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二次性高血圧の種類と原因・検査と診断・予防

目次

 


 

二次性高血圧は本態性高血圧に比べて、軽症のうちから自覚症状が現れやすい

 

血圧の高い状態が長期間続くと、動脈硬化が進んで、脳や心臓、腎臓などに障害が生じます。その結果、狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患、脳梗塞をはじめとする脳血管障害が起こりやすくなります。

 

重症の高血圧である悪性高血圧になった場合は、放置すれば生命にかかわるケースまであります。

 

二次性高血圧は本態性高血圧に比べて、軽症のうちから自覚症状が現れやすいものです。気になる症状があったら早めに病医院を受診することが大切です。

 

早期発見・早期治療のために、会社の定期健診や地域の集団検診などは積極的に受けるようにします。また、自宅で血圧を測る習慣をつけましょう。

 

 

二次性高血圧とは?

 

高血圧は、本態高血圧と二次性高血圧に大別されます。本態性高血圧は、はっきりとした原因がないのに血圧だけが高くなるもので、高血圧の大多数は本態性高血圧です。

 

これに対して二次性高血圧は、ほかの病気の一症状として血圧が上昇するもので、症候性高血圧ともよばれ、原因の明らかな高血圧といえます。

 

 

二次性高血圧は、高血圧症全体の5%程度にすぎませんが、35歳以下の人に発症する若年性高血圧では50%前後を占めるといわれています。

 

血圧とは、血液が動脈内を流れるときに血管壁にかかる圧力のことです。心臓の左心室が収縮して、動脈へ血液を送り出しているときの血圧は収縮期血圧(最大血圧)、左心室が拡張して血液が流れ込んでいるときの血圧は拡張期血圧(最小血圧)とよばれます。

 

 

高血圧の診断の際に広く用いられているWHO(世界保健機関)の基準では、収縮期血圧140mmHg未満、拡張期血圧90mmHg未満を正常血圧とし、収縮期血圧160mmHg以上、拡張期血圧95mmHg以上が高血圧と定義されています。

 

また、収縮期血圧141~159mmHg、拡張期血圧91~94mmHgは境界域高血圧とよばれます。

 

血圧の高い状態が長期間続くと、血管が徐々に傷ついて動脈硬化が進行し、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの引き金になります。

 

二次性高血圧は、別の疾患が原因で高血圧になっているために、原因疾患特有の副症状を伴っていることが多いものです。自分の病態を把握し、症状をきちんと説明できるようにしておきましょう。

 


 

二次性高血圧の種類と原因

 

分 類 原 因 疾 患
腎性高血圧 腎実質性高血圧(急性・慢性糸球体腎炎、慢性腎盂腎炎、糖尿病性腎症、 多発性のう胞腎、水腎症、膠原病、間質性腎炎など)
腎血管性高血圧(粥状硬化、線維筋性異形成、大動脈炎症候群、 多発性動脈炎、解離性大動脈瘤、動脈瘤、塞栓など)
原発性ナトリウム貯留、レニン産生腫瘍
内分泌性高血圧 副腎性(原発性・特発性アルドステロン症、クッシング症候群、 褐色細胞腫、先天性副腎過形成など)
甲状腺性(甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症など)
副甲状腺機能亢進症
下垂体性(先端巨大症、クッシンク病など)
心臓・血管性高血圧、神経性高血圧 大動脈縮窄症、大動脈炎症候群、大動脈弁閉鎖不全症など
脳圧亢進(脳腫瘍、脳炎など)、脳血管障害
その他(呼吸性アシドーシス、睡眠時無呼吸症候群、急性ポリフィリア、自律神経失調症、鉛中毒、ギランバレー症候群など)
妊娠中毒症による高血圧 妊娠中毒症
外因性高血圧 交感神経刺激剤・経口避妊薬・ステロイド剤・非ステロイド系抗炎症剤・甘草・MAO阻害薬(抗うつ薬)などの服用、塩分の過剰摂取、鉛中毒など
その他 カルチノイド腫瘍、多血症など

