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難聴のさまざまな聴力検査と診断

目次

 


 

難聴の検査と診断

 

難聴のさまざまな聴力検査と診断

 

難聴の性質や原因などを正確に診断することが、適切な治療に結びつきます。

 

そのためには、発症時期、経過、程度、難聴に伴う症状の有無などを問診によって把握することが必要です。

 

 

難聴が急激に起こったのか、徐々に聞こえが悪くなったのかどうかで原因を推察します。

 

さらに、大きな声で話すと話の内容がわかるのかどうかで、伝音性難聴か感音性難聴かをある程度判断することができます。

 

 

低下の程度をオージオメトリーで測定

 

難聴の確定診断のためには、各種の聴力検査が不可欠です。聴力検査は、補聴器の適応を判断するためにも大切なものです。

 

最も基本的で主要な聴力検査は、標準純音聴力検査です。標準純音聴力検査では、外耳道から鼓膜、耳小骨を通って内耳に伝わる気導聴力と、頭部から骨を伝わって内耳を振動させる骨導聴力の二つを測定します。

 

 

通常、日常生活のなかで聞こえてくる音はさまざまな周波数が混じった音ですが、検査で使われる純音は、ハ調のドの音に近い規則的な周波数の音です。

 

 

標準純音聴力検査では、この純音を発するオージオメータという機械を用いて、125、250、500、1,000、2,000、4,000、8,00OHz(ヘルツ)の7周波数ごとに聞きとり検査を行い、どのくらいの音の大きさで聞こえ始めるか、最小可聴域植を調べます。

 

ちなみに、正常な聴力で聞きとることができる音域は、100~20,000Hzの間とされています。会話音は、低音域から中音域にあたる500~2,00OHzの音で構成されています。

 

 

聞こえ始めた音の大きさ(聴力レベル)はdB(デシベル)で表されます。一般に、30dB以内は軽度難聴、30~60dBまでを中等度難聴、60dB以上が高度難聴と定義されています。

 

骨導聴力が正常で、気導聴力が低下しているケースが伝音性難聴で、骨導聴力と気導聴力が同じように低下しているものを感音性難聴と診断します。

 

 

さらに、標準純音聴力検査では、難聴の種類によって特徴的な聴力図(オージオグラム)を示します。

 

4,000Hzの気導聴力、骨導聴力が特に低下し、聴力図がV字型を形成するときは騒音性難聴の可能性があります。

 

4,000や8,000Hzの高い周波数に高度の聴力低下を示すときは薬物性難聴、2,000Hz以上でゆるやかに低下するパターンは老人性難聴と推察されます。

 

 

言葉の明瞭度を語音聴力検査で測定

 

伝音性難聴か感音性難聴かを鑑別するためには、言葉をさまざまな強さで聞かせて正解率を測定するスピーチオージオメトリー(語音聴力検査)を行うことも必要となります。

 

伝音性難聴では、音を強くすればほぼ100%の正解率が得られますが、感音性難聴では音を強くしても正解率は低いままです。

 

 

このほか、鼓膜の働き具合を調べるインピーダンス・オージオメトリーや、左右の耳から聞かせた音が脳に伝わる速度を調べる聴性脳幹反応検査(ABR)なども必要に応じて行われます。

 

 

 

 

 

さまざまな聴力検査

 

標準純音聴力検査

 

標準純音聴力検査では、気導聴力検査と骨導聴力検査の二つを行います。気導聴力検査は、耳にレシーバーをあてて音を聞かせ、その聞こえ方を調べます。

 

骨導聴力検査は、振動体という端子を耳の後部にある乳様突起の部分にあてて、音の聞こえ方を調べます。

 

音叉(おんさ)による聴力検査

 

音叉は純音を出すための器具で、オージオメータと同様に気導、骨導の聴力検査に使用されます。

 

音叉を前額部にあて、左右のどちらで強く聞こえるかを調べるウェーバー法と、気導と骨導の聞こえの時間差を調べるリンネ法があります。

 

語音による検査

 

語音による検査には、囁語検査(じごけんさ)とスピーチオージオメトリーによるものがあります。囁語検査は、ささやく程度の強さの言葉を用いて聴力を測定するもので、一方の耳をふさいで聞こえた言葉を復唱します。

 

6m離れた位置で聞きとることができれば正常とされます。

 

インピーダンス・オージオメトリー

 

音響エネルギーの鼓膜での反射を利用して、中耳伝音機構の伝導効率を調べます。

 

外耳道に音圧を加え、鼓膜や耳小骨の動きやすさを知るティンパノメトリーが代表的なインピーダンス検査です。

 

聴性脳幹反応検査(ABR)

 

患者を自然睡眠あるいは睡眠薬による睡眠状態にして、左右の耳から80dBの音を聞かせ、脳幹から出る弱い脳波を測定する検査です。

 

 

正常な場合はきれいな波形を示しますが、難聴があると、反応が遅れたり、波形に乱れが生じます。

 

子どもの検査法

 

聞こえの状態をうまく表現できない子どもに対しては、人形や玩具、楽器などをとり入れた遊戯オージオメトリーで反応を観察したり、音の出る方向を見ようとする詮索反応を利用した条件詮索反応聴力検査(COR検査)を行って調べます。

 

 

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