と腱鞘が、成長していくにつれ、太さに不適合を生じるのが原因です。

 

このため、腱が繰り返ししごかれて部分的に太くなり、通過障害を起こします。ただし、成人のバネ指と違って炎症ではなく、腱鞘の肥厚もありません。

 

 

腱鞘を切開すればすぐに治りますが、4~5歳までに自然治癒する例が多く、手術を急ぐ必要はありません。親指を伸ばして「あてこ」という装具をつけると、たいてい2~3か月で治ります。

 

治らない場合は手術をすることもありますが、少なくとも1歳までは経過を観察するだけで十分です。

 

手術は成人と同様、局所麻酔をかけて腱鞘を切開します。炎症ではないので、消炎鎮痛薬は用いません。

 

ド・ケルバン病

 

狭窄性腱鞘炎のなかで最も起こりやすいものがド・ケルバン病で、橈骨茎状突起痛はその特徴的な症状です。

 

手首の親指側にある骨の隆起を橈骨茎状突起といい、その部分に圧痛があり、親指を開いたり閉じたりすると痛みます。

 

 

手首の親指側には、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱という2本の腱が走っており、指を曲げたり伸ばしたりしています。

 

この腱を使う動作をしすぎると、腱を包む腱鞘が炎症を起こし、腱鞘が肥厚してその周辺が腫れて熱をもったり、痛むようになります。

 

 

ド・ケルバン病は中高年女性だけでなく、妊娠中や出産後にも起こりやすいという特徴があります。

 

このことから、ホルモンバランスの変化と関係があるのではないかとも考えられていますが、詳細はわかっていません。

 

また、妊娠中はからだがむくみやすく、腱がむくんで腱鞘との間が狭くなり、通過障害を起こすと推測されます。

 

出産後は赤ちゃんを抱き上げるなど、それまでとは違う手の動作をすることが原因とも考えられます。

 


 

腱鞘炎の診断

 

局所麻酔薬の注射で確定診断

 

問診、視診、触診における圧痛の症状などにより、ほぼ診断がつきます。

 

バネ指は、診察時に指が曲がっていなくても、指を屈伸させると、きしむような雑音やパチンと弾ける音がするのでわかります。

 

 

重症の場合は指が曲がったままで、無理に伸ばそうとすると激痛を伴います。

 

ド・ケルバン病の診断には、その場で簡単にできるフィンケルシュタイン・テストがよく行われます。

 

フィンケルシュタイン・テスト

 

フィンケルシュタイン・テスト

 

ド・ケルバン病の診断に用いられる簡単なテストです。

 

親指を握り込んでこぶしをつくり、小指の方向に曲げます。手首の親指側にある腱を引っ張るようにするわけです。

 

ド・ケルバン病であれば激痛が走ります。症状が重い場合は、親指を握り込むこぶしがつくれないこともあります。

 

こうした診察やテストで腱鞘炎が疑われたら、炎症を抑える少量の副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)と、鎮痛のための局所麻酔薬を患部の腱鞘内に注射します。

 

すぐに痛みが消えるようなら腱鞘炎です。痛みの消失は麻酔薬の作用によりますが、この注射をきっかけに軽快することもあり、治療を兼ねて行われます。

 

 

痛みがとれない場合は手関節炎、変形性手関節症など手関節内の病変を考えます。

 

ほかの腱炎や骨の病気との鑑別のために、X線検査やCT(コンピューター断層撮影)、MRI(磁気共鳴映像法)を行うこともありますが、通常は必要ありません。

 

 

スポンサーリンク

 

 

関連ページ

【外反母趾】 足の親指が小指側に曲がってませんか?外反母趾の原因・症状・診断
外反母趾は、つま先のとがったハイヒール・パンプスの愛用者に多くみられる足指の変形です。自分の足に合った無理のない靴を履くことが一番の予防になります。
【外反母趾】 外反母趾の治療法と予防(自分の足に合った靴を選ぶ)
軽症の場合には、適切な靴選びや装具の利用、変形を矯正する体操などの保存的療法を行います。これを数か月続けても効果がないときや、重症の人、再発を繰り返す人などには手術が行われます。
【腱鞘炎】 腱鞘炎の治療 指や手首に痛みを感じたら、無理をせず手を休ませましょう。
痛むときは、装具を利用したりして手の安静を保つことが第一です。ただし、薬物療法などの保存的治療を続けているにもかかわらず症状が改善しない場合は、手術を行います。腱鞘炎は、患部の安静を保つだけで自然治癒することも多い病気です。指や手首に痛みを感じたら、無理をせず、手を休ませましょう。
【O脚・X脚】 O脚・X脚の原因・症状・治療・検査
O脚とX脚はともに幼児期によくみられる脚の変形ですが、最近は特に美容上の理由から整形外科に子どもを連れていく親が増えてきました。扁平足は足の裏の土踏まずが正常に形成されていない状態で、O脚とX脚と同様に幼児の成長段階には多いものです。
【扁平足】 扁平足の原因・症状・治療・検査
全体重をかけてまっすぐ立ったとき、足の裏が平らで、くぼみがほとんどみられない状態を、扁平足といいます。扁平足は足の裏の土踏まずが正常に形成されていない状態で、O脚とX脚と同様に幼児の成長段階には多いものです。
【足の痛み】 の原因・治療・予防
足に痛みを感じるのは、骨、筋肉、皮膚などに何らかの異常が生じているサインです。体重を支え運動する機能が損なわれることのないよう、原因を知り、適切な処置をとらなければなりません。
【手の疾患】 外傷・神経の損傷・炎症・腫瘍
手の外傷:切創や裂創、捻挫、骨折、脱臼、筋肉と腱の損傷。手の神経の損傷:神経絞扼症候群、フォルクマン拘縮。手の炎症:急性化膿性炎症、腱鞘炎、変形性関節症、リウマチ病変。手の腫瘍:ガングリオン、類上皮のう腫
【爪のトラブル】 形状(縦すじ横すじ)や色の異常
一時的に体調が悪くなると、爪に横線のすじやでこぼこができることがあります。縦線のすじは加齢によってできるものですが、病気やダイエットでからだがやせたときにもみられます。
【手足の痛みとしびれ】 の原因・治療・予防・伝わり方・検査
手足の異常で一番多い訴えは、痛みとしびれです。痛みは、関節痛や筋肉痛、神経痛として感じることが多いようです。これらの痛みは、けが、筋肉や関節の使いすぎなどでも起こりますし、全身の病気の一症状としても出てきます。

このページの先頭へ戻る