 

二次性高血圧の種類としては、腎性高血圧、内分泌性高血圧、心臓・血管性高血圧、神経性高血圧、妊娠中毒症による高血圧、外因性高血圧などがあげられます。

 

このうち、最も多くみられるのは腎性高血圧で、二次性高血圧の約75%を占めています。

 


 

腎性高血圧

腎性高血圧は、腎臓の病気によって高血圧が引き起こされるもので、腎臓の障害部位によって、さらに腎実質性高血圧と腎血管性高血圧に大別されます。

 

腎臓の糸球体や尿細管には、体内の余分な塩分や水分を尿によって排泄する働きがあります。腎実質性高血圧は、腎臓のこうした機能が低下して起こります。

 

原因となる腎実質性疾患には、糸球体腎炎、腎孟腎炎、のう胞腎、水腎症、痛風腎、糖尿病性腎症などがあり、約80%が高血圧を合併しています。

 

腎血管性高血圧は、腎動脈の狭窄(きょうさく)によって起こる高血圧で、腎動脈硬化症、大動脈炎症候群、腎梗塞などが原因となります。

 

 

腎性高血圧には、このほかにも腎周囲性膿瘍による腎周囲性高血圧、ウイルムス腫瘍をはじめとする腎臓に発生した腫瘍が原因の腎腫瘍性高血圧などがあります。

 

腎実質性疾患や腎血管性疾患などを発症すると、血圧を上げる働きのあるレニン、アンジオテンシンという昇圧物質が増加するため、血圧が高くなると考えられています。

 

腎性高血圧は、高血圧に伴って血尿やたんぱく尿、頭痛、むくみ、貧血などの症状が現れることがあります。

 

 

内分泌性高血圧

二次性高血圧のなかで腎性高血圧に次いで多いのが、内分泌性高血圧です。内分泌性高血圧は、内分泌腺の病気によって高血圧になるケースです。

 

主な原因疾患には、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群などがあげられます。いずれも、ホルモンの分泌異常のために血圧が上がります。

 

 

原発性アルドステロン症は、副腎皮質に腺腫とよばれる腫瘍が発生して、血圧を上げる作用のあるアルドステロンというホルモンが過剰に分泌される病気です。

 

内分泌性高血圧の原因疾患としては、最も多くみられるものです。アルドステロンの分泌量が増えすぎると、体内にナトリウムと水分がたまり、血液量が増えて高血圧を招きます。

 

 

原発性アルドステロン症になると、急激に血圧が上昇するだけでなく、頭痛や筋力低下、口掲、多飲、多尿などの症状が現れます。

 

筋力の低下は、手足に軽い脱力感を覚える程度の場合もあれば、完全に麻痺してしまうケースもみられ、疲労や寒さが引き金となって突然起こることが多く、短時間で回復します。多尿は、特に夜間に目立ちます。このほか、動悸や肩こり、いらいら感などが現れることもあります。

 

 

褐色細胞腫は、副腎の内側にある髄質や、クローム親和性細胞という組織に腫瘍ができる病気です。昇圧物質のアドレナリンとノルアドレナリンが過剰に分泌されるために、高血圧を招きます。

 

褐色細胞腫は、発作型と持続型に分けられます。発作型では、特に目立った症状はみられないことが多く、血圧も正常なケースが大半ですが、ときとして、血圧が上昇して、激しい動悸や頭痛を伴います。

 

 

高血圧の発作は、排便時や咳・くしゃみをしたときなど、腹圧がかかったときに起こりやすいのが特徴です。手の指のふるえ、胸痛、腹痛、吐き気、体重の減少、全身倦怠感(けんたいかん)、視力障害などが現れることもあります。

 

一方の持続型では、血圧が高い状態が続きますが、急激に症状が変化することはありません。

 

 

