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顎関節症の部位などによって5種類に分類、タイプにより現れる症状にある程度違いが出る

目次

 


 

顎関節症の部位などによって5種類に分類、タイプにより現れる症状にある程度違いが出る

 

顎関節症の種類と症状

 

五つのタイプに分類

 

日本顎関節学会では、顎関節症を病変が認められる部位などによって、5種類に分類しています。

 

一般社団法人日本顎関節学会 - 学会ホームページ:日本顎関節学会

 

タイプにより現れる症状にある程度違いが出てきます。

 

関節外に病変があるタイプ

 

【Ⅰ型】

あごを動かす関節の中ではなく、周囲の筋肉や筋膜に病変が起こるタイプです。硬い物を食べたり、あご周辺の筋肉を過度に使ったり、緊張が続いたりすることによって筋肉や筋膜に炎症が起こります。

 

症状はあご周辺の筋肉に痛みを感じたり、何となく重い感じがします。筋肉や筋膜の炎症ですから、あごの関節を動かしても雑音がすることはありません。

 

 

あご周辺だけでなくこめかみや後頭部、首の周辺の筋肉にまで痛みが生じることもあります。さらにひどくなると、頭痛や肩こりが起こり、腕や腰、手足まで痛みが広がります。

 

ただし、筋肉や筋膜のみの炎症は決して多くありません。筋肉の炎症と思われるものでも関節の症状がもとにあるケースがほとんどです。

 

関節内に病変があるタイプ

 

【Ⅱ型】

Ⅰ型のタイプに、顎関節の症状が加わるものです。関節の勒帯や関節円板が伸びたような状態になります。

 

口を開けたり閉めたりする際に、関節部分が痛んだり、あごが動かしにくいといった症状が現れます。あごの関節部分を押さえると鈍痛があり、あごの関節だけでなく、その周囲の筋肉も痛む場合があります。

 

【Ⅲ型】

顎関節の中にある関節円板の位置がズレたり、ときには損傷したりしています。顎関節内部の異常では最も頻度が高く、顎関節症の症状をもつ人の約90%以上に起こっていると考えられています。

 

円板がズレる方向で最も多いのは、前方の内側へのズレですが、ときには前方の外側や後方へズレることもあります。外から加わる力の性質や種類、あるいは関節の支持組織の損傷の状態から、ズレる方向が変わってくるためです。

 

 

かつては、関節円板がズレると症状がどんどん悪化すると考えられ、円板を元の位置に戻す治療が試みられていました。

 

しかし、円板の位置がズレたままでも、症状がなければ放置しておいても特に支障はなく、何らかの症状がみられる場合もスプリントという器具を使用するなどの治療をすれば、物を噛む機能に影響はないことがわかってきました。

 

関節円板がズレていると、顎関節症の3大症状とよばれる次のような症状が現れます。

 

〈関節雑音〉

口を開け閉めするときに、「ポキッ」あるいは「コキッ」という音がすることがあります。これが慢性化すると、口を動かすたびに、ゴリゴリとかジョリジョリといった音がするようになります。

 

〈関節の機能障害〉

ときには、口を大きく開けにくくなることがあり、このような状態をクローズドロックとよんでいます。

 

ある日突然開かなくなる場合もありますが、多くは徐々に開けにくくなり、初期には患者自身も気づかないことが少なくありません。

 

位置がズレた関節円板は、一般に変形が進んでおり、口を開ける際に下あごが前へ移動するのを邪魔するために起こります。

 

〈関節部の痛みと違和感〉

顎関節部やその周囲に痛みや違和感を感じます。耳の中に痛みが出る場合もあり、めまいや耳鳴り、ふらつき感などを伴うケースもみられます。

 

ただし、関節円板の位置のズレ自体が痛みの直接的な原因になることはほとんどありません。

 

それよりも位置のズレによって、円板の支持組織が損傷されたり、滑液などの循環に障害が起こるために痛みが生じるのではないかと考えられます。

 

 

【Ⅳ型】

顎関節の骨に変形が起こるもので、骨端がとげのようにとがったり、表面がでこぼこになります。

 

変形性関節症、あるいは骨関節症ともよばれています。

 

あごを動かすたびに、ミシミシときしむような音がして、強い痛みを伴うこともあります。急激に骨の変形が起こると、噛み合わせにも影響が出ます。

 

心理的要素が強いタイプ

 

【Ⅴ型】

ⅠからⅣまでのタイプのどれにもあてはまらないもので、心理的な要因が強いケースです。

 

例えば、痛みを生じるような損傷や異常が顎関節にみられないにもかかわらず、慢性的な痛みを訴える症例があり、心身症の一種であると考えられています。

 

 

患者は、虫歯の治療による噛み合わせの変化などをきっかけに、顎関節に痛みや違和感を覚えたり、噛み合わせの異常が治らないといった症状を訴えます。

 

ひどくなると噛み合わせの違和感のために、からだ全体に脱力感を生じたり、症状が気になって、日常生活に支障が出ることさえあります。

 

 

顎関節症はこのように五つのタイプに分類されていますが、病態がはっきりと分かれるわけではありません。

 

関節内部の慢性外傷が本来の病変でも、周辺の筋肉にも痛みがあり、心理的な要因もみられるというように、症状が重なり合っているケースがほとんどです。

 

あごの痛みや違和感が起こる病気は、ほかにもありますか?

あごの関節や周辺部に痛みが起こる疾患としては、顎関節症のほかに虫歯や副鼻腔炎、口内炎なども考えられます。

 

また、関節リウマチの炎症が顎関節に及んだ場合には、やはりあごの運動障害や関節雑音を伴いますし、そのほかの膠原病のなかにもあごの関節に症状が起こるものがあります。

 

ただし、このような病気の場合には、全身症状が現れますから、顎関節症と容易に区別がつきます。そのほか、腫瘍や化膿性顎関節炎などの病気もあります。

 

化膿性顎関節炎では発熱して、患部に腫れや激しい痛みが出ますから、顎関節症とは明らかに判別ができます。

 

 

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