甲状腺機能亢進症では、甲状腺ホルモンの分泌が過剰になり、心臓の収縮力が増大するために血圧が上昇します。動悸ややせのほかに眼球突出などの症状が現れることがあります。

 

クッシング症候群は、30~40代の女性に多くみられる疾患です。副腎皮質ホルモンの一つであるコルチゾールが、慢性的に過剰に分泌されて血圧が上昇します。

 

副腎皮質に発生した腫瘍や、副腎皮質の組織の形成異常などが原因となります。

 

主な症状としては、血圧上昇のほか、多毛、満月様顔貌(ムーンフェイス)などがあげられます。また、手足は細いのに、顔や頚部(けいぶ)、胴体に脂肪がつく中心性肥満の体形になります。ときには足の筋力まで低下して、階段の昇降に支障をきたす場合もあります。

 

女性の場合は、月経不順や無月経になるケースもみられます。

 


 

 

 

心臓・血管性高血圧

心臓・血管性高血圧を引き起こす原因疾患には、大動脈縮窄症、大動脈炎症候群などがあります。

 

大動脈縮窄症は、大動脈が先天的に狭窄しているケースで、下肢の収縮期血圧が、頭部や両手をはじめとする上半身の収縮期血圧よりも低くなるのが特徴です。

 

大動脈炎症候群は、若い女性に発症しやすい傾向があります。大動脈の炎症によって、胸部動脈や腎動脈などに狭窄や閉塞が起こり、高血圧になります。炎症の程度と部位によりますが、からだの片側の血圧が高くなって、血圧の左右差が生じることがあります。

 

また、炎症が頚動脈に及ぶと、めまいや失神を起こすケースがみられます。

 

 

神経性高血圧

頭部の外傷や脳腫瘍、髄膜炎などの脳疾患が原因で頭蓋内(ずがいない)の圧が高まる結果、血圧が上昇するケースを神経性高血圧といいます。

 

頭痛や吐き気を伴うことが多く、時間が経過するにつれて、もうろうとしたり、昏睡に陥るといった意識障害が生じやすくなります。

 

 

妊娠中毒症による高血圧

妊娠時にみられる高血圧の多くは、妊娠中毒症によるものです。一般に、高血圧のほか、むくみやたんぱく尿を伴いますが、一つの症状が顕著に現れることもあります。病気が進行すると、けいれん、昏睡、視力障害などが起こります。

 

また、胎児の健全な発達が妨げられて、早産や死産の引き金になるケースもみられます。

 

 

外因性高血圧

激しい咳や喉の痛みに対して処方される漢方薬の甘草(かんそう)、炎症を抑える強力な効果をもつ副腎皮質ホルモン剤、経口避妊薬といった薬剤を服用すると、高血圧が引き起こされることがあります。

 

こうした薬剤には、ナトリウムの排泄の低下を招く作用があり、その結果、体内にナトリウムと水分がたまって、血液量が増えるために血圧が上昇します。

 

 

悪性高血圧

本態性高血圧、二次性高血圧に限らず、拡張期血圧が常に130mmHg以上で、臓器に重い障害を及ぼしてくる場合を悪性高血圧といいます。

 

悪性高血圧では、脳や目、腎臓、心臓などの臓器に障害が起こってきます。

 

脳の症状では、高血圧性脳症があげられます。最初は軽い頭痛がみられる程度ですが、次第に痛みが強くなり、やがて吐き気や嘔吐を伴うようになります。

 

高血圧性脳症は、血圧の急激な上昇により、脳の循環不全が起こって生じると考えられています。放置すると、頭痛やけいれん発作を起こし、昏睡状態に陥って、生命を脅かす事態になりかねません。

 

また、腎性高血圧で悪性高血圧を併発した場合は、早期に適切な治療を受けておかないと、数年後には腎不全になるおそれがあります。

 


 

二次性高血圧の検査と診断

 

二次性高血圧の診断のためには、まず血圧の正確な測定が必要です。

 

血圧は、常に一定に保たれているわけではなく、精神的・身体的条件や気温などの環境の影響を受けて変動しやすいものです。

 

血圧測定は、リラックスした状態で行われるのが理想的ですが、なかには白衣性高血圧といって、病医院の診察室に入ったり、医師の顔を見ただけで、緊張して血圧が上昇してしまう人もいます。

 

したがって、高血圧かどうかを正確に診断するためには、日や時間を変えて数回測ってみたり、体位による血圧値の変化をみることも必要です。

 

また、高血圧と考えられる場合、原因疾患のある二次性のものか、本態性のものかを鑑別する必要があります。そのために、遺伝的な要因や既往歴、自覚症状などについて詳しく問診を行います。

 

さらに、検査を行って原因疾患の有無や重症度を鑑別します。

 

 

二次性高血圧の予防

 

血圧は、食事やアルコールの摂取、ストレス、寒さといった環境の変化などによって変動しやすいものです。降圧剤による薬物療法を行っていても、日ごろの生活習慣を改めて血圧の変動をできるだけ抑えるように、自分で血圧を管理することが大切です。

 

日本酒に換算して1日に2合以上のアルコールを習慣的に飲んでいると、血圧が上昇しやすくなることがわかっています。アルコールの摂取量は、日本酒で1合、ビールなら大瓶1本、ウイスキーならダブルで1杯程度にとどめるようにしましょう。アルコールの過剰摂取が続くと、降圧剤が効きにくくなるケースもみられます。

 

その一方で、アルコールには、一時的に血管を拡張する作用もあります。したがって、降圧剤を服用している場合には、アルコールとの相互作用で血圧が急激に下がりすぎる可能性が考えられます。

 

 

入浴についても注意が必要です。高血圧の人が42℃以上の熟めの湯に入ると、血圧が急上昇して脳卒中を起こす危険があります。

 

反対に、ぬるめのお湯につかると、血管が拡張して血圧が下がったり、心身がリラックスしてストレスが解消される効果が期待できます。冬は41℃以下、夏は40℃以下の湯に入るようにし、入浴後は、1~2時間たって、ある程度ほてりが静まってから就寝しましょう。

 

 

急激な気温の変化も高血圧には大敵です。例えば、冬場に浴室から出たときや、夜中にトイレに立つときなどには、血圧が急上昇しやすいものです。

 

浴室の脱衣所やトイレにも暖房を入れて、暖めておくとよいでしょう。たとえ屋内であっても、暖かい部屋から廊下を通って移動するときや、温まった布団から出る場合には、ガウンなどをはおるようにしましょう。

 

 

また、ストレスも血圧を上昇させる要因の一つです。音楽を聴いたり、読書や散歩をするなど好きなことをして、リラックスできる時間を設けるように心がけるのも大切です。

 

これらの日常生活の注意点を踏まえて二次性高血圧を予防しましょう。

 


 

 

急増している糖尿病性腎症

二次性高血圧の原因として最も多くみられるのは腎臓病ですが、近年、糖尿病によって腎臓の糸球体に障害が起こる糖尿病性腎症が増加しています。

 

糖尿病のおそろしい点は、進行すると重篤な合併症を招くことで、糖尿病性腎症は糖尿病の3大合併症の一つにあげられています。

 

 

糖尿病性腎症は、糖尿病を発症してからの期間が長くなるほど起こりやすく、特に10年を超えると併発するケースが多いとされています。

 

初期にはたんぱく尿がみられる程度ですが、腎臓に障害が現れてから、だいたい5~10年以内に慢性腎不全に進行します。

 

糖尿病は自覚症状が現れにくいため、本人が気づかないうちに病状が悪化しているケースも少なくありません。しかし、糖尿病の可能性があると診断された人のうち、実際に医療機関で治療を受けている人は、半数以下にとどまっているといわれています。

 

糖尿病性腎症や二次性高血圧を防ぐためには、定期健診などで高血糖を指摘されたら早めに受診して適切な治療を受け、血糖値のコントロールに努めることが大切です。

 

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